AIDS(後天性免疫不全症候群)ってどんな病気?

スポンサーリンク

AIDS(エイズ)という病気をご存知でしょうか?
さまざまなところで、名前を聞いたり見たりする病気なので、名前ぐらいは聞いたことあると思います。

ですが、正直どんな病気かわからないという人が多いのではないでしょうか。
死んでしまう病気、治らない病気など、あいまいな知識だけが一人歩きしてると感じたので、今回はAIDSについて書いていきます。

AIDS(エイズ)とは?

AIDSというのは、日本語に訳すと「後天性免疫不全症候群」となります。
ウイルス感染によっては、発症する病気で、そのウイルスはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)といいます。
つまり、HIVというウイルスが体内に侵入・増殖し、ヒトのウイルス抑制能力を超えると、AIDSという病気を発症するという流れです。

性感染症(STD)の一つで、近年爆発的に患者数を伸ばしています。
UNAIDS(国連合同エイズ計画)が発表した「UNAIDS GLOBAL FACT SHEET」によると、
2011年末で全世界のHIV感染者数は約3400万人、AIDS関連死者数は2011年だけで170万人に上ります。
毎年だいたい250万人程度が、新たにHIVに感染している状況です。
参考文献:UNAIDS GLOBAL FACT SHEET

日本では、毎年HIV感染者が約1000件、AIDS感染者が約500件、新規で報告されている状況です。

感染経路

感染経路は、以下の3つに分類されます。

  1. 性的感染
  2. 母子感染
  3. 血液感染

主な感染経路は性的感染です。
粘膜を介して感染するため、コンドームの使用によりある程度感染を防ぐことはできるのですが、完全に感染を抑えることは出来ていないです。

感染してから発症まで

HIVに感染してから、AIDS発症まで体内の状況によって以下のような期に分けられます。
急性感染期⇒無症候期⇒発病期

急性感染期

急性感染期は、HIVに感染した後、2~4週で起こるといわれる期間です。
インフルエンザに感染したときと似たような症状を呈します。
だいたい、1~2週間で鎮静化し、次の無症候期に入ります。

無症候期

無症候期は、その名前の通り、なんにも症状が無い期間です。
だいたい無治療であれば、5~10年程度この無症候期が続きます。
とはいえ、体内では、HIVが順調に増殖しています。ウイルスを殺す細胞が必死に駆除してるので、見かけ上なんにも起こらないです。
ですが、このウイルスを殺す能力を、HIVの増殖能力が追い越すと、次の発病期に移行します。

発病期

発病期は、AIDSを発症した期間のことを言います。
HIVに、体内の免疫系統を抑えつけられた状態です。
免疫系統をやられてしまっているので、健康な人ではかからない病気にかかります。
例として、ニューモシスチス肺炎・クリプトコッカス症・サイトメガロウイルス感染症・カポジ肉腫・非ホジキンリンパ腫・活動性結核・HIV脳症などがあります。
これらの病のことを、AIDS指標疾患といい23個あり、これら疾患が発症するとAIDS発症と判断されます。
AIDSを発症してしまうと、長くは生きることができないとされています。

治療法

AIDSを発症してから、治療を開始してもなかなか上手くいかないとされています。
つまりは、無症候期の段階でHIVを増殖させないように、その増殖を遅らせる治療法が効果があるとされています。

基本的には、HAART(Highly Active Anti-Retroviral Therapy)療法を一生涯続けていきます。
現在の医療技術をもってしても、HIVを完全に体内から除去する方法は生み出されていないので、服薬を一生続けて増殖しないようにコントロールしていくしかありません。
しかし、以前はこの薬もなかったので、「HIV,AIDS=死ぬ」とイメージがついていると思われます。

薬をきちんと服用してさえいれば、通常の寿命くらいの年数生きることができるだろうと言われています。

HAART療法で用いられる薬を、機序別に列挙していきます。

核酸系逆転写酵素阻害剤
ラミブジン(商品名:エピビル®)、ジドブジン(商品名:レトロビル®)、エムトリシタビン(商品名:エムトリバ®)
非核酸系逆転写酵素阻害剤
エトラビリン(商品名:インテレンス®)、リルピビリン塩酸塩(商品名:エジュラント®)、エファビレンツ(商品名:ストックリン®)
プロテアーゼ阻害剤
ネルフィナビルメシル酸塩(商品名:ビラセプト®)、ダルナビル(商品名:プリジスタ®)、アタザナビル硫酸塩(商品名:レイアタッツ®)
インテグラーゼ阻害剤
ラルテグラビルカリウム(商品名:アイセントレス®)
CCR5阻害剤
マラビロク(商品名:シーエルセントリ®)

以上の薬剤を、3種以上組み合わせて服用するのが、HAART療法といいます。

HAART療法の問題点

HAART療法は、万能に見えるかもしれませんが、まだまだ問題点があります。

まず、薬剤耐性の問題です。HIVは突然変異を起こしやすく、薬物耐性つまり薬が効かなくなるウイルスが出現してしまう可能性が高いです。
HAART療法では、一つの薬剤ではなく、複数の薬剤を用いることにより、この薬物耐性ウイルスの出現可能性を減らしているものの、可能性はゼロではありません。

次に、副作用の問題です。
副作用が原因で死に至る可能性も、ゼロではありません。致死的な副作用が出た場合は、HAART治療の中止を余儀なくされる可能性もあります。

そして、薬剤の値段、お金的な問題です。
日本では、高額な治療費に対して国から援助がもらえるシステムが整っていますが、発展途上国はこの高い薬代を払うことができずに、治療が進まないといった問題があります。

最後に、飲み忘れ問題です。
3種類以上の薬を、ほぼ毎日飲まなくてはいけないため、飲み忘れや服薬拒否の問題が生じます。
この薬は、毎日定期的にきちんと飲むことが、HIVの増殖を抑えるために必要不可欠なので、十分に患者さんに説明し納得したうえで治療開始をする必要があると考えられます。

まとめ

AIDSは治療技術の進歩により、若いうちに死んでしまう病から、ある程度コントロールできる病にかわりつつあります。
ですが、AIDS発症してからの生存率は依然として低いままです。

長く生きるために必要なことは、早期発見・早期治療といえるでしょう。
日本では国を挙げて、早期発見できるように、いたるところで無料・匿名で検査できるような体制を整えています。
参考:HIV検査相談マップ

早期発見し、早期での治療を開始すれば、普段通りの生活を送れる可能性が上がります。
ぜひ、積極的に検査を受けることをお勧めします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

関連記事

ページ上部へ戻る