J-ADNI(アドニ)の臨床試験データ改ざん疑惑について

残念なニュースが入ってきました。国主導で行われていたアルツハイマー病の早期発見を研究するプロジェクト「J-ADNI」で臨床試験のデータが改ざんされた可能性が浮上したとのことです。
今回はこの件についてまとめていきます。

 国と製薬会社が33億円を投じ、認知症の7割を占めるアルツハイマー病の早期発見を目指す国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」で、臨床試験のデータが改ざんされた可能性が浮上し、厚生労働省は調査を始めた。 
引用:朝日新聞DIGITAL 国主導のアルツハイマー病研究で改ざんか 厚労省調査

J-ADNIとは?

J-ADNIとは、アルツハイマー病の兆候を調べて、早期発見や新薬の開発に活かそうと始められたプロジェクトです。経済産業省・厚労省・文部科学省などの国の期間と製薬会社がお金を出し合って研究しています。アルツハイマー病は、物忘れから始まる脳の機能が衰退していく病気です。高齢化に伴いその患者数は増加し続けています。治療薬の開発も進んでいるのですが、何よりも早期に発見することが大事とされています。J-ADNIでは、アルツハイマー病の初期段階を脳画像や体液検査などを通して発見しようとする研究です。
ちなみに、J-ADNIはJapanese Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative(日本 アルツハイマー病 脳画像診断 先導的研究)の略です。

臨床試験データ改ざんの背景

今回改ざんされたとされるのは、長文を被験者に読んでもらって、その内容を一定時間後にどれだけ記憶できていたのかを採点する心理テストの結果です。認知症を評価する基本的なデータであり、それが改ざんされていたとなると、この臨床試験の根幹が揺らいでしまったと言えます。
臨床試験データが改ざんされた背景には、早く結果を出せ!!という上からの圧力等があるとされています。ですが、改ざんしてしまったら意味がないという研究者として根本のことを忘れてしまったのが、そもそもの原因と言えるでしょう。

まとめ

このようなデータの改ざん事件が生じると、日本の研究全体が世界的な信用を失ってしまうことに繋がりかねません。きちんとした運用体制や監視体制を再度築いてもらいたいと思います。
また、この問題については何が問題でどのような処分をしたのかを早急に開示する必要があるでしょう。うやむやにしないで欲しいと切に願います。

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