狙った特有の分子だけを攻撃できる「分子標的薬」について

スポンサーリンク

分子標的薬という種類の薬があるのを知っていますか?分子標的薬というのは、その名前の通り、狙った分子だけを攻撃して、その病気を治す薬のことを指します。悪性腫瘍(がん)をはじめとして、間接リウマチなどの疾患の治療薬として用いられています。

分子標的薬とは

がんには、正常細胞にはない特有の分子や、正常細胞と比べると過剰に発現している分子を有していることが多いです。その分子を標的として攻撃すれば、正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞のみを攻撃することが可能になります。正常な細胞を攻撃しないというのは、とても重要なことです。というのも、副作用は正常な細胞がダメージを受けて発現することが多いからです。

分子標的薬は、低分子型と抗体型の二つに分けることが出来ます。

低分子型分子標的薬

低分子型分子標的薬は、分子量が小さいことから細胞内に入ることが出来ます。
低分子型分子標的薬の代表例を挙げていきます。

イマチニブ(グリベック®)
Bcr-Ablチロシンキナーゼ、KITチロシンキナーゼという分子を標的とした薬です。Bcr-Ablというのは、9番染色体と22番染色体が融合した際に生じるタンパク質です。慢性骨髄性白血病(CML)の半数くらいの患者さんと急性骨髄性白血病(AML)の患者さんの一部にみられる異常たんぱく質です。この融合というのは正常細胞ではほとんど起きないので、異常を来している細胞を狙って攻撃することが出来ます。
ゲフィチニブ(イレッサ®)、エルロチニブ(タルセバ®)
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)を標的とした薬です。非小細胞肺がんでは、このEGFRが過剰に発現しているので、狙って攻撃することができます。
ボルテゾミブ(ベルケイド®)
プロテアソームという分子の働きを阻害する薬です。多発性骨髄腫の患者さんで、プロテアソームを阻害したところ、癌の増殖抑制に効果があったことから、治療に用いられています。

抗体型分子標的薬

抗体型分子標的薬は、分子量が大きいため細胞内には入ることが出来ません。ですが、細胞表面に存在する標的受容体等に結合することで、その効力を発揮します。
抗体型分子標的薬の代表例を挙げていきます。

トラスツズマブ(ハーセプチン®)
トラスツズマブはヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)を標的とした分子標的薬です。このHER2は、乳癌や胃癌で過剰に発現していることがあります。HER2に結合することで、癌細胞の増殖を抑制する効果があります。
ベバシズマブ(アバスチン®)
ベバシズマブは、血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とした分子標的薬です。腫瘍組織からVEGFは多く産生され、腫瘍組織の血管新生を促進する効果があります。この薬はそのVEGFを無効化させることで、腫瘍細胞での血管新生を抑制して、増殖に必要な栄養を供給させなくすることで、癌の増殖を抑える効果を発揮します。
リツキシマブ(リツキサン®)
CD20タンパク質という、B細胞の表面にある分子を標的とした分子標的薬です。B細胞性非ホジキンリンパ腫という癌に対して用いられます。

まとめ

分子標的薬は副作用の観点からも優れた医薬品で今後も多くの種類が発売されていくと思います。
癌を完全に治せる日もそう遠くないのかもしれません!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
関連記事(一部広告含む)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る