【パルモディア(ペマフィブラート)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

パルモディアは有効成分ペマフィブラートのフィブラート系高脂血症治療薬です。
家族性高コレステロール血症を含む、高脂血症の治療に用いられます。

今回は、パルモディアの効果効能、副作用や注意点について紹介します。

目次

パルモディアってどんな薬?
パルモディアって何の病気に使えるの?
パルモディアってどうやって効くの?
パルモディアの一般的な使う量と回数
パルモディアの副作用
パルモディアで気を付けることは?
パルモディアのジェネリック(GE)ってあるの?
パルモディアの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報

パルモディアってどんな薬?

パルモディアは有効成分ペマフィブラートの高脂血症治療薬です。
フィブラート系の高脂血症治療薬に分類されます。

日本では、2018年6月に販売が開始されました。

効能又は効果
高脂血症(家族性を含む)

効能又は効果に関連する使用上の注意
LDL-コレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬とはしないこと。
引用:パルモディア錠0.1mg 添付文書

パルモディアって何の病気に使えるの?

高脂血症は、現在「脂質異常症」と呼ばれている病気です。
脂質異常症は、下記の条件をひとつでもみたすと、そのように診断されます。

  • LDLコレステロール:140mg/dL以上
  • トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上
  • HDLコレステロール:40mg/dL未満

LDLコテステロールは、悪玉コレステロールともよばれ、HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれます。
悪玉コレステロールが多いほど、また善玉コレステロールが少ないほど悪いということになります。
「高脂血症」だと、善玉コレステロールが少ないほど悪いというのに矛盾するので、「脂質異常症」と呼ばれることになったという背景があります。

コレステロールと中性脂肪の役割を簡単に説明していきます。
コレステロール、中性脂肪ともに、体に害を与えそうに言われることが多いですが、そんなことはありません。
むしろ、必要不可欠な存在です。

中性脂肪は、生命活動のエネルギー源となります。
コレステロールは、ホルモンの原料になったり、細胞膜の流動性をコントロールし、細胞の機能維持に必要です。

中性脂肪は、食事から主に摂取するので、消化管で吸収され、肝臓や筋肉組織に運ばれます。
ただ、脂肪は油分なので、血液中をそのままでは通ることができません。
そこで活躍するのが、リポ蛋白です。

リポ蛋白は、親油性と親水性を兼ね備えており、中性脂肪やコレステロールを血液にのせて運ぶことができるようにする物質です。
中性脂肪の運搬役は、カイロミクロン(キロミクロン)です。

コレステロールの運搬役は、VLDL・IDL・LDL・HDLです。
肝臓から末梢組織にコレステロールを運ぶのが、VLDL・IDL・LDLです。LDLが血中で安定した形なので、LDLコレステロールの値がよく血液検査で調べられます。
また、逆に末梢組織から肝臓にコレステロールを運ぶ役割を果たすのが、HDLです。

LDLコレステロールが増加すると不都合なことが起こってきます。
過剰なLDLコレステロールが血管内に堆積してしまうのです。

堆積したLDLコレステロールは、異物とみなされ、マクロファージによって食べられます。
一件落着かと思いきや、このマクロファージは動けなくなり、泡沫細胞と姿をかえ、血管内に堆積します。
この泡沫細胞は、脂質プラークと呼ばれる、非常に脆い膜を作り、この膜は衝撃により破れ出血します。

その結果、ただでさえ狭くなっている血管を、血栓つくることで塞ぎます。
その場で塞がなくても、作られた血栓が血流にのって飛び、心臓や脳の細い血管に詰まれば、ご存知の通り、心筋梗塞や脳梗塞の発症となります。

なので、LDLコレステロールが多いことは問題なのです。

また、HDLコレステロールは、末梢組織のコレステロールを回収して肝臓に運んでくれる役割を果たしているので、量がすくなるとやはり、血液中にコレステロールが蓄積しやすくなり、問題となります。

パルモディアってどうやって効くの?

パルモディアの有効成分ペマフィブラートは、フィブラート系に属する脂質異常症の薬です。
フィブラート系の脂質異常症薬は、肝臓における核内受容体(細胞の遺伝子保存場所「核」にあるスイッチ)peroxisome proliferator-activated receptor α(PPARα)を活性化することにより、様々なタンパク質の発現を調節することで、脂質の代謝を全体的に改善させます。

その結果、血清コレステロールおよび血清トリグリセライドを低下させるとともに、血清HDLコレステロールを上昇させます。

従来のフィブラート系薬は、すべて腎臓で排泄されていたため、腎機能が落ちている高齢者などでは使いづらい状況でしたが、パルモディアは肝臓にて代謝され糞便に排泄されるため、腎機能が落ちている方にも使いやすいという特色があります。

パルモディアの一般的な使う量と回数

用法及び用量
通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までとする。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1.肝障害のある患者(Child-Pugh分類Aの肝硬変のある患者など)又は肝障害の既往歴のある患者に投与する場合には、必要に応じて本剤の減量を考慮すること。
2.急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、投与にあたっては患者の腎機能を検査し、血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上の場合には投与を中止し、1.5mg/dL以上2.5mg/dL未満の場合は低用量から投与を開始するか、投与間隔を延長して使用すること。
引用:パルモディア錠0.1mg 添付文書

パルモディアは、通常1日2回服用するタイプの薬です。
年齢や症状によって、適宜回数や量を調節するので、医師の指示どおりに使用するようにしてください。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

パルモディアの副作用

パルモディアの副作用として、主に報告されているのは、胆石症や糖尿病、肝機能異常などです。

また、重篤な副作用として、横紋筋融解症があります。
週刊誌などで話題になりますが、初期症状を抑えておくことが大事です。
初期症状として、覚えのない筋肉痛・手足のしびれ・尿が赤~褐色になるといった症状があります。

服用中にこうした症状があれば、すぐに医師に相談するようにしてください。

パルモディアで気を付けることは?

併用してはいけない薬・注意が必要な薬があります。

服用している薬は、お薬手帳を活用して適切に管理し、医師や薬剤師に適宜確認をもらうようにしてください。

食事療法・運動療法は継続するようにしてください。

コレステロールの代謝は、体内の遺伝的な要素が多く影響することがわかっていますが、だからといって、暴飲暴食・運動のしなさすぎはNGです。

パルモディアのジェネリック(GE)ってあるの?

パルモディアのジェネリックは、2018年6月現在販売されていません。

パルモディアの市販薬(OTC)ってあるの?

OTCでは販売されていません。
血液検査を実施して、経過観察していく薬なので、OTCになる見込みは低いです。

まとめ

パルモディアは有効成分ペマフィブラートのフィブラート系高脂血症治療薬です。
フィブラート系は、peroxisome proliferator-activated receptor α(PPARα)を活性化することで、様々なタンパク質の合成を調整し、脂質代謝をコントロールする働きをもちます。

使用に際しては、医師の指示に従うようにしてください。

関連する情報

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