【クラビット(レボフロキサシン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

クラビットは、細菌感染症の治療に用いる薬です。
有効成分はレボフロキサシンで、日本では錠剤と細粒製剤が販売されています。
発熱・咳などの風邪のとき、膀胱炎などの細菌感染症のときによく使われるので、飲んだことある人も多いのではないでしょうか?

今回は、クラビットの効果効能、副作用や注意点について紹介します。

目次

クラビットってどんな薬?
クラビットってどうやって効くの?
クラビットの用法・用量
クラビットの副作用
クラビットの注意点
まとめ

クラビットってどんな薬?

クラビットは、細菌感染症の治療に用いられる薬です。
有効成分は、レボフロキサシン。
日本では、2009年7月に販売が開始されました。

効能又は効果
〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、結核菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、ペスト菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、ブルセラ属、野兎病菌、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌、Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ)、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱
引用:クラビット 添付文書

クラビットは、幅広い菌種に対して効果があり、それらの菌が原因となる様々な病気の治療に用いられます。

クラビットってどうやって効くの?

クラビットの有効成分レボフロキサシンは、ニューキノロン系に属する抗生物質です。

ニューキノロンは、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣに対して作用し、DNAの複製を阻害することで効果を発揮します。

DNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣは、DNA複製過程において、DNAの二重らせん構造を紐解き、1本鎖にする酵素です。
これらの機能を停止することで、二重らせん構造が紐解かれなくなり、DNAも複製できなくなります。

余談ですが、風邪っぽい症状でも使われることが多いクラビットですが、風邪はウイルスが9割原因であり、ウイルスにはまったく効果がないので、抗生物質の無意味な使用ではないかと指摘されることもあります。

2018年の診療報酬改定から、そうした不必要な抗生物質使用を減らすような制度になったので、風邪で抗生物質は少なくなる可能性が高いです。

クラビットの用法・用量

用法及び用量
通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。
肺結核及びその他の結核症については、原則として他の抗結核薬と併用すること。
腸チフス、パラチフスについては、レボフロキサシンとして1回500mgを1日1回14日間経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
2.本剤の500mg1日1回投与は、100mg1日3回投与に比べ耐性菌の出現を抑制することが期待できる。本剤の投与にあたり、用量調節時を含め錠250mg及び細粒10%を用いる場合も分割投与は避け、必ず1日量を1回で投与すること。
3.腸チフス、パラチフスについては、レボフロキサシンとして(注射剤より本剤に切り替えた場合には注射剤の投与期間も含め)14日間投与すること。
4.炭疽の発症及び進展の抑制には、欧州医薬品庁(EMA)が60日間の投与を推奨している。
5.長期投与が必要となる場合には、経過観察を十分に行うこと。
6.腎機能低下患者では高い血中濃度が持続するので、下記の用法及び用量を目安として、必要に応じて投与量を減じ、投与間隔をあけて投与することが望ましい

腎機能Ccr(mL/min)  20≦Ccr<50
用法及び用量  初日500mgを1回、2日目以降250mgを1日に1回投与する。

腎機能Ccr(mL/min)  Ccr<20
用法及び用量  初日500mgを1回、3日目以降250mgを2日に1回投与する。
引用:クラビット 添付文書

クラビットは、通常1日1回500mgを使用します。
症状や年齢、腎機能によって量を調節して使用するので、医師の指示に従ってください。

細かく量を調節するときは、細粒が用いられます。

クラビットの副作用

クラビットに報告されている主な副作用は、悪心・めまい・不眠・下痢・発疹・その他検査値異常です。

クラビットをはじめ、抗生物質は腸内細菌を殺してしまい、腸内環境のバランスが崩れることで、消化器症状を起こします。
過去、抗生物質で消化器症状を起こしたことがある方は、一緒に整腸剤だしてもらうとよいでしょう。

クラビットの注意点

クラビットをはじめとする抗生物質使用に際し、一番大事なのは、処方された薬はすべて飲みきることです。
中途半端で中止すると、細菌を死滅させることができないのと、耐性菌出現の可能性があるからです。

耐性菌とは、その成分が効かなくなるように突然変異した菌で、化学物質がある環境にさらされることで発生します。
ちゃんと殺しきらないと、その環境を耐えた菌が耐性を得る可能性が高くなりますので、しっかり飲みきってしまってください。

また、クラビットには服用してはいけない方が設定されています。

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
3.小児等
ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては、炭疽等の重篤な疾患に限り、治療上の有益性を考慮して投与すること。
引用:クラビット 添付文書

過去に服用して過敏症状が起きた方。
妊娠している人も原則NGです。小児も原則NGです。
※医師の判断で服用を指示することがあるので、それは指示に従ってください。

母乳に薬の成分が移行するので、お母さんが服用中は、授乳は避けたほうがよいです。

まとめ

クラビットは有効成分レボフロキサシンの、ニューキノロン系抗生物質です。
DNAの複製を阻害することで、細菌増殖を抑えます。

抗生物質は、医師から処方された日数をしっかり服用することで効果を発揮するので、しっかり服用するようにしましょう。

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