【デザレックス(デスロラタジン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

デザレックスは、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、皮膚疾患に伴うそう痒感解消に用いられる飲み薬の抗アレルギー薬です。
2016年11月に発売が開始された比較的新しめの薬です。

今回は、デザレックスの効果効能、副作用・注意点について、紹介して行きたいと思います。

目次

デザレックス錠ってどんな薬?
デザレックス錠ってどうやって効くの?
デザレックス錠の用法・用量
デザレックス錠の副作用
デザレックス錠の注意点
まとめ
他の抗アレルギー薬について

デザレックス錠ってどんな薬?

デザレックスは有効成分デスロラタジンの抗アレルギー作用をもった内服薬です。
2016年11月に日本では販売が開始されました。
そのため、2017年11月までは、2週間分までしか処方できないという投与制限がかけられています。
※もう投与制限解除されていますので、2週間分を超えて処方できるようになっています。

効能又は効果
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
引用:デザレックス 添付文書

デザレックスは、その抗アレルギー作用から、鼻水どめ、かゆみどめ、蕁麻疹どめの効果を発揮する薬です。

小話ですが、実はこの薬、海外では1988年から発売が開始されているんですよね。
2016年8月時点で、120カ国以上の国・地域で使用されています。
後述しますが、デザレックスは非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬に分類される薬で、第一世代のヒスタミン(例:レスタミン、ポララミンなど)と比較して、中枢への作用が弱いため、眠気・集中力低下といった副作用が弱いとされています。
つまりは、第一世代の上位互換的な薬で、優秀なのです。

どうして、そんな優秀な薬が、日本ではこんなに発売が遅れたのでしょうか。
いくつか理由が考えられます。

  1. 海外の開発会社との交渉が難航した。
  2. 日本性の非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬の開発をがんばっていた。
  3. 他の抗ヒスタミン薬の売上がまだそこそこあり、その売上を食ってまでデザレックスを日本で販売するメリットがなかった。

こんなところでしょうか。
③が大きな理由じゃないかと個人的には思っています。

なにはともあれ、海外で良い!と言われている薬を日本で長年販売されないようにするというのは、どう考えてもおかしいとおもうので、是正して頂きたいところです。

デザレックスってどうやって効くの?

デザレックスの有効成分、デスロラタジンは、非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬に分類される薬です。

ヒスタミンを受け取るスイッチの部分(ヒスタミンH1受容体)をデスロラタジンはブロックすることで、その効果を発揮します。

ヒスタミンって何?

ヒスタミンとは、肥満細胞から分泌される物質で、アレルギー反応を誘発する物質の一つとされています。
ヒスタミンが放出されると、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用が現れます。
血管透過性亢進・血管拡張により、皮膚表面に血液がきやすくなり、すなわち赤み・発赤となるし、腺分泌促進により、鼻水や涙がでてくる症状が現れます。
つまりアレルギー反応の症状がでてくるということです。

ちなみに、アレルギー反応は悪いというわけではなく、細菌排除・ウイルス排除においては大事な役割を果たします。
皮膚表面にいる細菌を倒すために、血管透過性は亢進されるし、粘膜にいる細菌・ウイルスを排除するために、腺分泌促進という手はずです。理にはかなっています。

余談:花粉症とか食品・化学物質アレルギーってどうして起こるの?

花粉症とか食品・化学物質アレルギーって、起こる人と起こらない人がいますよね。
どうして差ができてしまうのでしょうか。

根本にある原因は、【感作】です。
感作とは、花粉やら食品・化学物質に対して、過剰なまでのアレルギー反応を引き起こす準備ができている状態を指します。
感作の状態には個人差がかなりあります。

感作状態にはIgE抗体(免疫グロブリンE)と肥満細胞が大きく関与しています。
IgE抗体(免疫グロブリンE)は、抗原(花粉などアレルギー反応を引き起こす物質)をキャッチして、こんな抗原侵入してきましたけど、どうしましょーかーとお伺いを立てる役をしてます。
肥満細胞(肥満って名前だけど、ガリガリの人にももちろんある。細胞がちと膨れたからってこんな名前を付けられてる。かわいそうに。。。)は、そのIgE抗体のお伺いをたてる役で、「あーこいつは体内にもある物質で敵じゃないからだいじょーぶ」って決めたり、「むむむ。こいつは敵だ!!」って決めたりする細胞です。

肥満細胞が、こいつ敵だ!と決めたときに放出する物質の一つがヒスタミンというわけです。
さて、生物というのは馬鹿じゃなく、一度敵が侵入してくると、次侵入してきたときに、より早く排除するシステムが存在します。
肥満細胞とIgE抗体が事前にくっついていて、お伺いをたてる時間を最小限に使用という作戦です。
これが感作状態になります。

もちろん、本当の敵であれば感作状態は多いに役立ち、一気に臨戦態勢を整えることができるのですが、花粉など敵とはいえないよなーという相手に感作状態ができてしまうと厄介というわけです。

ロラタジンってどこかできいたことある?

