【リアメット配合錠】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

リアメット配合錠は、マラリアに対する治療薬です。
マラリアはマラリア原虫によってひきおこされる感染症で、蚊を媒介することで知られています。
年間2億人程度が感染し、60万人近くが死亡する病気です。
日本で発生したマラリアは全て他の地域で感染した患者が日本にもってくる、いわゆる輸入マラリアです。
日本では年間100名にもみたない患者数で推移しています。

今回は、リアメット配合錠の効果効能、副作用や注意点について紹介していきたいと思います。

目次

リアメット配合錠ってどんな薬?
リアメット配合錠ってどうやって効くの?
リアメット配合錠の用法・用量
リアメット配合錠の副作用
リアメット配合錠の注意点
まとめ

リアメット配合錠ってどんな薬?

リアメット配合錠は、マラリア感染症に用いられる薬です。
有効成分は、アルテメテルとルメファントリンの2つが配合されています。
日本では、2017年3月に販売が開始されました。
国際誕生年月が1998年10月と古いのですが、日本では感染者が少ないことから重要視されていませんでした。
ですが、熱帯病治療薬研究班よりマラリアに対する治療薬は医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬として要望書が厚生労働省に提出されたのをうけ、厚生労働省よりノバルティスファーマ社に対して2014年に開発要請がだされました。

余談ですが、リアメット配合錠の名前の由来は、【配合成分の一つであるartemetherの「artem」に由来するRAMETのRとAの間にIを入れ、RIAMETとなった。】とのことです。
どうして【I】を入れたかったのでしょうか笑

効能又は効果
マラリア

効能又は効果に関連する使用上の注意
本剤はヒプノゾイト(マラリア原虫の休眠体)には効果がないため、マラリア原虫の休眠体が形成される三日熱マラリア及び卵形マラリアの治療に用いる場合は、再発に注意し、マラリア原虫の休眠体に対する活性を示す薬剤による治療を考慮すること。
引用:リアメット配合錠

マラリアとは?

マラリアとは、マラリア原虫が原因となり発生する感染症です。
蚊を媒介とすることで知られており、年間2億人が感染し、60万人近くが死に至る病です。
感染すると主な症状として、高熱や頭痛、吐き気を呈します。
重症化すると脳マラリアによる意識障害や腎不全を生じ、死に至ることがあります。

マラリア原虫はまず肝臓の細胞に入り込み、1~3週間程度成熟増殖します。
その後、肝細胞を破壊し血中にはなたれ、赤血球に感染します。
赤血球内で分裂を繰り返して、ある程度分裂すると赤血球を破壊して血液中に放たれ、新たな赤血球を探すサイクルを繰り返します。

このときマラリア原虫に感染してしまった赤血球には突起ができることで知られており、この突起が原因で毛細血管を塞いでしまい、臓器や脳の機能を弱らせてしまうことがあります。
その結果、腎不全や意識低下、言語障害などがおき、最悪のケースは昏睡状態となり死に至ります。
この合併症を脳ヘルニアと呼びます。

また、余談ですが、【鎌状赤血球症】はマラリアに抵抗するために進化を遂げた人間の病気ではないかとされています。
鎌状赤血球症は、マラリアがはびこっているアフリカで多くみられる、赤血球の形が鎌状になることで、酸素の運搬能力が落ち、貧血となります。
ただ、酸素濃度が薄い状況下のみ発症するので、日常生活は普通に遅れます。
そして、驚くべきことに鎌状赤血球症の方は、マラリア原虫に感染しにくくなっています。
というのも、赤血球の寿命が短いので、マラリア原虫が増殖しきる前に赤血球自身が死んでしまうので、感染を抑えられるとされています。

リアメット配合錠ってどうやって効くの?

リアメットに配合されている有効成分は2つあるので、それぞれ説明していきます。
とはいったものの、実はそれぞれの有効成分がどうしてマラリア原虫に効果があるのか、正確には明らかにされていません。
現段階でわかっている点は下記の通りとなります。

アルテメテル

  • マラリア原虫細胞の食胞で、ヘモグロビン(赤血球中にある物質)を分解するときに生じる【ヘム】と反応し、フリーラジカル(過酸化物質で細胞傷害性がある)を発生させ、マラリア原虫を傷つけるため
  • マラリア原虫に存在するカルシウムポンプ(カルシウムイオンを細胞内にとりこむ構造)の活動を停止させるため
  • ミトコンドリア(細胞のエネルギーを作るエンジンみたいな組織)の機能を抑制するため

ルメファントリン

  • マラリア原虫細胞の食胞でヘモグロビンを分解したときに生じた【ヘム】は、マラリア原虫にとって有害な物質なため、無害の【ヘムゾイン】に変化させるが、その変化をさせないようにするため

リアメット配合錠の用法・用量

用法及び用量
通常、体重に応じて1回1錠~4錠(アルテメテル/ルメファントリンとして20mg/120mg~80mg/480mg)を初回、初回投与後8時間、その後は朝夕1日2回2日間(計6回)、食直後に経口投与する。
体重別の1回投与量は、下記のとおりである。
5kg以上15kg未満:20mg/120mg(1錠)
15kg以上25kg未満:40mg/240mg(2錠)
25kg以上35kg未満:60mg/360mg(3錠)
35kg以上:80mg/480mg(4錠)

用法及び用量に関連する使用上の注意

下痢又は嘔吐を来している患者では本剤の吸収が低下する可能性がある。本剤の投与後1時間以内に嘔吐した場合には、再投与させること。
引用:リアメット配合錠 添付文書

リアメットは、体重に依存して服用する錠数を変化させる薬です。
下痢や嘔吐をしている患者さんでは十分吸収される前に外に出されてしまう可能性が高いです。特に服用後1時間以内に嘔吐した場合には再投与することとされています。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

リアメット配合錠の副作用

副作用として報告されているのは、浮動性めまい(ふわふわする系のめまい)、食欲不振・悪心・嘔吐などです。
服用していて、違和感を感じたら医師にすぐ連絡するようにしましょう。

リアメット配合錠の注意点

自己判断で服用を中止しないようにしましょう。
医師がよいと判断するまでは、服用を継続しないと、マラリア原虫が再び増殖してくる可能性があります。

動物実験において、重篤な先天性欠損が起きる可能性が考えられるため、妊娠14週未満の方には用いることができません。
また、母乳に薬が移行すると考えられているため、授乳もNGです。

そのほか、一緒に服用してはいけない薬があるので、服用している薬は医師に報告するようにしてください。
お薬手帳を有効活用することをおすすめします。

まとめ

リアメット配合錠は、マラリアの治療薬として用いられている薬です。
アルテメテルとルメファントリンの2つの有効成分が配合されています。

マラリア原虫の増殖を阻止することで、マラリアに効果があるとされています。
服用に際しては医師の指示どおり、継続して服用するようにしましょう。

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