【マリゼブ(オマリグリプチン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

マリゼブは2型糖尿病の治療薬として用いられる薬です。
DPP-4阻害作用を有し、1週間に1回服用するだけで効果を発揮する薬です。

DPP-4とは、膵臓からインスリンを分泌させる能力のある、消化管ホルモンであるインクレチンを分解してしまう酵素です。
つまり、DPP-4を阻害することで、インクレチンの分解を防ぎ、インスリンの分泌量を向上することができます。
そのため、2型糖尿病の治療薬として用いられています。

今回は、マリゼブについて、その効果効能、副作用や注意点について紹介します。

目次

マリゼブってどんな薬?
マリゼブって何の病気に使えるの?
マリゼブってどうやって効くの?
マリゼブの一般的な使う量と回数
マリゼブの副作用
マリゼブで気を付けることは?
マリゼブのジェネリック(GE)ってあるの?
マリゼブの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報

マリゼブってどんな薬?

マリゼブは、DPP-4阻害作用を有する、2型糖尿病の治療薬です。
有効成分は、オマリグリプチン。
日本では、2015年11月に販売開始されました。

効能又は効果
2型糖尿病
引用:マリゼブ錠12.5mg/25mg 医薬品インタビューフォーム

マリゼブって何の病気に使えるの?

糖尿病には1型と2型があり、マリゼブは2型糖尿病の治療に用いられます。

1型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌能力がほぼなくなってしまった病気です。
インスリンとは、血液中の糖分(グルコース)を筋肉などにとりこませるのを促進する体内物質です。

膵臓のランゲルハンス島β細胞から放出されるのですが、1型糖尿病の患者さんでは、自己免疫性の異常により、このβ細胞を敵とみなし、免疫細胞が攻撃を加えたことにより、β細胞がほぼなくなってしまっていることがわかっています。
そのため、血糖が高い状態となり、適切にコントロールしないと、合併症を引き起こしてしまいます。
(※糖尿病の合併症については、後述します)

対して2型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌能力の低下、およびインスリン感受性の低下により生じると考えられています。

糖尿病は血液中を流れる糖分が多い状態の病気ですが、0にすればよいというわけではありません。
というのも、糖分(ブドウ糖)は脳のエネルギー源として利用されるためです。
なので、血糖値が下がりすぎてしまうと、低血糖状態となり、眠気・吐き気・冷や汗・震え、重症の場合は意識消失・死にいたります。

じゃあべつに血糖値高くても良いんじゃない?と思いますよね。
ところが、血糖値が高いと今度は、血管がぼろぼろになります。なんという融通の効かなさでしょう。。。

血管の障害には大きく2つの障害があります。
細小血管障害と大血管障害です。

細小血管障害も大きく3つの障害に細分化されます。
糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害です。

糖尿病網膜症は、目の網膜を走る血管が障害され、視力障害を引き起こします。
失明の原因の第2位です。(1位は緑内障)

糖尿病腎症は、腎臓の機能が低下することで生じ、腎臓を介しての毒素の排出ができなくなることで、「尿毒症」を生じる病気です。

尿毒症は、老廃物がたまることによる「食欲低下・吐き気」「頭痛」や水分がたまることによる「むくみ」「息苦しさ」「動悸」が生じる病気です。

糖尿病神経障害は、手足のしびれや発汗異常、便通異常が生じる病気です。
末梢の神経が障害することにより生じます。
特に、足を怪我したことに気づかず(痛みににぶくなるため)、処置せず放置すると壊疽してしまう可能性があります。

大血管障害は、脳梗塞や心筋梗塞・狭心症といった比較的大きな太い血管が障害されることによる病気です。

こうした合併症が糖尿病にはあるので、適切に血糖値をコントロールする必要があるのです。

マリゼブってどうやって効くの?

マリゼブの有効成分オマリグリプチンは、DPP-4阻害作用により、2型糖尿病を治療します。

糖尿病薬の薬効についてまとめました。

DPP-4とは、Dipeptidyl Peptidase-4の略で、腸管から分泌されるホルモンであるインクレチンを分解する働きを持ちます。

インクレチンは膵臓に働きかけ、インスリン分泌を促進させる効果があるので、オマリグリプチンはDPP-4の働きを抑えることで、インクレチンの分解を抑えて、血糖降下作用をもたらすことができます。

マリゼブの一般的な使う量と回数

用法及び用量
通常、成人にはオマリグリプチンとして25mgを1週間に1回経口投与する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>
(1) 本剤は主に腎臓で排泄されるため、重度腎機能障害のある患者、血液透析又は腹膜透析を要する末期腎不全患者では、下表を目安に用量調節すること。なお、ここで示している用法・用量はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、患者の状態を慎重に観察すること。

(2) 末期腎不全患者については、血液透析との時間関係は問わない。
(3) 次の点を患者に指導すること。
1) 本剤は週1回服用する薬剤であり、同一曜日に服用すること。
2) 本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で1回分を服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用すること。ただし、同日中に2回分を服用しないこと。
引用:マリゼブ錠12.5mg/25mg 医薬品インタビューフォーム

通常1週間に1回、同じ曜日に25mgを1錠服用します。
ただし、腎機能が低下している場合は、医師の判断により12.5mgを週1回、1錠服用することもあります。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

マリゼブの副作用

マリゼブに報告されている主な副作用として、低血糖症状、便秘があります。

血糖降下剤全般に共通する副作用として低血糖症状があります。
低血糖症状になると、初期症状として冷や汗・震え・動悸があります。
こうした症状を自覚したら、ブドウ糖を早めに摂取してください。
血糖降下剤をもらっている薬局で申し出れば、ブドウ糖をもらうことができますので、常に持ち歩くようにしてください。

マリゼブで気を付けることは?

低血糖症状に注意

マリゼブには、血糖値が下がる効果がありますので、低血糖症状には注意が必要です。
冷や汗・震え・動悸といった症状があれば、早めのブドウ糖摂取を心がけ、頻発する場合には、医師に相談するようにしてください。

継続的な服用を心がけてください

マリゼブは1週間に1回服用する薬なので、同一曜日に服用する必要があります。
ですが、毎日のむ薬と違って忘れがちになりやすいので、カレンダーに記録するなどして、忘れないようにしてください。

忘れることが多い場合は、毎日服用するタイプもあるので、医師に相談するようにしてください。

食事療法・運動療法も忘れずに

糖尿病の基本的な療法は、暴飲暴食しない・炭水化物を控える・脂質を控えるといった食事療法と、適度に運動をする運動療法です。
薬をのんでいるからといって安心せずに、食事療法や運動療法も続けるようにしてください。

マリゼブのジェネリック(GE)ってあるの?

マリゼブのジェネリックは、2018年7月現在販売されていません。

マリゼブの市販薬(OTC)ってあるの?

OTCでの販売はされていません。
糖尿病薬は、適切に血糖値をコントロールする必要があるので、今後もOTCにはならないかと思われます。

まとめ

マリゼブは、DPP-4阻害作用を有する、2型糖尿病の治療薬です。
有効成分は、オマリグリプチン。

DPP-4阻害薬は、腸管ホルモンであるインクレチンの分解を担うDPP-4の働きを抑え、インクレチンの濃度を保ち、膵臓からのインスリン分泌を促進する効果があります。

服用に際しては、医師の指示に従って服用するようにしてください。

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