【ネイリン(ホスラブコナゾール)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ネイリンは、経口の抗真菌剤で爪白癬の治療薬です。

2017年11月6日開催予定の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて製造販売承認の可否が検討されることになっています。
※承認されました!発売予定日は2018年7月27日となっています。

今回は、ネイリンの効果効能、副作用や注意点について紹介します。

目次

ネイリンってどんな薬?
ネイリンって何の病気に使えるの?
ネイリンってどうやって効くの?
ネイリンが効くかってどうやって確かめたの?
ネイリンの一般的な使う量と回数
ネイリンの副作用
ネイリンで気を付けることは?
ネイリンのジェネリック(GE)ってあるの?
ネイリンの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する薬

ネイリンってどんな薬?

ネイリンは、有効成分ホスラブコナゾールで、爪白癬治療薬の飲み薬です。
経口の白癬治療薬としては、イトリゾールやラミシールがすでにあります。

なので、いまさらどうしてこの領域の薬が新発売されるのだろうと疑問に思っていました。
経口の爪白癬治療薬としては、約20年ぶりの新しい薬とのことです。
それまでに販売されていたものよりも、副作用が生じる可能性が低い、特に重篤な副作用の可能性が低いというのが、大きなメリットのようです。

【効能・効果】
〈適応菌種〉

皮膚糸状菌(トリコフィトン属)

〈適応症〉
爪白癬

〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること。
引用:ネイリンカプセル 添付文書

ネイリンって何の病気に使えるの?

爪白癬

爪白癬は、皮膚糸状菌である白癬菌が爪に感染することによって生じる感染症です。
白癬菌が足の裏に繁殖すると、いわゆる「水虫」となります。

爪白癬は、爪に神経がないため、痛くも痒くもありません。
ですが、だんだんと爪が白く濁っていき、そして厚くなっていきます。
その後、ぼろぼろと剥がれ落ちるような爪になってしまいます。

そして、この剥がれおちた爪が感染源となり、一緒に生活している方に水虫・爪白癬をうつしてしまうこととなります。

死ぬほどの病気ではないものの、かゆみであったり、見た目の悪さからQOL(生活の質)を下げてしまうので、治療が望まれます。

ネイリンってどうやって効くの?

ネイリンの有効成分ホスラブコナゾールは、体内でラブコナゾールに変化します。

ラブコナゾールは、白癬菌の細胞膜の成分である【エルゴステロール】の生成を止める効果があります。

その結果、細胞の周りの部分を奪われていまった白癬菌は、細胞の維持ができなくなり、死滅します。

ネイリンが効くかってどうやって確かめたの?

日本人爪白癬患者(爪甲混濁部面積比が25%以上)153例を対象として、ネイリン(ラブコナゾールとして100mg)を服用する方と、有効成分が含まれていないプラセボを服用する方に分け、1日1回12週間経口投与してもらい、効果があるかを確かめました。

その結果、ネイリン服用した群が59.4%(60/101例)で治癒し、プラセボ群が5.8%(3/52例)の治癒率でした。
治癒の定義としては、「爪の混濁が完全に消失している」かつ「顕微鏡で爪片を確認して、真菌がいないこと」です。

このことから、ネイリンは爪白癬の治療に効果があると認められ、販売されるに至りました。

ですが、12週間服用しても、60%程度の有効率であるので、もしかしたら効かない可能性もあります。
その場合は、医師の判断のもと、経過観察や別の薬に切り替えるなどの対応が必要となります。

ネイリンの一般的な使う量と回数

【用法・用量】
通常、成人には1日1回1カプセル(ラブコナゾールとして100mg)を12週間経口投与する。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
投与終了後は、爪の伸長期間を考慮して経過観察を行うこと。
なお、本剤は、新しい爪が伸びてこない限り一旦変色した爪所見を回復させるものではない。
引用:ネイリン 添付文書

ネイリンは1日1回1カプセルを12週間服用する薬です。

白癬菌がいなくなったからといって、爪がすぐ元通りきれいになるわけではなく、時間がかかります。
爪が生え変わることによって、きれいな状態に切り替わります。
すべて生えかえるのには、半年~1年程度かかるので、気長にまってください。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

ネイリンの副作用

ネイリンに報告されている頻度が高い副作用は、γ-GTP増加(15.8%)、ALT(GPT)増加(8.9%)、AST(GOT)増加(7.9%)、腹部不快感(4.0%)、血中Al-P増加(2.0%)です。
※爪白癬患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験における101例に基づく

血液検査異常は、定期的な血液検査によって、医師が確認する項目なので、基本的には医師まかせでよいかと思います。
頻度高い副作用のなかでは、腹部不快感が患者さんが感じることができる副作用となります。

服用していて、違和感や症状の悪化あれば、医師にすぐ相談するようにしましょう。

ネイリンで気を付けることは?

飲み忘れ注意

爪の白癬菌を殺す作用をもちますが、飲み忘れがあると濃度が十分でなくなり、白癬菌が再び増殖してくる可能性があります。

そうすると、白癬菌を殺しきれなくなるので、飲み忘れないようにきちんと服用し続けるようにしてください。

妊娠している可能性があればすぐに医師に連絡を

動物実験において、胎児に奇形をもたらす可能性があるとされています。
なので、妊娠している可能性があれば、医師にすぐ連絡してください。

また、そもそも、ネイリン服用中に関しては、投与終了後3ヶ月まで、妊娠しないように適切な避妊を行うようにとされています。

服用中の授乳は控える

ラットでの乳汁への移行が確認されているので、服用している場合は、授乳をさけるようにしてください。

ネイリンのジェネリック(GE)ってあるの?

ネイリンのジェネリックはまだ販売されていません。

ネイリンの市販薬(OTC)ってあるの?

ネイリンのOTCは販売されていません。
爪白癬の治療は、内服薬や浸透力の強い液薬を使う必要があり、それらはまだOTC化されていません。
爪白癬が生じたら、はやめに皮膚科を受診することをおすすめします。

まとめ

ネイリンは、有効成分ホスラブコナゾールの爪白癬の治療薬です。
爪白癬の原因である白癬菌(皮膚糸状菌(トリコフィトン属))を殺す作用をもっており、爪白癬を治すことができます。

12週間服用が原則となる薬です。
飲み忘れや自己判断での中止があると、白癬菌を殺しきることができない可能性があります。

服用に際しては、医師の指示に従って、継続して服用するようにしてください。

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