【ボアラ(デキサメタゾン吉草酸エステル)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ボアラは、ステロイドの外用薬です。
有効成分はデキサメタゾン吉草酸エステルで、強さは5段階のうち、上から3番目のストロングに属します。

日本では、軟膏とクリームの製剤タイプが販売されています。
今回は、ボアラの効果効能、副作用や注意点について紹介していきたいと思います。

目次

ボアラってどんな薬?
ボアラって何の病気に使えるの?
ボアラってどうやって効くの?
ボアラの一般的な使う量と回数
ボアラの副作用
ボアラで気を付けることは?
ボアラのジェネリック(GE)ってあるの?
ボアラの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
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ボアラってどんな薬?

ボアラは、有効成分デキサメタゾン吉草酸エステルのステロイド外用薬です。
日本では、1986年6月に販売開始されました。

効能又は効果
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、乾癬、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、虫刺症、慢性円板状エリテマトーデス、扁平苔癬
引用:ボアラ 添付文書

ボアラって何の病気に使えるの?

ステロイドの外用薬は、皮膚の炎症性疾患に用いられます。
具体的には、効能又は効果で紹介した病気なのですが、いくつかピックアップして病気の説明をしていきたいと思います。

乾癬

乾癬は、皮膚の免疫性疾患であり、皮膚が赤く盛り上がり、その上に鱗屑とよばれる銀白色のフケのようなものが生じる病気です。
現在の医療技術では根本的な治療は難しく、症状を抑える治療を行うことになります。
ステロイドは、免疫反応を抑える効果をもつので、治療に用いられます。

掌蹠膿疱症

「しょうせきのうほうしょう」と読み、うみが貯まった膿胞が手のひらや足の裏に生じる病気です。
うみが貯まるということは、なんらかの細菌感染が生じているのでは?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
残念ながら原因不明なケースが7割くらいあり、残り3割は、手足以外の他の部位(扁桃腺や歯、鼻など)の細菌感染が原因であったり、金属アレルギーが原因であったりします。

これも免疫・炎症反応がかかわっているとされているので、ステロイドを用いて、症状をおちつかせる治療を行います。

扁平苔癬

口腔内や皮膚に生じ、赤や紫のかゆみを伴う発疹が生じ、その後うろこ状の鱗屑が生じる病気です。
残念ながら原因は特定されていませんが、微生物感染や薬が原因ではないかとされています。

ボアラってどうやって効くの?

ボアラの有効成分デキサメタゾン吉草酸エステルはステロイドの一つになります。

ステロイドは皮膚に塗布した後、浸透してその周辺の細胞に取り込まれます。
取り込まれたステロイドは、細胞の遺伝子が格納されている核と呼ばれる場所に移行し、リポコルチンというタンパク質の合成を促進させます。

リポコルチンは、プロスタグランジンやトロンボキサン、ロイコトリエンといった炎症に関与する物質の原料を作り出す【ホスホリパーゼA2】を阻害することで、炎症反応全体を鎮めることができます。

ボアラの一般的な使う量と回数

用法及び用量
通常1日1~数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
引用:ボアラ 添付文書

ボアラ軟膏・クリームは1日1~数回患部に塗布する薬です。
ほとんどの場合、医師から塗る回数について指示がでると思うので、それに従ってください。
医師から特段の指示がなければ、朝晩くらいでつけるとよいでしょう。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

ボアラの副作用

ボアラで報告されている主な副作用は、軟膏で毛嚢炎・せつ・ざ瘡様疹・掻痒感・刺激感などで、クリームでざ瘡様疹・掻痒感・膿胞・カンジダ症が報告されています。

ステロイド外用薬は、炎症を鎮めると同時に免疫反応も抑制してしまいます。
免疫反応とは、細菌やウイルスなど感染性生物を攻撃して身を守る働きをしています。
その反応が抑制されてしまうので、皮膚の炎症やざ瘡(にきびのこと、細菌感染が原因)が副作用として生じる可能性があります。

使用していて、症状悪化や違和感があれば、医師に相談するようにしてください。

ボアラで気を付けることは?

医師の指示どおりの使用を!

ステロイドと聞くと、それだけで【怖い!】【副作用が心配!】といった声を聞きます。

ステロイドの外用薬は、長期使用でなければ、比較的安全に使うことができます。
その際に、注意がいくつかあるので、これだけは守っておいてください。

①医師が指示した部位以外のところに使わない。
ステロイド外用薬は、症状や年齢、部位によって強さを変えて用います。
皮膚が薄い顔には、ワンランク下のステロイドを使うなどします。
そのため、医師が指示した部位に使うと、強すぎたり・弱すぎたりしてしまいます。

②他の方に処方された薬を症状が似てるからといって、使用しない。
①と関連しますが、特に大人に処方された薬は、症状が似ているからといって、子供に使ってはダメです。
子供の皮膚は薄いため、通常大人が使用するときのワンランク下のステロイド外用薬を用います。
そうした判断は医師にしたがったほうが確実なので、むやみやたらに使わないようにしてください。

③長期連用をしない
医師からの指示がある場合を除き、症状が収まったら、使用を中止して様子をみるようにしてください。
使い続けることで副作用の可能性がだんだんと上がっていくからです。

ボアラのジェネリック(GE)ってあるの?

ボアラのジェネリックはまだ販売開始されていません。

ボアラの市販薬(OTC)ってあるの?

デキサメタゾン吉草酸エステルを含んだOTCは現在のところ販売されていません。

まとめ

ボアラ軟膏・クリームは、ステロイドの外用薬です。
有効成分は、デキサメタゾン吉草酸エステルで、ステロイド外用薬の5段階の強さランクの上から3つ目の強さのものになります。

炎症を鎮める効果があるため、湿疹をはじめとする様々な炎症性皮膚疾患に用いられます。
使用に際しては、医師の指示どおりに使うようにしてください。

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