感染症法によって指定されている1類感染症について

感染症は様々な種類がありますが、感染症法という法律で最も危険な感染症として指定されている「1類感染症」についてまとめました。

1類感染症とは

1類感染症とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症、感染症予防法と略すことが多い)によって指定されている7つの感染症のことを指します。どれも感染力が強い上に、致死率も高い病気です。全て検疫感染症にも指定されていて、日本に入らないように厳重なチェックがされています。医師がこの感染症と診断した場合は、すぐに報告しなければいけない義務が生じます。
7つのうち6つはウイルスが原因の病気ですが、ペストだけはペスト菌という最近が原因の病気です。

1類感染症に指定されている感染症

エボラ出血熱
フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスが原因の感染症です。潜伏期間は7日程度とされ、発熱、悪寒、頭痛、嘔吐、下痢等の症状を呈した後、進行すると口の中、鼻、皮膚等から出血症状を来し死に至る病気です。致死率は50%を超えていて、有効な治療法もまだ確立されていません。
南米出血熱
アレナウイルス科アレナウイルス属のウイルスが原因の感染症です。潜伏期間は7~14日程度とされ、症状はエボラ出血熱と似ているとされています。致死率は30%程度です。
クリミア・コンゴ出血熱
ブニヤウイルス科ナイロウイルス属のウイルスが原因の感染症です。潜伏期間は3日~1週間程度とされ、高熱、頭痛、筋肉痛を生じた後、粘膜に紫斑が出現します。また、肝不全や腎不全も出現することがあります。致死率は30%程度です。
ペスト
ペスト菌という細菌が原因の感染症です。ネズミなどで流行した後に、人間にも流行する傾向があります。腺ペスト、敗血症ペスト、肺ペストに分類され、致死率は50%を超えています。感受性のある抗生物質を適切に投与する治療を行うことで、致死率は20%以下に下がるとされています。
マールブルグ病
フィロウイルス科のウイルスが原因の感染症です。潜伏期間は1週間程度とされ、症状はエボラ出血熱と似ているとされています。いまだにワクチンは開発されていません。致死率はだいたい50%程度だと考えられています。
ラッサ熱
アレナウイルス科のウイルスが原因の感染症です。潜伏期間は2週間程度とされ、感染者の8割は軽症ですが、残り2割が重症になるとされています。致死率は1~2%程度で、症状はインフルエンザに似ています。
痘そう
ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属の痘そうウイルスが原因の感染症です。天然痘とも言われたりする病気です。2週間程度の潜伏期間の後に発症し、まず高熱、頭痛などの症状が生じます。その後全身に発疹が広がり、肺の発疹により呼吸困難が生じ、それが原因で最悪死に至ります。ワクチン接種が非常に有効な病気であり、ワクチンの普及に伴い撲滅されたとされています。なので、現在はワクチン接種が行われていません。

まとめ

1類感染症に指定されている感染症は、どれも感染力が強くまたその毒性も強い病気です。日本に入ってこないように、検疫で食い止めが行われています。日本で感染者が出ないことを祈ります。

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