【ジャディアンス(エンパグリフロジン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ジャディアンスは2型糖尿病治療薬として用いられる薬です。
有効成分はエンパグリフロジンで、日本では2015年2月に販売が開始されました。

今回は、ジャディアンスの効果効能、副作用や注意点について紹介していきたいと思います。

目次

ジャディアンスってどんな薬?
ジャディアンスってどうやって効くの?
ジャディアンスの用法・用量
ジャディアンスの副作用
ジャディアンスの注意点
まとめ

ジャディアンスってどんな薬?

ジャディアンスはSGLT2阻害作用を有し、2型糖尿病の治療薬として用いられる薬です。
日本では2015年2月に販売が開始され、有効成分はエンパグリフロジンです。

効能・効果
2型糖尿病

効能・効果に関連する使用上の注意
1.本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
2.高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。
3.中等度腎機能障害患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。
引用:ジャディアンス 添付文書

ジャディアンスは2型糖尿病にのみ使用する薬です。
糖尿病には、もう一つ1型糖尿病というのがあります。
1型糖尿病と2型糖尿病の違いは、膵臓のインスリン分泌能力の差によります。

1型糖尿病は、膵臓インスリン分泌能力が枯渇している状態で、治療の第一選択はインスリンの注射になります。
2型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌能力が低下している・各組織のインスリン感受性が低下しているなどが総合的に絡みあって生じている糖尿病になります。

ジャディアンスは、2型糖尿病のみに使用する薬のため、インスリン分泌能力を事前に確かめる必要があります。

また、腎臓を用いて血中の糖分を排泄させる効果を有する薬なので、腎臓機能が障害されている患者さんでは、効果が期待できません。

ジャディアンスってどうやって効くの?

ジャディアンスは、SGLT2阻害作用を通して、血糖値を下げる薬です。

SGLT2阻害薬の作用機序について

ざっくりとした、SGLT2阻害作用を説明した図です。

SGLT2とは、腎臓に存在するナトリウム・グルコース共役輸送体2のことであり、尿の元(原尿)からグルコース(糖分)を血中に再度吸収する働きをする輸送体です。
グルコースは、脳のエネルギー源になるなど、人体において必要不可欠な存在です。
そのため、尿と一緒に排泄するのは勿体ないという遺伝子レベルの本能から、原尿から糖分をとりこむ機能があるのだと考えられています。

ですが、糖尿病の患者さんにおいては、血糖が高いのが問題なので、このSGLT2の機能を停止させることにより、グルコースの血中再取り込みを阻止することで、糖分を尿と一緒に外に出してしまおうという作戦の薬になります。

念のための補足ですが、2型糖尿病における第一選択治療は、運動療法および食事療法なので、甘いもの食べすぎてるな-・食事の量多いなー(特に脂質、炭水化物)・運動全然できてないなーと心当たりある方は、服用とともに生活習慣・運動習慣を整えるよう努力しましょう。

ジャディアンスの用法・用量

用法・用量
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。
引用:ジャディアンス 添付文書

ジャディアンスは1日1回、朝食前もしくは朝食後に使用する薬です。
治験で、食前に服用したほうが、食後に服用したときよりも多く吸収することがわかっているが、血糖降下作用に及ぼす影響は小さいとのことで、食前のみ!とは規定されませんでした。
なんで朝だけ?という感じですが、これは治験を朝投与のみで行ったためで、それ以外の服用時点では試験していないためです。

ジャディアンスの副作用

副作用として主に報告されているのは、頻尿・低血糖・口渇・便秘といった症状です。

SGLT2を阻害することにより、糖分を尿と一緒に外に排出するのですが、その副次的な効果として水分も一緒に外に出してしまうというデメリットがあります。
糖分が含まれていることにより濃い液となってしまうので、水分で薄めようとする力が働くと考えてください。
その結果、頻尿や多尿といった尿量が増えるといった副作用がでます。
また、同時に体から水分がなくなってしまうため、口渇や便秘が生じるというわけです。

低血糖の副作用は、糖尿病治療薬にどうしても生じてしまう副作用ですね。
めまい、ふらつき、ふるえ、空腹感といった初期症状を感じるようであれば、ブドウ糖を摂取してゆっくり座ってやすむようにしましょう。
また、医師に相談することをおすすめします。薬が効きすぎている可能性・体調不良の可能性があるためです。

また、他に起こりやすい副作用として、尿路感染症があります。
糖分を多く含んだ尿が排泄されるので、細菌が繁殖しやすく、膀胱炎・尿路感染症・カンジタといった感染症にかかりやすいというわけです。
特に女性のほうが尿路感染症にかかりやすいので、注意が必要です。
違和感感じるようであれば、すぐに受診することをおすすめします。

ジャディアンスの注意点

上述した副作用の初期症状に気をつけるとよいでしょう。
違和感を感じたら、医師に早めに相談するようにしましょう。

また、ジャディアンスには服用してはいけない方が設定されています。

服用してはいけない方

【 禁忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
(3)重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
引用:ジャディアンス 添付文書

まず、過去ジャディアンスを服用して、アレルギー反応やアナフィラキシーショックなどの過敏症状を起こしたことがある方には用いることができません。
また、重症のケトーシス(ケトン体が体内に溜まっている状態)、糖尿病性昏睡(高血糖が生じている状態)の方には用いません。
インスリンで速攻血糖値を下げる必要があるためです。

最後に感染症、手術前後を始め、糖分の需要供給バランスが崩れがちな状態に方にも用いません。
SGLT2阻害剤を使ってコントロールするよりも、インスリン注射のほうが確実にコントロールできるためです。

まとめ

ジャディアンスはSGLT2阻害作用を通して、2型糖尿病を治療する薬です。
SGLT2を阻害することにより、原尿からグルコース(糖分)の血液再吸収を抑制することで、血糖降下作用を示します。

1日1回朝食前もしくは朝食後に服用します。
服用に際しては医師の指示どおり、飲み忘れないように継続して服用するよう心がけましょう。

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