【スインプロイク(ナルデメジン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

スインプロイクは、経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬に分類される薬です。
具体的には、モルヒネをはじめとするオピオイド系鎮痛剤の副作用である便秘解消を目的とした薬です。

今回は、スインプロイクの効果効能、副作用・注意点について紹介していきます。

目次

スインプロイクってどんな薬?
スインプロイクってどうやって効くの?
スインプロイクの用法・用量
スインプロイクの副作用
スインプロイクの注意点
まとめ

スインプロイクってどんな薬?

スインプロイクは、有効成分ナルデメジンの経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬です。
日本では、2017年6月に販売が開始されました。

効能・効果
オピオイド誘発性便秘症
引用:スインプロイク 添付文書

スインプロイクは、モルヒネ・オキシコドン・フェンタニルなどの、オピオイド系鎮痛薬服用時に生じる副作用である便秘を解消する薬です。
これらの鎮痛作用は強力で、がん患者さんをはじめとして広く使われてきたのですが、便秘が副作用としてあり、生活の質(QOL)を下げる一因となっていました。
スインプロイクはこの副作用を解消することができる画期的な薬といえます。

スインプロイクってどうやって効くの?

そもそも、オピオイド系の治療薬でどうして便秘が生じるのでしょうか?
答えは、オピオイドμ受容体にあります。

オピオイド系鎮痛薬のその鎮痛作用は主にオピオイドμ受容体を通して発現します。
中枢に分布するμ受容体を刺激することで、鎮痛作用をもたらすのですが、一方で末梢特に消化管に存在するμ受容体を刺激すると、活動が低下してしまうことがわかっています。
なので、オピオイド系の鎮痛薬を服用すると、便秘の副作用がでてしまいます。

スインプロイクは、末梢のμ受容体をブロックすることができる薬です。
つまり、刺激されてしまうと便秘になってしまうスイッチをブロックすることで、便秘になりにくくしてくれる薬なのです。

また、中枢のμ受容体はブロックしないので、鎮痛作用をなくしてしまうことはありません。

スインプロイクの用法・用量

用法・用量
通常,成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意
オピオイドの投与を中止する場合は本剤の投与も中止すること。
引用:スインプロイク 添付文書

スインプロイクは、1日1回服用する薬です。
この薬は、オピオイド系鎮痛薬の副作用である便秘を解消する薬なので、オピオイド系鎮痛薬を中止した場合は、スインプロイクも中止します。
服用しても意味がないですからねー。

スインプロイクの副作用

下痢・腹痛が主な副作用として報告されています。
オピオイドは実は生体内でも分泌されており、末梢μ受容体はその刺激にさらされているので、消化管運動は通常、すこし抑えられているのですが、その抑制が解除されるので、運動亢進により下痢症状がでる方がいらっしゃるようです。

スインプロイクの注意点

スインプロイクには、使ってはいけない方が設定されています。

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 消化管閉塞若しくはその疑いのある患者,又は消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者[消化管穿孔を起こすおそれがある。]

引用:スインプロイク 添付文書

まず、スインプロイクを服用して、アレルギー・蕁麻疹・アナフィラキシーショックなどの過敏症を起こしたことがある方。
また、消化管が詰まってしまっている方にも使用することができません。一生懸命消化管が動いて便を押し出そうとしても、そもそも詰まってしまっていると便がでないからです。

まとめ

スインプロイクは、オピオイド系鎮痛薬の副作用である便秘を解消する薬です。
末梢にあるオピオイドμ受容体をブロックすることにより、その効果を発揮します。

服用する際には、医師の指示通りでお願いします!

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る