【レグテクト(アカンプロサート)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

アルコール依存症の患者さんに用いる薬であるレグテクト。
依存症の断酒を補助する効果があります。
どのようにして、依存症を脱却させるのか。
今回は、レグテクトについて説明していきます。

目次

レグテクトってどんな薬?
レグテクトってどうやって効くの?
レグテクトの用法・用量
レグテクトの副作用・注意点
まとめ

レグテクトってどんな薬?

レグテクトは、有効成分アカンプロサートカルシウムで、アルコール依存症の方の断酒を補助する薬です。
2013年5月に日本では販売が開始されました。

効能・効果
アルコール依存症患者における断酒維持の補助

<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.アルコール依存症の診断は、国際疾病分類等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ使用すること。
2.心理社会的治療と併用すること。
3.断酒の意志がある患者にのみ使用すること。
4.離脱症状がみられる患者では、離脱症状に対する治療を終了してから使用すること。[本剤は離脱症状の治療剤ではない。]
引用:レグテクト錠 添付文書

アルコール依存症とは?

アルコール依存症とは、その名前の通り、アルコールつまりお酒に精神的にも肉体的にも依存している病気のことをいいます。自分では、飲酒頻度や量をコントロールできる状態にありません。
仕事や家族・友人関係よりも、お酒を飲むことが優先になってしまってたら、それはもうアルコール依存症です。

アルコールをが体内から抜けてくると、だんだんと離脱症状がでてきます。
手・全身の震え、汗をかく、ねれない、吐き気・嘔吐、不整脈、いらいら感・集中率低下・幻覚・幻聴といった精神症状が生じ、苦しさのあまりアルコールを摂取してしまいます。

体質にもよりますが、男性で20年程度、女性で10年程度飲酒を継続することで、依存状態が形成されていきます。
女性のほうが、肝臓が小さいため、アルコールに対する耐性が弱いため、早めに依存状態に陥ってしまいます。

アルコール依存症の診断

WHO(世界保健機関)が定めるアルコール依存症ICD-10診断ガイドラインでは、下記の通りです。

過去1年間に以下の項目のうち3項目以上が同時に1ヶ月以上続いたか、または繰り返し出現した場合
1.飲酒したいという強い欲望あるいは強迫感
2.飲酒の開始、終了、あるいは飲酒量に関して行動をコントロールすることが困難
3.禁酒あるいは減酒したときの離脱症状
4.耐性の証拠
5.飲酒にかわる楽しみや興味を無視し、飲酒せざるをえない時間やその効果からの回復に要する時間が延長
6.明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず飲酒
引用:
みんなのメンタルヘルス 総合サイト

心理社会的治療とは?

アルコール依存症は、1人ではなかなか治すことができません。
家族、医師、ソーシャルワーカー、同じくアルコール依存症患者さんの励まし、そういった社会的なコミュニティーが必要不可欠になります。
そういった集団のなかで、絶対お酒に逃げないことを確認しあう治療法を、心理社会的治療と呼びます。

ちなみに、アルコール依存症の治療は、段階をふんで行われます。

導入期

導入期では、まず、アルコール依存症であることを本人に認識してもらうところを目標に進めます。
アルコール依存症に陥ってしまっている患者さんは、自分のその状態が病気であると分からないケースが多いです。

そのため、最初に病気であると自覚してもらい、治療しよう!と促すところから始めます。

解毒期

患者さんが、病気であると自覚したら、治療を開始します。
まずは、お酒を止めるところから始まり、それにともなる離脱症状を緩和したり治療したりすることを行います。約3週間程度続きます。

リハビリテーション前期

その後、ある程度離脱症状も緩和してきたら、再びお酒を摂取しないように、行動を見直す精神的療法を受けます。
また、同じような境遇の方とコミュニケーションをとることで、みんなで一緒にアルコールからの脱却を目指します。
このように、退院後に問題なく日常生活を送れるような術を学んでいきます。
約7週間程度続きます。

リハビリテーション後期

ストレスに対して、お酒以外の方法で解消する方法を学び、実践していきます。
退院後も定期的に面談・レクリエーションをすることで、お酒に逃げないような生活を送れるようにサポートします。
ふとした拍子に、アルコール依存症に陥る可能性もあるので、家族や知人・友人の理解が協力が必要です。

参考:アルコール依存症治療なび.jp

レグテクトってどうやって効くの?

人間の正常な脳では、中枢神経系の興奮性神経伝達とその反対の抑制性神経伝達がバランスよく活動していることがわかっています。

しかしながら、アルコール依存の患者さんでは、中枢神経系の興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経が活動的になっていることが多く、これが原因で飲酒欲求が生じると考えられています。

レグテクトの有効成分であるアカンプロサートカルシウムは、詳細作用機序は不明ですが、このグルタミン酸作動性神経の受け手側の受容体(スイッチの役割)をブロックすることで、活動を抑え、飲酒欲求そのものが抑えられるとされています。

いままであった禁酒補助薬は、アルコールの分解を担当する肝臓にあるアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アルデヒド還元酵素)の活動を抑えることで、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドを体内に増やすことで、お酒のんでも気持ち悪くなるだけだよ作戦の薬のみでした。

なので、レグテクトのそもそもの飲酒欲求を抑える薬というのは画期的と言えます。

レグテクトの用法・用量

用法・用量
通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。

<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の吸収は食事の影響を受けやすく、有効性及び安全性は食後投与により確認されているため、食後に服用するよう指導すること。[空腹時に投与すると、食後投与と比較して血中濃度が上昇するおそれがある。]
2.本剤の投与期間は原則として24週間とすること。治療上の有益性が認められる場合にのみ投与期間を延長できるが、定期的に本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しないこと。[国内臨床試験では、24週間の投与による有効性及び安全性が確認されている。]
引用:レグテクト錠 添付文書

レグテクト錠は1錠333mgのアカンプロサートカルシウムが含まれているので、1日3回、1回2錠づつ、毎食後の服用が基本的な用量です。

食事の影響を受けやすく、空腹時に服用すると効きすぎてしまうので、空腹時には服用しないようにしましょう。

レグテクトの副作用・注意点

レグテクトで報告されている副作用は、下痢 、傾眠、腹部膨満、嘔吐などです。

レグテクトは胃に対して、刺激性があるため、胃では溶けずに腸で溶けるコーティングをほどこしています。
なので、かみ砕いて服用しないようにしましょう。

腎臓から排泄される薬なので、腎機能障害がある患者さんでは、投与量を減らす、投与頻度を減らすなどの対応がとられることがあります。

まとめ

レグテクトは、アルコール依存症の断酒補助薬です。
有効成分は、アカンプロサートカルシウムで、お酒をのみたい欲求の根源と考えられている、中枢神経グルタミン酸作動性神経の活動を抑えることで、欲求そのものを軽減する薬です。

医師の指示通り、服用を継続するようにしましょう。

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