【アクトネル(リセドロン酸)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

アクトネルは、ビスホスホネート系に分類される骨粗鬆症の薬です。
骨粗鬆症は、骨の成分が溶け出すことでスカスカになり、骨折の危険性を上げる病気とされています。

今回は、アクトネルについて、その効果効能、副作用や注意点について紹介して行きたいと思います。

目次

アクトネルってどんな薬?
アクトネルってどうやって効くの?
アクトネルの用法・用量
アクトネルの副作用
アクトネルの注意点
まとめ

アクトネルってどんな薬?

アクトネルは、ビスホスホネート系の骨粗鬆症の治療薬です。
有効成分はリセドロン酸ナトリウムです。
1錠あたり、2.5mg・17.5mg・75mgの3つが用意されており、それぞれ服用間隔が異なります。
2.5mgは毎日服用、17.5mgは1週間に1回服用、75mgは1ヶ月に1回服用します。
日本では、2.5mgは2002年5月、17.5mgは2007年6月、75mgは2013年2月に販売が開始されました。

効能又は効果
(1)承認を受けた効能又は効果
〈錠 2.5mg〉骨粗鬆症
〈錠 17.5mg〉骨粗鬆症、骨ページェット病
〈錠 75mg〉骨粗鬆症

(2)効能又は効果に関連する使用上の注意
〈錠 2.5mg〉
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の原発性骨粗鬆症の診断基準等を参考に骨粗鬆症と確定診断された患者を対象とすること。

〈錠 17.5mg〉
〈骨粗鬆症の場合〉
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の原発性骨粗鬆症の診断基準等を参考に骨粗鬆症と確定診断された患者を対象とすること。

〈骨ページェット病の場合〉
本剤の適用にあたっては、日本骨粗鬆症学会の「骨 Paget 病の診断と治療ガイドライン」等を参考に骨ページェット病と確定診断された患者を対象とすること。

〈錠 75mg〉
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の原発性骨粗鬆症の診断基準等を参考に骨粗鬆症と確定診断された患者を対象とすること。
引用:アクトネル インタビューフォーム

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症を説明する前に、骨のリモデリングという現象について、少し説明しておきます。
骨は一度作られたらそれで終わりではなく、常に破壊と作成が行われています。
この現象を骨のリモデリングといいます。

骨の破壊を担当するのが「破骨細胞」、骨の作成を担当するのが「骨芽細胞」であり、健常人ではバランスよく働いているので、骨の全体量が減るといったことはありません。
ところが、このバランスが崩れ、破骨細胞の活動が勢いを増してくると、骨の破壊がすすみ、骨粗鬆症となります。
原因としては、高齢・閉経などがあります。

さて、骨粗鬆症となると何がまずいのでしょうか?
それは、「骨折」のリスクが上がってしまう点です。
高齢の方の骨折はなかなか治りにくく、また大腿骨骨折などで寝たきりになってしまうと、一気に全身の筋力が落ち、活動力が低下してしまいます。
その結果、ずっと寝たきりのまま死んでしまうことが懸念されます。

そのため、骨密度を定期的に検査し、一定以上に保つのが大事となります。

骨ページェット病とは?

骨ページェット病は、骨粗鬆症と同じように骨がスカスカになってしまう病気なのですが、いまだ原因が特定されていません。
骨ページェット病の患者さんでは、破骨細胞と骨芽細胞の両方共活動が活発になっており、骨全体は大きくなるものの中身がスカスカになるという特徴があります。
日本における患者数は、数百人にとどまっています。

アクトネルってどうやって効くの?

