【ライゾデグ配合注フレックスタッチ】ってどんな薬?

はじめに

ライゾデグ配合注フレックスタッチは、インスリン製剤であり、糖尿病の方が使う薬です。
インスリン製剤には、作用の長さや強さに応じて複数のタイプが用意されています。

今回は、ライゾデグ配合注フレックスタッチの効能効果、副作用や注意点について説明していきます。

目次

ライゾデグってどんな薬?
ライゾデグってどうやって効くの?
ライゾデグの用法・用量
ライゾデグの副作用・注意点
まとめ

ライゾデグってどんな薬?

ライゾデグ配合注フレックスタッチはインスリンの注射製剤です。
有効成分は、インスリン デグルデク及びインスリン アスパルトで、どちらもインスリンの遺伝子を組み替えて作成されました。

インスリン製剤は、遺伝子組み換えを施すことで、強さを変えたり、長期間持続するように加工を施すことができます。

フレックスタッチというのは、自己注射用の容器型の名称をさします。

このように、上の部分をかちっと押すと薬剤が注入されるタイプのペン型自己注射が、フレックスタッチです。

【効能・効果】
インスリン療法が適応となる糖尿病

<効能・効果に関連する使用上の注意>
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
引用:ライゾデグ配合注フレックスタッチ 添付文書

インスリン注射は糖尿病であると、確かに診断された方だけに用いられます。
インスリンは、血中の糖分をがっつりと抑える薬なので、血糖が高くない人にもちいるとたちまち低血糖になってしまうためです。

ライゾデグってどうやって効くの?

ライゾデグはインスリン製剤ですが、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)が配合された薬です。

インスリンについて、さらっと触れておきます。
インスリンとは、本来膵臓から分泌される血糖値を下げる効果があるホルモンです。
食事などが吸収されて、血糖値がぐぐっとあがるとそれを感じ取り、インスリン分泌がされるのですが、糖尿病の方はこの分泌能力が低下しています。
インスリンの注射製剤はそれを外部から補給することを目的とした薬となります。

糖尿病の方は、一口に血糖値が高いといってもいくつかのパターンがあります。

  1. 食事後の血糖値だけ高い
  2. 1日中通してベースが高い
  3. ①と②の複合型

ライゾデグは、③のパターンの糖尿病患者さんに用いられます。
インスリン アスパルトが、食後の血糖値が高くなりすぎないようにし、インスリン デグルデクが、血糖値のベースラインを引き下げる働きをします。

ライゾデグの用法・用量

【用法・用量】
本剤は、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)を3:7のモル比で含有する溶解インスリン製剤である。
通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。

引用:ライゾデグ配合注フレックスタッチ 添付文書

ライゾデグは、1日に1~2回、血糖値・症状にあわせて使用する薬です。
1日1回のときは、一番カロリー摂取が多い食事の直前に、1日2回のときは朝食直前と夕食直前に投与します。
1日1回のときは、毎日一定のタイミングにする必要があります。その日によって投与するタイミングがずれると、血糖値のコントロールができなくなります。

ここで大事なポイント!
必ず【食直前】に投与するのが大事です。
ライゾデグには、超速攻型のインスリン アスパルトが含まれているので、食事を食べるすぐ前でないと、食事を食べる前に低血糖になってしまう可能性があります。いただきますをしてから、注射をする。これが鉄則です。

あと注意としては、投与しはじめて数週間は、血糖コントロールできているかしっかりとモニタリングする必要があります。やはり、最初はコントロールが難しいので。

投与する場所は、皮下注射で、腹部、上腕、大腿に行います。
投与部位によって吸収速度が変わってくるので、どこか最初に決めてもらいます。
腹部が一番多いかな?

部位は同じところなのですが、針を刺す場所は同じところではいけません。
化膿やしこりが残る可能性があるので、まったく同じところではなく、すこしずらして刺すとよいでしょう。だいたい2~3cmずらすとよいです。

ライゾデグの副作用・注意点

副作用

副作用として報告されているのは、糖尿病網膜症、体重増加、注射部位反応、頭痛、および低血糖症状です。

インスリン投与すると、血液中の糖分を利用して、脂肪を作る動きが活性化するので、人によっては体重増加が起こります。

やはり一番怖い副作用は低血糖症状です。
血液中の糖分は、脳の唯一のエネルギー源なので、減りすぎてしまうと、意識消失・最悪死に至ります。
ですが、初期症状抑えておけば大丈夫です。
冷や汗・寒気・めまい・だるさ、空腹感です。こういった症状が薬投与後や、食事から数時間してから生じるようであれば、低血糖の可能性があります。
ブドウ糖をすぐに食べてください。インスリン注射を調剤してもらっている薬局に言えばくれます。

注意点

保管には注意が必要です。
というのも、インスリンはタンパク質であり熱の変化に弱い物質です。
一度でも、暑さ・寒さにさらされると、たんぱく質は変性して、その効果を無くします。

まず、まだ使用前の薬は【凍結を避け、2~8°Cに遮光して保存】つまり、冷蔵庫で保存してください。(冷蔵庫でも凍結しちゃう箇所がある場合はそこを避けてください)

使用開始後は、冷蔵庫にいれるのではなくて、室温(1~30℃)で保管するようにしましょう。
そのとき、直射日光のあたる窓際や、ヒーター・ストーブの近くなど、温度が高くなりすぎるところに置いてはダメです。

まとめ

ライゾデグ配合注フレックスタッチは、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)が配合された、糖尿病を治療する薬です。
患者さん自身が注射することができる薬です。注射針をセットして、投与量を設定したら、ぽちっと押せば投与することができます。

超速効型インスリンが含まれているので、投与タイミングは食直前です。直前とは、いただきますしてから投与するレベルの直前です。

副作用の低血糖症状は、初期症状として、冷や汗・寒気・めまい・だるさ・空腹感があるので、こういった症状を感じるようであれば、すぐにブドウ糖を摂取して、医師に相談するようにしましょう。

投与タイミング、投与単位数は医師の指示に従うようにしてください。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る