【ナウゼリン(ドンペリドン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ナウゼリンは悪心や嘔吐、食欲不振などの消化器症状を改善する薬です。

錠剤・OD錠・坐剤・細粒・ドライシロップの製剤が販売されています。
また、すでにジェネリックが発売されており、ドンペリン・ペロリック・ナシロビン・ハドドリン・ドンペリドン「メーカー名」などの名称で販売がされています。

今回は、ナウゼリンの効果効能・副作用や注意点について、紹介していきたいと思います。

目次

ナウゼリンってどんな薬?
ナウゼリンってどうやって効くの?
ナウゼリンの用法・用量
ナウゼリンの副作用
ナウゼリンの注意点
まとめ

ナウゼリンってどんな薬?

ナウゼリンは、有効成分ドンペリドンで、幅広い消化器消化器症状を改善する薬です。
日本においては、1982年9月に錠剤とドライシロップ剤と坐剤が、1987年10月に細粒、2011年12月にOD錠が販売開始されました。

効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)

成人:
○慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群
○抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時
小児:
○周期性嘔吐症、上気道感染症
○抗悪性腫瘍剤投与時
引用:ナウゼリン錠 添付文書

ナウゼリンは、悪心や嘔吐、食欲不振をはじめとする、消化器症状を緩和する働きがあります。
胃炎や胃下垂、嘔吐症、かぜ、抗がん剤治療時の吐き気どめとして、広く利用されています。

ナウゼリンってどうやって効くの?

ナウゼリンの有効成分である、ドンペリドンは2つの作用から、消化器症状を緩和させます。

まず、一つ目の作用が、上部消化管における抗ドパミン作用です。
消化管(胃腸)の動きが鈍くなると、吐き気・嘔吐・むかつきといった症状がでてくることがわかっています。
消化管の動きを制御している生体内物質は、アセチルコリンとドパミンです。
神経末端からアセチルコリンが放出されると消化管細胞が動きを促進するのですが、ドパミンは神経末端にアセチルコリンの放出を抑えるように作用します。

ナウゼリンは、神経終末に存在するドパミン受容体をブロックすることにより、アセチルコリン放出を抑えられるのを防ぐ効果があります。
つまり、アセチルコリン放出を促進させる働きを通して、消化管の運動を促進して、吐き気・嘔吐といった症状を消すことができます。

もう一つの作用が、CTZ(化学受容器引き金帯)の刺激を抑える作用です。
CTZとは、第4脳室底に位置し、モルヒネ・レボドパ・各種抗がん剤による刺激を受け取り、嘔吐反射を引き起こす引き金を作る組織です。
薬は体にとっては異物なので、外に吐き出してしまおうという生物としての本能的なものをサポートしている組織です。
ナウゼリンは、CTZに作用してその刺激が伝わるのを抑える働きをします。

この二つの作用を通じて、消化器症状を緩和する働きを有します。

中枢移行性が低い

ドパミンは、脳内において大事な神経伝達物質として働いています。
そのため、抗ドパミン薬が脳内に多く侵入してしまうと、精神的な影響を及ぼしてしまう可能性があります。

ナウゼリンは、中枢への移行性が低い薬となっており、中枢系の副作用発現は低くなっています。

ナウゼリンの用法・用量

成人:
通常、ドンペリドンとして1回10mgを1日3回食前に経口投与する。ただし、レボドパ製剤投与時にはドンペリドンとして1回5~10mgを1日3回食前に経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。

小児:
通常、ドンペリドンとして1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口投与する。
なお、年令、体重、症状により適宜増減する。
ただし、1日投与量はドンペリドンとして30mgを超えないこと。
また、6才以上の場合はドンペリドンとして1日最高用量は1.0mg/kgを限度とすること。

ネオーラルは、1日3回食前に服用する薬です。
量については、大人・子供、症状によってさまざまです。
医師の指示通りに服用するようにしましょう。

ナウゼリンの副作用

ナウゼリンの副作用として報告されているのが、下痢、錐体外路障害、眠気、発疹です。
下痢は、胃腸の運動が活動的になってしまうことで、水分の吸収が間に合わずに水っぽくなってしまうことで生じます。
錐体外路障害・眠気は、中枢的な副作用で、脳内のドパミン受容体をブロックしてしまうことによって生じます。
脳内に入りにくいナウゼリンでも、0ではないので、こういった症状がでてしまう方は少なからずいらっしゃるようです。

錐体外路症状とは、運動系の神経伝達が、制御できなくなることによって生じる、運動系の過剰な反応もしくは、反応しなくなる症状をさします。
振戦・固縮・無動などの症状がでる病気です。

服用していて、体調悪化や運動がしにくくなったなといった症状を感じるようであれば、医師に相談するようにしましょう。

ナウゼリンの注意点

次の患者には投与しないこと
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
3.消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある。]
4.プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す。]
引用:ナウゼリン錠 添付文書

ナウゼリンには、原則服用してはいけない方がいらっしゃいます。
過去にナウゼリン服用で、アレルギーやアナフィラキシーショックを起こした方。

妊娠している方・妊婦さんにも用いることができません。
胎児に対して、骨格・内臓異常等の催奇形性がでる可能性があるためです。

消化管に器質的な異常がある方にも使うことができません。
そりゃそうですよね、消化管の運動を活発にすることで、症状が悪化してしまう可能性が否めないからです。

プロラクチノーマの患者さんにも用いることができません。
抗ドパミン作用は、下垂体にも作用し、プロラクチンというホルモンの分泌を促進する効果があります。
プロラクチンは乳腺の分化・発達や乳汁合成 ・分泌を促進するホルモンです。

プロラクチノーマは、プロラクチン放出細胞が腫瘍化して、プロラクチンを放出しまくることで、全身のホルモンバランスを崩す病気です。
そのため、ナウゼリンはその病態を悪化させてしまう可能性があるので、使ってはいけないこととなっています。

まとめ

ナウゼリンは、悪心や嘔吐、食欲不振といった消化器症状を改善する薬です。
抗ドパミン受容体活性をもち、神経末端からのアセチルコリン抑制を防ぐことで、消化管の運動を促進させる効果や、CTZにおける化学物質の刺激を抑制する効果があります。

服用に際しては医師の指示通りお願いいたします。

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