名古屋大の女子学生が硫酸タリウムで同級生を毒殺未遂

 名古屋大の女子学生(19)が平成24年5~6月、元同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたとして愛知、宮城両県警に再逮捕された事件で、女子学生が「(身近にいるので)観察しやすいと思い2人に投与した」という趣旨の供述をしていることが17日、捜査関係者への取材で分かった。合同捜査本部は計画的犯行の可能性があるとみて、慎重に捜査を進める。
引用:http://www.sankei.com/affairs/news/150518/afr1505180015-n1.html

硫酸タリウムとは

硫酸タリウムは、殺鼠剤として20世紀以降使われるようになった物質です。(但し、現在では、毒性が強いことから使用が禁止されています。)
そのほかにも、分析用の試薬として利用されています。

大人の平均的な致死量は約1グラムで、腎臓や肝臓、脳に影響がでる物質です。
経口摂取を始め、吸引、皮膚に触れても危ないです。

硫酸タリウム中毒の症状

少量摂取では、吐気や食欲不振などの不快感を始め、感覚障害、筋力低下、歩行障害など体全体てきに失調をきたします。
多量摂取など、重篤な場合は、発熱やせん妄、痙攣などの神経障害をきたし、呼吸困難・循環困難により死に至ります。

硫酸タリウムの解毒薬

プルシアンブルーが解毒薬としてあります。
プルシアンブルーは、腸管内でタリウムに結合することで、キレートとなりタリウムが体内に吸収されるのを抑制する効果があります。

他の処置としては、催吐・胃洗浄を行い、活性炭によるタリウムの吸着を行い、できるかぎり体内に吸収されないように処置を加えます。

過去にもこんな事件がありました

過去にも硫酸タリウムを使って、人を毒殺をしようとした事件があります。
静岡女子高生母親毒殺未遂事件

この事件では、被害者は母親で、女子高生は人が毒に侵されていく様を観察したいという理由で硫酸タリウムを盛っていたという供述しています。

硫酸タリウムは毒劇物取締法で劇物に指定される物質で、18歳以上であれば薬局などで買うことができるのですが、その際には氏名や住所、職業、購入量などを書面に残しておく必要があります。
(冷静に考えると、購入に際して年齢制限があるにも関わらず、年齢・生年月日の記載義務がないのはなんだか不思議ではありますよね。購入時に身分証明書でチェックしてね!ということなんでしょうか。。。)

普通に買うことができる物質でも、人を殺せてしまうので、購入する人のチェックは厳重にする必要があるかなと思います。

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