はじめに
ドボネックス軟膏は、乾癬の治療にもちいられている薬です。
有効成分は、カルシポトリオールです。
今回は、ドボネックス軟膏の効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
ドボネックス軟膏ってどんな薬?
ドボネックス軟膏ってどうやって効くの?
ドボネックス軟膏の用法・用量
ドボネックス軟膏の副作用
ドボネックス軟膏の注意点
まとめ
ドボネックス軟膏ってどんな薬?
ドボネックス軟膏は、尋常性乾癬に用いられる薬です。
日本では、2000年6月に販売が開始されました。
有効成分は、カルシポトリオールです。
効能又は効果
尋常性乾癬
引用:ドボネックス軟膏 添付文書
尋常性乾癬とは?
尋常性乾癬は、慢性炎症性角化症に属し肉眼的には鱗屑と浸潤、紅斑がみられ、組織病理的には表皮細胞の異常増殖、不全角化、炎症細胞の浸潤と血管拡張が認められる疾患である。
引用:ドボネックス軟膏 インタビューフォーム
乾癬は、銀白色の皮膚の粉を伴いながら、紅斑の皮膚の盛り上がりが生じる病気です。
皮膚に生じるものを、尋常性乾癬と呼びます。
乾癬には、他にも関節性乾癬、爪乾癬などがあります。
乾癬が生じてしまう原因ですが、まだ完全に解明はされていません。
ですが、遺伝的な要因によりなる可能性があると考えられています。
遺伝的な要因をベースとして、不規則な生活・ストレス・感染症などにより発症すると考えられています。
乾癬という名前から、人にうつる病気だと思われですが、伝染りません。
日本では、人口の0.1%程度の方がもつ病気とされています。
よく症状が出やすい箇所は、刺激が多い部位、つまり肘・膝・腰・頭です。
かゆみがでることもありますが、掻くとその刺激により悪化します。
ドボネックス軟膏ってどうやって効くの?
ドボネックス軟膏の有効成分、カルシポトリオールは、ビタミンD3の活性体です。
ビタミンD3の活性体はカルシウム代謝作用を有することでしられており、骨粗鬆症の治療薬としてすでに用いられていましたが、その後、細胞の増殖抑制、及び分化誘導の作用を有することが分かりました。
尋常性乾癬では、患部において細胞の増殖が盛んに行われており、とくに炎症を引き起こす細胞への分化誘導(簡単に言えば、進化)が多く行われていることがわかっています。
ビタミンD3の活性体を使用すれば、増殖及び分化のバランスが整えられることが分かったので、治療に用いられ始めました。
細かいビタミンD3の活性体の作用の仕方は下記の通り。
- 取り込まれたビタミンD3の活性体は皮膚の一番下を構成する表皮基底細胞の細胞質もしくは核内(細胞の中心、遺伝子があつまるところ)に行きます。
- 特異的受容体(VDR)と欠等し、VDRー複合体を形成、VDRー複合体は遺伝子錠の特異的結合部位に結合することで、遺伝子の転写をコントロールします。
- その結果、皮膚の免疫系細胞の調節、及び細胞増殖・分化のコントロールをおこなうことができます。
そのほか、患部では炎症性サイトカイン(炎症をひきおこす生体内物質のこと)である、IL-1、6、8のコントロールができなくなっているので、それをコントロールする効果もあることがわかっています。
このような作用を通して、尋常性乾癬の患部で生じている炎症性の異常を正常にすることができると考えられています。
ドボネックス軟膏の用法・用量
用法及び用量
通常1日2回適量を患部に塗布する。用法及び用量に関連する使用上の注意
1週間に90gを超える使用は行わないこと。
1日2回を患部に塗布するのが通常の使い方です。
ですが、症状によっては多く使ったり、少なく使ったりします。
なので、医師の指示に従うようにしましょう。
ですが、1週間に90gを超える量は使用してはいけません。
使いすぎないように注意しましょう。
ちなみに上限が決められている理由としては、90g以上使用すると皮膚刺激の副作用の可能性が上昇するためです。
ドボネックス軟膏の副作用
報告されている主な副作用としては、塗った部位のそう痒感、赤くなる症状、刺激感などの皮膚症状。
血液中のリンや活性型ビタミンD3の濃度変化が見られました。
使用していて、症状悪化や違和感を感じるようであれば、医師に相談するようにしましょう。
ドボネックス軟膏の注意点
使用してはいけない部位が設定されています。
1. 使用部位
(1)顔面には使用しないこと。
(2)眼科用として使用しないこと。
(3)患部以外には使用しないこと。
引用:ドボネックス軟膏 添付文書
患部に塗布した手で顔や傷口に触らないように、塗ったら早めに手を洗いましょう。
まとめ
ドボネックス軟膏は尋常性乾癬の治療薬として用いられます。
有効成分カルシポトリオールは、活性型ビタミンD3であり、乾癬部位での炎症性細胞・炎症性サイトカインを正常にコントロールする作用を有します。
使用に際しては、医師の指示どおりに使用するようにしましょう。
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