アクトネルをはじめとするビスホスホネート製剤は、破骨細胞の活動を抑えることで骨粗鬆症を治療する薬です。

アクトネルは体内に吸収された後に骨に移行し、骨の構成成分であるハイドロキシアパタイト(HAP)と結合します。
破骨細胞が骨を壊す時に、一緒にアクトネルも骨から剥がれ、破骨細胞に吸収されます。

破骨細胞に吸収されたアクトネルは、ファルネシルピロリン酸合成酵素(FPPS)という酵素を阻害し、ファルネシル化タンパク質やゲラニルゲラニル化タンパク質など細胞の機能維持に必要不可欠な物質をつくらせないようにします。
その結果、破骨細胞は機能不全に陥り、アポトーシス(自分自身を殺すこと)が誘導されます。

すると、破骨細胞の活性が落ち、骨芽細胞とのバランスがとれるようになり、骨の破壊がおさまり、反対に骨の作成が進み、骨粗鬆症を改善することができます。

アクトネルの用法・用量


2.用法及び用量
(1)承認を受けた用法及び用量

〈錠 2.5mg〉
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして 2.5mgを 1 日 1 回、起床時に十分量(約 180mL)の水とともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも 30 分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

〈錠 17.5mg〉
○骨粗鬆症の場合
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを1週間に1回、起床時に十分量(約 180mL)の水とともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも 30 分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
○骨ページェット病の場合
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして 17.5mgを 1日1回、起床時に十分量(約 180mL)の水とともに 8 週間連日経口投与する。
なお、服用後少なくとも 30 分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

〈錠 75mg〉
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして 75mgを月 1 回、起床時に十分量(約 180mL)の水とともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも 30 分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

(2)用法及び用量に関連する使用上の注意
投与にあたっては次の点を患者に指導すること。
〈共通〉
1.水以外の飲料(Ca、Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)や食物あるいは他の薬剤と同時に服用すると、本剤の吸収を妨げることがあるので、起床後、最初の飲食前に服用し、かつ服用後少なくとも 30 分は水以外の飲食を避ける。
2.食道炎や食道潰瘍が報告されているので、立位あるいは坐位で、十分量(約 180mL)の水とともに服用し、服用後 30 分は横たわらない。
3.就寝時又は起床前に服用しない。
4.口腔咽頭刺激の可能性があるので噛まずに、なめずに服用する。
5.食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には主治医に連絡する。
引用:アクトネル インタビューフォーム

アクトネルはリセドロン酸ナトリウムの含有量に応じて、服用間隔がかわります。
アクトネル錠2.5mgは毎日服用、アクトネル錠17.5mgは1週間に1回服用、アクトネル錠75mgは1ヶ月に1回服用します。
はじめは、2.5mgしか販売されていませんでしたが、コンプライアンス向上のために製剤工夫され、17.5mgや75mgが開発・販売されるようになりました。

すべての種類において、重要なポイントがあります。
それは、起床時に服用する点です。
また、服用後は30分間横にならないことと、水以外の食べ物を摂取しないことが定められています。

どうしてか?についてはこちらをごらんください。

ざっくりいうと、横になると食道に薬がへばりつく可能性が高くなり、潰瘍を生じる可能性があることと、ミネラルと結合することで吸収されない形に変化してしまうためという2つの理由によります。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

アクトネルの副作用

アクトネルに報告されている副作用としては、胃部不快感や悪心、便秘、腹部痛などの消化器症状、めまいなどの神経系の症状、その他検査値異常が報告されています。

アクトネルをはじめとするビスホスホネート製剤は、消化管への負担が大きいので、それに関連する副作用が多く報告されています。
服用している方で、体調悪化や違和感を感じたら、医師に相談するようにしましょう。

アクトネルの注意点

アクトネルはなんといっても服用が少しめんどくさいです。
起床時に服用すること、服用したら横にならないこと、服用したら30分は水以外は摂取しないことの3つは覚えておきましょう。
また、硬水のミネラルウォーターを日頃から摂取している方は、この薬のむときだけは控えたほうがよいです。
ミネラル豊富な硬水はやはり、アクトネルと結合してしまい、効果を減らしてしまう可能性があるからです。

服用後30分は横になってはいけないので、それを維持できないくらい高齢な方には服用させることはできません。
もしそういう状態であるならば、はじめに医師に相談しておきましょう。

まとめ

アクトネルは、ビスホスホネートに分類される骨粗鬆症の薬です。
破骨細胞に取り込まれると、破骨細胞の機能を停止させ、死に至らせます。
その結果、骨のリモデリングのバランスがとれ、骨の破壊を抑え、骨の作成を進めることができます。

服用に際しては医師の指示どおりに服用するようにしましょう。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る