胃がんの原因となるピロリ菌を胃から消す除菌療法について

 ピロリ菌という菌をご存じでしょうか?
 正式名称は、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれ、ヒトの胃の中に住むことで知られ、胃がんの原因となると言われている菌です。
 今回は、ヘリコバクター・ピロリについて書いていきます。

ヘリコバクター・ピロリとは

 ヘリコバクター・ピロリは、本来酸性が強過ぎて細菌が住むことが出来ないとされてきた、胃の中で発見された菌です。
 ウレアーゼと呼ばれる酵素で、胃粘液中の尿素を分解しアルカリ性のアンモニアを生成し、酸性の胃酸を中和することで、過酷な環境でも適応できるようになった菌です。
 ヘリコバクター・ピロリは胃がんを始め、胃潰瘍や慢性胃炎の発生に寄与していることで知られています。
 

除菌療法とは?

 除菌療法とは、このヘリコバクター・ピロリを胃の中から除菌することによって、胃がんなどの病気になる確率を下げようという療法です。
 
 基本的に除菌療法の対象となるのは、ヘリコバクター・ピロリに感染している人なので、まず検査をしてヘリコバクター・ピロリに感染しているかどうかを判断します。
 内視鏡を使って行う検査と使わないで行う検査があり、呼気だけで検査できる方法もあるので、医師と相談して行ってください。
 
 ピロリ菌に感染していることが分かれば、除菌療法を行います。
 除菌療法には、プロトンポンプ阻害剤(PPI)と抗生物質(アモキシシリン:商品名サワシリン®とクラリスロマイシン:商品名クラリス®、クラリシッド®)の3剤を併用します。
 プロトンポンプ阻害剤は、ランソプラゾール:商品名タケプロン®、オメプラゾール:商品名オメプラゾール®、ラベプラゾール:商品名パリエット®などうちから1つを用います。
 
 このPPI+抗生物質2剤を合わせた、合計3剤を1日2回7日間服用する治療法が除菌療法です。
 

除菌療法中の注意点

 除菌療法の成功率はだいたい80%と言われています。
 なぜ100%ではないのかというと、菌が薬に対して耐性を持っていたり、途中で服用を中断してしまったり・忘れてしまったりすることがあるからです。
 
 なので、除菌中は定められた用法用量に従って、忘れずに服用するということに注意する必要があります。
 

失敗してしまったら

 1回目の除菌療法から4週間以上経ったのちに、もう一度検査を行い、ピロリ菌がいなくなったかどうかを確認します。
 もし、失敗してしまった場合は、薬の組み合わせを変えてもう一度チャレンジします。
 

まとめ

 胃がんや胃潰瘍などの病気を引き起こす原因となってしまう、ヘリコバクター・ピロリの早期発見につとめましょう。
 また、もし検査の結果いることが分かったら積極的に除菌療法をすると良いでしょう。

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