骨芽細胞と破骨細胞による骨のリモデリングについて

体を形作っている骨は、一度作られたらそのままではなくて、常に壊され新しく作り直されています。このサイクルのことをリモデリングと言います。

今回は、骨のリモデリングについて少し説明していきたいと思います。

リモデリングについて

骨のリモデリングを担っている破骨細胞と骨芽細胞の図です。
簡単に図で説明するとこんな感じですね。

骨を破壊する役割を果たす「破骨細胞」と骨を作る役割を果たす「骨芽細胞」の2つの細胞があり、健常人ですと2つの細胞がバランスを取って活動しているので、骨の総量はほぼ一定に保たれています。

だいたい1年間に20~30%の骨が、新しいものに作り替えられています。作ったら終わりではないのです。

また、血中のカルシウム濃度を一定に保つためにも、破骨細胞と骨芽細胞は大事な役割を果たしています。

破骨細胞によって骨が破壊されるとカルシウムが分離し、血中のカルシウム濃度が上昇します。この現象を「骨吸収」と言います。
反対に、骨芽細胞が骨を作ると血中のカルシウム濃度が減少します。この現象を「骨形成」と言います。

骨吸収と骨形成を繰り返すことで骨は生まれ変わり、血液中のカルシウム濃度は一定範囲に保たれています。

リモデリングのバランスが崩れた疾患

破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れてしまって発症する病気の代表的なのは、「骨粗しょう症」です。

骨粗しょう症は、破骨細胞のほうが骨芽細胞より活動的になってしまうことで生じます。主に閉経後の女性で骨粗しょう症は生じやすいです。
その理由は女性ホルモンであるエストロゲンには骨芽細胞の働きを活性化する作用があるのですが、閉経によってエストロゲンの分泌量が大きく低下することで、骨芽細胞の働きが弱くなり、相対的に破骨細胞の活動量が増した状態になり、骨粗しょう症になってしまいます。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る