はじめに
【疑義照会】って聞いたことありますか?
薬局で薬剤師から「疑義照会してるので時間ください」と言われたりしたことありませんか?
今回は、疑義照会って何??という疑問にお答えしたいと思います。
目次
疑義照会って何?
ゼチーアってどうやって効くの?
ゼチーアの用法・用量
ゼチーアの副作用・注意点
まとめ
疑義照会って何?
疑義照会とは、処方箋内容に疑問が生じる部分があった場合、発行した医師に確認する行為のことをいいます。
これは、薬剤師法第二十四条で規定されています。
(処方せん中の疑義)
薬剤師法第二十四条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。
ちなみにこれ破るとどうなるのでしょう。
薬剤師法第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
(省略)
六 第二十四条又は第二十六条から第二十八条までの規定に違反した者
50万円以下の罰金に処せられます。
これは、薬剤師法による罰則ですが、プラスして疑義照会を怠り患者さんに健康被害を生じさせた場合は、民事による損害賠償責任が問われます。
なので、薬剤師は処方箋内容について、おかしなことがある場合には気づかなくてはいけないし、医師に確認しなくてはいけません。
例えばどんなことが疑義照会対象になるの?
単純なミス
生年月日違う、男女違う、保険番号が違うといったミス。
本来あるべき医師のハンコがない、最終行に【以下余白】の記載がないといった、単純にミスだろうなということも疑義照会対象になります。
薬学的な疑問・懸念
薬学的におかしい点が見つかった場合です。
例えば、ベルソムラという不眠症薬を服用している患者さんが風邪をひき、クラリシッド(有効成分クラリスロマイシン)という抗生物質が処方された場合。
これは疑義照会対象になります。
というのも、ベルソムラの禁忌に下記の通り記載があるためです。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.CYP3Aを強く阻害する薬剤 (イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾール) を投与中の患者
引用:ベルソムラ 添付文書
併用すると、ベルソムラの体内濃度が上がってしまい、副作用の懸念があるためです。
こういった、一緒に服用すると悪影響を及ぼす薬がでていた場合、疑義照会して確認します。
他にもあるケースとしては、年齢や体重に応じて量を調節しなくてはいけない薬にもかかわらずそれが考慮されていないといったケースが考えられます。
患者さんの希望
薬をお渡しする段階で、「2週間分しか薬でてないけど、ちょうどそのタイミングで旅行があったのを思い出したから、少し長めに欲しい」といった要望や
「この薬、家にごっそり余っているから今回はいらない」といった要望がでた場合、医師に疑義照会します。
疑義照会にかかる時間
これはもう、医療機関によりけりです。
比較的、クリニックのような小さいところのほうが、医師がすぐにつかまりやすいので、レスポンスは早いです。
もうどうしようもないのは、病院が休みになってしまっている状況です。
午前中のみ営業している病院で貰った処方箋を、午後薬局に持っていって、絶対に確認が必要な疑義内容がある場合。
医師がまだ掴まれば確認することができますが、掴まらなければ薬をだすことができなくなってしまいます。
ほんとうにもう、薬剤師の立場からしてみると、ごめんなさいの一言です。
疑義照会しなくていいから薬頂戴という要望について
患者さんからしてみたら、いやそんなことはどうでもいいから、量調節するなりどうにかして薬だしてよという気分ですよね。ごもっともです。
だがしかし、申し訳ないのですが、それはできないです。
薬剤師は処方せんによってでしか調剤できず、その処方せんの発行権を持っているのは医師です。
医師が処方せん内容を変えてよいよと言わない限り、処方せん内容を変えることは許されないのです。
まとめ
疑義照会とは、処方せん内容に疑問点がある場合に、薬剤師が医師に確認をする行為を指します。
薬剤師には、疑問点を見つける義務があるし、見つけた疑問点を医師に確認する義務があります。
なので、疑義照会必要な場合は待たせてしまうと思いますが、ご理解いただけますと幸いです。
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