リンデロンシリーズまとめ【ステロイド外用・内服・注射・坐剤】

はじめに

リンデロンは、ステロイド(合成副腎皮質ホルモン剤)の医療用医薬品のブランド名です。
外用薬・内服薬・注射薬、幅広く製剤タイプが販売されています。

今回は、リンデロンシリーズについて、それぞれの効果効能や特徴などを紹介していきます。

目次

リンデロンシリーズの全医療用医薬品
外用薬の紹介
内服薬の紹介
注射薬の紹介
まとめ

リンデロンシリーズの全医療用医薬品

リンデロンシリーズの2018年6月現在販売されている全医療用医薬品は下記の通りです。

■外用薬
リンデロン-DP軟膏・クリーム・ゾル
リンデロン-VG軟膏・クリーム・ローション
リンデロン-V軟膏・クリーム・ローション
リンデロン点眼・点耳・点鼻液
リンデロン点眼液
点眼・点鼻用リンデロンA液
眼・耳科用リンデロンA軟膏

■坐剤
リンデロン坐剤

■内服薬
リンデロン錠0.5mg・リンデロン散0.1%・リンデロンシロップ0.01%

■注射薬
リンデロン懸濁注
リンデロン注

リンデロンはグルココルチコイドであり、外用としては湿疹をはじめとする炎症性疾患の治療薬として、座薬は潰瘍性大腸炎、注射薬はショック症状の治療・各種炎症性疾患の治療薬として幅広く用いられています。

リンデロンシリーズは【ベタメタゾン】を有効成分とする薬です。
とはいっても、ベタメタゾンにすこし化学的修飾を加えることで、それぞれ効果効能を調節しています。

外用薬の紹介

リンデロンの外用薬は、炎症性物質の合成を抑える目的で用いられることが多く、使用部位に限定して炎症を鎮めることを期待されています。

リンデロン-DP軟膏・クリーム・ゾル

有効成分名:ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
効能・効果:湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,ビダール苔癬を含む),乾癬,掌蹠膿疱症,紅皮症,薬疹・中毒疹,虫さされ,痒疹群(蕁麻疹様苔癬,ストロフルス,固定蕁麻疹を含む),紅斑症(多形滲出性紅斑,ダリエ遠心性環状紅斑,遠心性丘疹性紅斑),慢性円板状エリテマトーデス,扁平紅色苔癬,毛孔性紅色粃糠疹,特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑,シャンバーグ病,紫斑性色素性苔癬様皮膚炎),肥厚性瘢痕・ケロイド,肉芽腫症(サルコイドーシス,環状肉芽腫),悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む),皮膚アミロイドージス,天疱瘡群(ヘイリーヘイリー病を含む),類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む),円形脱毛症
引用:リンデロン-DP インタビューフォーム

リンデロン-DPシリーズは、有効成分ベタメタゾンジプロピオン酸エステルの薬です。
ステロイドの強さ5段階の上から2つめのベリーストロング(Very Strong)に分類されます。

比較的強めの炎症に用いられることが多いです。

リンデロン-V軟膏・クリーム・ローション

有効成分名:ベタメタゾン吉草酸エステル
効能又は効果:
[リンデロン-V 軟膏 0.12%・リンデロン-V クリーム 0.12%]
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,女子顔面黒皮症,ビダール苔癬,放射線皮膚炎,日光皮膚炎を含む),皮膚そう痒症,痒疹群(蕁麻疹様苔癬,ストロフルス,固定蕁麻疹を含む),虫さされ,乾癬,掌蹠膿疱症,扁平苔癬,光沢苔癬,毛孔性紅色粃糠疹,ジベルバラ色粃糠疹,紅斑症(多形滲出性紅斑,結節性紅斑,ダリエ遠心性環状紅斑),紅皮症(悪性リンパ腫による紅皮症を含む),慢性円板状エリテマトーデス,薬疹・中毒疹,円形脱毛症(悪性を含む),熱傷(瘢痕,ケロイドを含む),凍瘡,天疱瘡群,ジューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡を含む),痔核,鼓室形成手術・内耳開窓術・中耳根治手術の術創
[リンデロン-V ローション]
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,女子顔面黒皮症,ビダール苔癬,放射線皮膚炎,日光皮膚炎を含む),乾癬,皮膚そう痒症,鼓室形成手術・内耳開窓術・中耳根治手術の術創,進行性壊疽性鼻炎
引用:リンデロン-∨ インタビューフォーム

