【インチュニブ(グアンファシンン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬として用いられるインチュニブ。
有効成分は、グアンファシンンで、選択的α2Aアドレナリン受容体作動作用を有します。

今回は、インチュニブの効果効能、副作用や注意点について、紹介していきたいと思います。

目次

インチュニブってどんな薬?
インチュニブってどうやって効くの?
インチュニブの用法・用量
インチュニブの副作用
インチュニブの注意点
まとめ

インチュニブってどんな薬?

インチュニブは、有効成分グアンファシンンで、注意欠陥多動性障害(ADHD)に用いられる薬です。
日本においては、2017年5月に販売が開始されました。

【効能・効果】
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。

2.18歳未満で本剤により薬物治療を開始した患者において,18歳以降も継続して本剤を投与する場合には,治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに,定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し,有用性が認められない場合に
は,投与中止を考慮し,漫然と投与しないこと。

3.AD/HD の診断は,米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し,基準を満たす場合にのみ投与すること。
※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental
Disorders
引用:インチュニブ 添付文書

インチュニブは、小児期における注意欠陥多動性障害の薬として用いられます。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害は、最近テレビCMでも取り上げられてますよね。
不注意(集中力の欠如)、多動性(同じところに居られない)、衝動性(考えなしに行動を起こしてしまう)の3つの症状が特徴です。

具体的な症状としては下記があります。
不注意

  • 忘れものが多い。
  • 注意が長続きしない、すぐ繰り返す。
  • 片付け、整理整頓ができない。

多動性

  • 席におちついて座ってられない。授業中出歩く。
  • 図書館、電車のなかといった静かにしてなくてはいけない場所で騒ぐ。

衝動性

  • 会話の流れが読めず、思いついたときにしゃべり出す。
  • 並び順をまつことができない。

一昔前だったら【落ち着きのないあの子】で片付いていたような気もするのですが、今はこれら症状があるとADHDと診断されるケースもあります。

原因はまだはっきりわかっていませんが、前頭前野の動きのバランスが悪い、神経伝達物質の量が少ない、神経伝達がうまくいかないなどが複合的に生じて、ADHDの病態を作っていると考えられています。

インチュニブってどうやって効くの?

インチュニブの有効成分グアンファシンンは、選択的α2Aアドレナリン受容体作動作用を通して、神経伝達を増強する効果があります。

シナプスという神経と神経の間の部分でインチュニブは作用します。
信号を伝達してくる【前シナプス】、受け取る側の【後シナプス】のうち、後シナプスが特に関与しています。

後シナプスに存在する選択的α2Aアドレナリン受容体を活性化することにより、cAMPという細胞内物質を減らし、HCNチャネルを閉じることができます。
その結果、神経伝達が伝わりやすくなることで、神経伝達を増強する効果があります。

ADHDの方は前頭前皮質において、神経伝達が減弱していることが多いため、それを補強することで効果を発揮すると考えられています。

インチュニブの用法・用量

【用法・用量】
通常,体重50kg 未満の小児ではグアンファシンとして1日1mg,体重50kg 以上の小児ではグアンファシンとして1日2mgより投与を開始し,1週間以上の間隔をあけて1mg ずつ,下表の維持用量まで増量する。
なお,症状により適宜増減するが,下表の最高用量を超えないこととし,いずれも1日1回経口投与すること。

体重 開始用量 維持用量 最高用量
17kg以上25kg未満 1mg 1mg 2mg
25kg以上34kg未満 1mg 2mg 3mg
34kg以上38kg未満 1mg 2mg 4mg
38kg以上42kg未満 1mg 3mg 4mg
42kg以上50kg未満 1mg 3mg 2mg
50kg以上63kg未満 2mg 4mg 3mg
63kg以上75kg未満 2mg 5mg 4mg
75kg以上 2mg 6mg 4mg

引用:インチュニブ 添付文書

インチュニブは、体重・症状に応じて用量を変えて使う薬です。
医師の判断によるので、処方内容どおりの服用をするようにしましょう。

注意として、CYP3A4/5阻害作用をもつ薬を併用している方、重度の肝機能障害・腎機能障害がある方は、血中濃度が一気に上がってしまう可能性があるので、1日1mgから様子を見ながら使用開始する必要があります。

もう一つの注意として、インチュニブを中止するときには、少しづつ減量して辞めていく必要があります。
一気に止めてしまうと、血圧の上昇及び頻脈が現れることがあるためです。
医師の指示があるかと思いますが、原則3日以上の間隔をあけて1mgづつ減量して辞めていきます。
めんどくさいから、途中でやめちゃおー!はNGです。

インチュニブの副作用

副作用として報告されているのは、傾眠・血圧低下・徐脈・頭痛などです。
こういった症状を服用中に感じた場合、もしくはお子さんがそんなことを訴えていた場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。

インチュニブの注意点

インチュニブの注意点としては、投与開始と終了時に、用量を少しづつ上げたり、下げたりする点です。
飲み間違いのないように、保護者が管理して飲ませるとよいでしょう。

インチュニブを服用してはいけない人

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
3.房室ブロック(第二度,第三度)のある患者[本剤の中枢性の徐脈作用により症状が悪化するおそれがある。]
引用:インチュニブ 添付文書

インチュニブを過去服用して、アレルギーやアナフィラキシーショックを起こした方には使用することができません。
妊婦や妊娠している方には使用できません。マウスを使った試験において、催奇形性が認められているためです。
房室ブロック(第二度,第三度)の心臓病の方もNGです。副作用でも触れましたが、徐脈効果があるため、房室ブロックを悪化させてしまう可能性があるからです。

まとめ

インチュニブは注意欠陥多動性障害(ADHD)に用いられる薬です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、不注意・多動性・衝動性の症状がでる病気で、前頭前野の動きのバランスが悪い・神経伝達物質の量が少ない・神経伝達がうまくいかないといった原因が複合的にからみあって発病します。

インチュニブの有効成分グアンファシンンは、選択的α2Aアドレナリン受容体作動作用を通して、後シナプスでの神経伝達を増強する効果があります。

使用開始時期には徐々に飲む量を増やす、使用中止時期には徐々に飲む量を減らす必要がある薬です。
飲み間違いがないように、保護者が管理して飲ませてあげるようにしましょう。

飲み方、量については、医師の指示に従うようにしましょう。

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