【プログラフ(タクロリムス)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

プログラフは、免疫抑制剤として用いられる薬です。
免疫とは、外部の敵(ウイルスや細菌など)に対して、生体を守る働きをする機能なのですが、臓器移植後の拒絶反応や自己免疫性疾患においては、免疫反応が邪魔になることがあります。

今回は、プログラフの効果効能、副作用や注意点について、紹介したいと思います。

目次

プログラフってどんな薬?
プログラフってどうやって効くの?
プログラフの用法・用量
プログラフの副作用
プログラフの注意点
まとめ

プログラフってどんな薬?

プログラフは、免疫抑制作用を有する薬です。
有効成分はタクロリムスで、日本では下記のように販売開始されました。

カプセル0.5mg 1996年8月
カプセル1mg 1993年6月
カプセル5mg 2000年11月
顆粒0.2mg・1mg 2001年7月

効能又は効果

下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植
肝移植
心移植
肺移植
膵移植
小腸移植

難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
引用:プログラフ 添付文書

タクロリムス使用に際しては、投与量をコントロールするために、血中の濃度を測定する必要があります。
また、顆粒とカプセルの2つの製剤が販売されていますが、吸収量に違いが可能性があり、例えば30mg分の顆粒を服用していた場合と同じ効果を、30mg分のカプセルを服用しても得られない可能性があります。

免疫抑制剤は、効かないと臓器の拒絶反応をおこし、効きすぎると細菌やウイルス感染を招く可能性があり、ちょうどいい感じの量をコントロールすることが大事となります。

プログラフってどうやって効くの?

プログラフの有効成分はタクロリムスです。
タクロリムスは、免疫機能で大事な役割を果たしているT細胞の活性化を抑えることで、免疫を抑制する効果を持ちます。

タクロリムスは、細胞内でタクロリムス結合タンパク(FKBP)と結合し、カルシニューリンの活性化を抑制します。
その結果、T細胞を活性化するIL-2活性化の伝達が止まり、IL-2の産生量を抑えることができます。

なので、免疫反応を抑制することができるというわけです。

プログラフの用法・用量

腎移植
通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。術後初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回経口投与を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。

なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

肝移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量し、維持量は1日量0.10mg/kgを標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

心移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.03~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。また、拒絶反応発現後に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.075~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

肺移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.05~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

膵移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

小腸移植
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。

難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与する。以後2週間、 目標血中トラフ濃度を10~15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する。 投与開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとし投与量を調節する。
引用:プログラフ 添付文書

使用用途、体重、年齢、症状によって使用量が代わります。
また、血中濃度をモニタリングして、適切な投与量を患者さんごとに設定します。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

プログラフの副作用

主な副作用は、感染症や腎臓機能低下、高血糖、気持ち悪さなどです。
そのほか、免疫低下などの理由で副作用がでやすいので、体調悪化・違和感を感じたら医師に相談するようにしましょう。

自己判断で中止せず、気になることあれば、医師に相談しましょう。

プログラフの注意点

プログラフは、免疫抑制剤なので、細菌やウイルス感染しやすくなります。
体調管理には、一層注意が必要です。

プログラフには、一緒に服用してはいけない薬があります。
服用している薬は、一冊のノート(お薬手帳)などにまとめて、医師や薬剤師に適宜確認してもらいましょう。

まとめ

プログラフは、免疫抑制作用を有する薬です。
臓器移植の拒絶反応を抑える目的、ステロイドでは効かない・効きにくい活動期潰瘍性大腸炎に用いられます。

用法用量は、症状や年齢によって異なり、厳密にコントロールするために、血中濃度をモニタリングして投与量を決めます。
なので、医師の指示どおり、飲み忘れなく服用することが大事となります。

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