凝固・線溶の項目について~血液検査~

 血液検査の検査結果を説明する!第2弾は凝固・線溶の項目について説明します。
 ちなみに、第一弾は全血球算定とは?です。
 

凝固・線溶検査とは?

 凝固は、傷口からの出血を止めるために血液を凝固させる作用のことを指し、線溶は凝固により固まった血液を溶かす作用のことを指します。
つまり、凝固・線溶検査とは、血液の固まる能力と固まり(血栓)を溶かす能力について評価した項目です。

PT(プロトロンビン時間)

血液が凝固する際には、12個の因子が関わりあってフィブリンという物質を作り出します。このフィブリンが網目構造を作り出すことで、出血を止めます。
12個ある因子のうちの第Ⅱ因子がプロトロンビンです。
PTが延長してしまう理由として、ビタミンKの欠乏・ワルファリンを服用・肝臓に障害などが考えられます。
肝臓において、この第Ⅱ因子は作られるので、肝臓に障害があると産生されにくくなるため、PTが延長します。
また、ビタミンKはその反応を助けるので、ビタミンKが欠乏しても、PTが延長します。

基準値は
プロトロンビン比(患者秒数/正常秒数)=0.85~1.2です。

ワルファリンを服用している際には、効果が強すぎないかどうかをモニタリングするために、PT-INR(プロトロンビン時間国際正規化比)を用いて表します。
基準値は、70~120%です。

APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)

APTTは、PTと似ているのですが、PTが血管外の因子由来の血液凝固作用を調べるのに対して、APTTは血管内の因子由来の血液凝固作用を調べることが出来ます。
APTTが延長してしまう理由として、血友病・ビタミンKの欠乏、肝障害などがあげられます。

基準値は
70~130%です。

フィブリン・フィブリノーゲン分解産物(FDP)

FDPはフィブリン分解産物のことを指します。
フィブリンは血液を凝固させる要ともいえる物質です。
しかし、いつまでもこの塊が残っているのも、血液の流れを遮り悪影響を与えてしまします。
そのため、生体にはこの塊(血栓)を溶かす機能があります。

FDPの数値が上がるということは、体のどこかで血液が固まっているということを指します。
DIC(播種性血管内凝固症候群)・感染症の重篤化・悪性腫瘍・心筋梗塞などが原因でFDPの数値は増加します。

基準値は
15μg/mL未満です。

赤血球沈降速度、赤沈、ESR

赤血球沈降速度は、 感染症、貧血、腎障害、肝硬変、炎症性疾患など、様々な病気の活動性等を調べることが出来る検査値です。
沈降速度が更新している場合、免疫グロブリンやフィブリンノーゲンの増加を意味します。

基準値は
男性:10mm以下、女性:15mm以下です。

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