銅(Cu)の生体内での役割とは?

銅というと十円玉を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。銅は生体にとっても無くてはならない物質です。銅の生体内における役割について紹介していきます。

銅(Cu)の役割

銅は生体内に成人ですと約100mg含まれています。主な役割として、赤血球の構成要素であるヘモグロビンを作るのを助けたり、腸からの鉄の吸収を促進させる働きがあります。

銅(Cu)の欠乏症

銅が欠乏してしまうと、

  • 貧血
  • 毛髪の異常
  • 骨の異常

などが生じてしまいます。

普通の食生活をしている分には不足することは稀とされています。腸管栄養の処置を行っている人などで不足する場合があります。
その他不足する原因として遺伝病のメンケス症候群があります。メンケス症候群は、腸からの銅の吸収量が低下してしまう病気です。銅を輸送する運搬役のタンパクを作り出す遺伝子に異常を来していることが原因です。

銅(Cu)の過剰症

銅が過剰になると、

  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 貧血

などの症状を来すことがあります。

普通の食生活をしていれば、過剰症になることはほとんどありません。銅を含む薬剤により治療している場合に起こる場合があります。
また、銅過剰症になる病気として、ウィルソン病があります。ウィルソン病は先天的な遺伝病で、銅の排出を担うタンパクを作り出す遺伝子に異常を来していることが原因で銅過剰症になってしまいます。治療法として、ペニシラミンやエチレンジアミン四酢酸などを用いてキレートを作り出し、銅の排出を促進させます。

まとめ

銅は赤血球の中に含まれるヘモグロビンを作り出すのを助ける働きがあります。普通の食生活の人であれば、銅が欠乏したり過剰になったりすることは稀です。銅欠乏症となる先天的な遺伝子病としてメンケス病が、銅過剰症となる先天的な遺伝子病としてウィルソン病があります。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る