リンデロン-∨は有効成分ベタメタゾン吉草酸エステルであり、ステロイドの強さ5段階の上から3つめのストロング(Strong)に分類されます。
リンデロンDPと比べると、ワンランク下の強さということになります。

一般的な皮膚の炎症に用いられています。

リンデロン-VG軟膏・クリーム・ローション

有効成分名:ベタメタゾン吉草酸エステル+ゲンタマイシン硫酸塩
効能又は効果:
<適応菌種>
ゲンタマイシン感性菌
<適応症>
○ 湿潤,びらん,結痂を伴うか,又は二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,脂漏性皮膚炎を含む),乾癬,掌蹠膿疱症
○ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染(ローション除く)
引用:リンデロン-∨G インタビューフォーム

リンデロン∨Gは、リンデロン∨にゲンタマイシン硫酸塩という抗生物質を追加した製剤となっています。
炎症を起こしつつ、細菌感染も起こしているような症状に用いられます。

リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%

有効成分名:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム
効能・効果:
1. 眼科
外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,上強膜炎,前眼部ブドウ膜炎,術後炎症)
2. 耳鼻科
外耳・中耳(耳管を含む)又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患(外耳炎,中耳炎,アレルギー性鼻炎等),術後処置
引用:リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1% インタビューフォーム

水溶液タイプとして用いれるように、ベタメタゾンをリン酸エステルとした薬です。
眼や耳、鼻の炎症を鎮めるのに用いられます。
眼のなかに使用できるように、無菌で作製されています。

リンデロン点眼液0.01%

有効成分名:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム
効能・効果:
外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,上強膜炎,前眼部ブドウ膜炎,術後炎症)
引用:リンデロン点眼液0.01% インタビューフォーム

リンデロン点眼・点耳・点鼻液と同じ有効成分ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムが含まれていますが、こちらのほうが濃度が10分の1となっています。
症状に合わせて、使い分けされます。

点眼・点鼻用リンデロンA液

有効成分名:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム+フラジオマイシン硫酸塩液
効能・効果:
<適応菌種>
フラジオマイシン感性菌
<適応症>
[点眼]
外眼部・前眼部の細菌感染を伴う炎症性疾患
[点鼻等]
アレルギー性鼻炎,進行性壊疽性鼻炎,鼻及び咽喉頭部における術後処置
引用:点眼・点鼻用リンデロンA液 インタビューフォーム

リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%に抗生物質であるフラジオマイシン硫酸塩を追加した薬です。
細菌感染も併発しているような炎症性疾患に用いられます。

眼・耳科用リンデロンA軟膏

有効成分名:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム・フラジオマイシン硫酸塩軟膏
効能・効果:
<適応菌種>
フラジオマイシン感性菌
<適応症>
[眼科]
外眼部・前眼部の細菌感染を伴う炎症性疾患
[耳鼻科]
外耳の湿疹・皮膚炎,進行性壊疽性鼻炎,耳鼻咽喉科領域における術後処置
引用:眼・耳科用リンデロンA軟膏 インタビューフォーム

ステロイド+抗生物質の眼軟膏・耳科用軟膏として設計されました。
眼にも使うことができるように、無菌で作られています。

リンデロン坐剤

有効成分名:ベタメタゾン
効能・効果:潰瘍性大腸炎(直腸炎型)
引用:リンデロン坐剤0.5mg/リンデロン坐剤1.0mg インタビューフォーム

リンデロン坐剤は、ベタメタゾンそのものを有効成分とする薬です。
直腸炎型の潰瘍性大腸炎の治療に用いられます。

内服薬の紹介

リンデロン錠0.5mg・リンデロン散0.1%・リンデロンシロップ0.01%

有効成分:ベタメタゾン

内服薬は、様々な炎症性疾患に幅広く用いられています。
病気の一部を列挙すると、関節リウマチ・蕁麻疹・大腸炎・白血病・肺結核・慢性肝炎などなどです。

注射薬の紹介

リンデロン懸濁注


有効成分:ベタメタゾン酢酸エステル・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム

リンデロン注


有効成分:ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム

2%と0.4%のものがあり、2%のほうは出血性ショックにおける救急,又は術中・術後のショックに、0.4%は様々な経口投与ができない場合のステロイドを用いるべき炎症性疾患に用いられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
【リンデロン】と一口に言っても様々な製剤があり、それぞれ効果効能も異なることがわかります。

使用に際しては、医師の指示をよく聞いて、間違えないように使うようにしてください。

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