【ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ノルスパンテープは変形性関節痛や腰痛の痛みに用いられる、痛みどめの貼り薬です。
オピオイド系の痛みどめに分類され、その鎮痛作用は比較的強いものになります。

今回は、ノルスパンテープの効果効能、副作用や注意点について紹介していきます。

目次

ノルスパンテープってどんな薬?
ノルスパンテープってどうやって効くの?
ノルスパンテープの用法・用量
ノルスパンテープの副作用
ノルスパンテープの注意点
まとめ

ノルスパンテープってどんな薬?

ノルスパンテープは、変形性関節痛や腰痛に用いられる貼り薬の痛み止めとして用いられます。
有効成分は、ブプレノルフィンで1週間ごとに張り替えるタイプの貼り薬となっています。
日本では、2011年8月に使用が開始されました。

効能又は効果
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛
・ 変形性関節症
・ 腰痛症

効能又は効果に関連する使用上の注意
1.本剤は、非オピオイド鎮痛剤の投与を含む保存的治療では十分な鎮痛効果が得られない患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とする日常生活動作障害を有する変形性関節症及び腰痛症に伴う慢性疼痛の管理にのみ使用すること。
2.慢性疼痛の原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
引用:ノルスパンテープ 添付文書

変形性関節症や腰痛症といった、整形領域で生じる痛みに関して用いられる薬です。

ノルスパンテープってどうやって効くの?

ノルスパンテープは、オピオイド系の鎮痛作用を持つ薬です。

有効成分である、ブプレノルフィンは皮膚から吸収された後にμオピオイド受容体に作用して痛みを抑えます。
オピオイドとは、麻薬であるモルヒネと似た作用を示す、ペプチド(タンパク質)の総称です。

麻薬というと、依存性とか幸福感といった神経性作用があるので、やばい薬じゃないかと思われる方もいらっしゃいますが、依存性や中枢神経系への作用をできるだけでないように人工的に作られたオピオイドは、ガンやNSAIDsなどの弱い痛みどめでは対応できない痛みに用いられています。

ノルスパンテープの用法・用量

用法及び用量
通常、成人に対し、前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。
初回貼付用量はブプレノルフィンとして5mgとし、その後の貼付用量は患者の症状に応じて適宜増減するが、20mgを超えないこと。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1. 初回貼付時
(1)初回貼付72時間後までブプレノルフィンの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。そのため、必要に応じて他の適切な治療の併用を考慮すること。
(2)他のオピオイド鎮痛剤から本剤へ切り替える場合には、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の鎮痛効果の持続時間を考慮して、本剤の貼付を開始すること。なお、高用量(経口モルヒネ換算量80mg/日超)のオピオイド鎮痛剤から切り替えた場合には、十分な鎮痛効果が得られないおそれがあるので、注意すること。

2. 貼付方法
血中濃度が上昇するおそれがあるので、毎回貼付部位を変え、同じ部位に貼付する場合は、3週間以上の間隔をあけること。
3. 増量
本剤貼付開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調節を行うこと。鎮痛効果が十分得られない場合は、ブプレノルフィンとして5~10mgずつ貼り替え時に増量する。
4. 減量
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
5. 投与の継続
本剤貼付開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
6. 投与の中止
(1)本剤の投与を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
(2)本剤の投与を中止し他のオピオイド鎮痛剤に変更する場合は、本剤剥離後24時間以上の間隔をあけること。また、ブプレノルフィンのμオピオイド受容体への親和性は他のオピオイド鎮痛剤より強いため、切り替え直後には他のオピオイド鎮痛剤の鎮痛効果が十分に得られないことがあるので、注意すること。
引用:ノルスパンテープ 添付文書

ノルスパンテープは、1週間に1回張り替えるタイプの貼り薬です。
まず、副作用の程度や鎮痛効果を評価するために、5mgのものから使用し始めます。
最大使用量は20mgとなっています。

初回は、貼付したとしてもすぐには効果が発揮しません。
というのも、72時間程度かけてゆっくりと有効成分が吸収されて、効果が発現する量に達するからです。

1週間ごとに張り替えますが、同じ部位に続けてはってはいけません。
1週間も貼り続けるので、皮膚がふやけており、そこに貼ると吸収率が増し効果が強くでてしまう可能性があるからです。
異なる場所に貼り、一度使った部分は3週間は貼らないようにします。

オピオイド系の鎮痛薬は、やめるときにスパッとやめてしまうと、退薬症状が現れることがあります。
あくび、瞳孔散大、流涙、鼻漏、食欲低下、嘔吐、腹痛、下痢などの症状があります。
すぱっとやめることで生じやすくなるので、徐々に減量して辞めていく必要があります。医師の指示どおりにしましょう。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

ノルスパンテープの副作用

ノルスパンテープに報告されている副作用として、悪心・嘔吐・便秘といった消化器症状、傾眠・浮動性めまいといった精神神経系症状、貼った部位が赤くなる・そう痒感があるといった皮膚症状が主にあります。
使用していて、体調悪化や症状悪化がみられる場合ははやめに医師に相談するようにしましょう。

オピオイド系の薬は、消化器の動きを抑える副次的効果があるため、悪心や嘔吐、便秘といった副作用がみられます。
下剤や整腸剤を一緒に服用して対応するケースもみられます。

ノルスパンテープの注意点

1週間に1回貼り替えるタイプの珍しい薬なので、使用方法を間違えないようにしましょう。
オピオイド系の鎮痛薬ですので、他の痛みどめより効果は高いです。また、副作用の可能性も多くみられるので、体調悪化、症状悪化あれば医師に相談するようにしましょう。

また、わずかながら依存性がみられます。
家族の方は、患者さんが医師の指示どおり使っていない、痛みはないけど使っているなどといったことがみられるようであれば、医師に報告するようにしましょう。

まとめ

ノルスパンテープは、有効成分ブプレノルフィンのオピオイド系鎮痛剤の貼り薬です。
1週間毎に貼り替えることで効果を発揮します。

オピオイド系鎮痛薬は、他の痛みどめよりも効果が高いですが、副作用の懸念もあるので、医師の指示どおりつかうようにしましょう。

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