デスロラタジンって聞いて、あれれー?ロラタジンってなんか他できいたことあるなーと思った方。流石です。
そう、ロラタジンは販売名クラリチンであり、今はもうすでにジェネリックも出回っている少し古めの薬なのです。

ここまで名前似てたら、関係ないわけありませんよね。
デスロラタジンは、ロラタジンの代謝物質なのです。
簡単にいえば、ロラタジンを服用すると体内でデスロラタジンに変化し、効果を発揮するということです。
しかも、デスロラタジンのほうが、非鎮静性であり眠気・集中力の低下を招かない成分であるとなれば、これを薬にしないわけがないですよね。

デザレックスの用法・用量

用法及び用量
通常、12歳以上の小児及び成人にはデスロラタジンとして1回5mgを1日1回経口投与する。

デザレックスは1日1回服用することで効果を発揮する薬です。
そして、12歳未満の小児には原則使われません。
というのも、使用経験がなくデータ不足のため、なにが起こるか分からないからです。
小児の体は大人と異なり、吸収能力が弱かったり、代謝(有効成分を分解すること)能力が低かったりして、大人とは違う挙動を示すことがあって、難しいんですよね。
とはいっても、医師の判断で使うこともあるので、医師の指示どおり服用するようにしましょう。

デザレックスは、食事の影響をうけないので、1日1回いつ服用してもよいです。
基本は忘れないように、どこかの食後で服用することが多い印象です。

デザレックスの副作用

デザレックスの副作用として、傾眠・白血球数増加・血中コレステロール増加が報告されています。

抗ヒスタミン薬ときってもきれない傾眠・集中力低下の話

抗ヒスタミン薬の副作用として、傾眠・集中力低下の副作用があります。
どうして、こういった症状が生じるのでしょうか。

ヒスタミンを受け取るスイッチについて、少し触れておきます。

受容体 発現場所 関与する作用
ヒスタミンH1受容体 平滑筋・血管内皮細胞・中枢神経 炎症やアレルギーに関与・覚醒反応に関与
ヒスタミンH2受容体 消化管細胞 胃酸分泌に関与
ヒスタミンH3受容体 中枢神経系 ヒスタミン・セロトニン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の放出促進に関与
ヒスタミンH4受容体 胸腺・脾臓・小腸 詳細不明だが、かゆみに関与??

デザレックスを始めとする、抗アレルギー系の抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンH1受容体をブロックすることで、炎症・アレルギー反応を抑制します。

ですが、ヒスタミンH1受容体の役割にもう一つ、中枢神経において覚醒を維持する役割があることがわかっています。
つまり、中枢神経のヒスタミンH1受容体をブロックしてしまうと、覚醒レベルが下がってしまい、傾眠・集中力低下、他にも口渇といった副作用がでてきてしまいます。

炎症・アレルギー反応は抑えるけど、眠気はもたらさないためにはどうすればよいでしょうか。そう、中枢に移行しなければよいですね。
脂溶性(脂っこい物質)のほうが中枢に移行することがわかっているので、水溶性を高めた物質を作れば、中枢に移行しなくてすみそうです。

そうして作られたのが、第二世代抗ヒスタミン薬です。
ただ、第二世代抗ヒスタミン薬のなかにも、中枢に移行してしまうものもあります。
デザレックスは、第二世代のなかでも特に中枢に移行しない薬で、非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれています。

デザレックスの注意点

使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.肝障害のある患者〔デスロラタジンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。〕
2.腎障害のある患者〔デスロラタジンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。〕
3.高齢者

重要な基本的注意
1.本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
2.本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
引用:デザレックス 添付文書

肝障害、腎障害、高齢者の方には、注意して使用します。
というのも、デザレックスは、肝臓・腎臓から代謝・排泄される薬のためです。
高齢者は、肝機能・腎機能が落ちているので注意というわけです。

第二世代抗ヒスタミン薬に共通しているのですが、効果発現までに時間がかかることが多いです。
そのため、花粉症などでは、シーズン始まってから病院いって薬を飲み始めるのではなく、少し前から服用を開始するとよいでしょう。

まとめ

デザレックスは、抗アレルギー薬で、蕁麻疹・アレルギー性鼻炎・皮膚のそう痒感に用いられます。
有効成分は、デスロラタジンでクラリチン(ロラタジン)の生体代謝物に副作用が少ないが、抗アレルギー活性が認められたため開発されました。

1日1回、食事の影響をうけない薬なので、決まった時間に服用できればそれで大丈夫えす。
医師の指示がある場合はそれに従うようにしてください。

他の抗アレルギー薬について

ビラノア

同時期に発売された、抗アレルギー薬です。
デザレックスよりも強いとされています。
詳しくはこちら→ビラノア

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