バイオシミラーとジェネリック医薬品ってどう違うの?

はじめに

バイオシミラーとは、先発医薬品の特許が切れた後に販売されるバイオ医薬品のことを指します。
一見すると、先発医薬品の特許が切れた後に販売される【ジェネリック医薬品】と同じような印象をうけます。

ですが、ここには大きな差があります!
今回はこの差について紹介していきたいと思います。

バイオシミラーとは

バイオシミラーとは、分子量が大きく構造が複雑な医薬品について、先発医薬品の特許がきれた後に、後発で販売される医薬品のことを指します。バイオ後続品とも呼ばれています。

ジェネリック医薬品と同じような感じですが、バイオ医薬品は先発品と同一の効果効能を有していると証明するのが難しい分野の製剤になります。
バイオ医薬品は、タンパク質のような複雑な構造をしているため、科学的な検査で同じだ!と証明するのが難しいです。

ですので、先行の医薬品と効果効能が同等であることを証明するために、新薬を申請するときに準じた資料や臨床試験データ(実際に人に投薬して、血中濃度推移や副作用発現などを調べる試験のこと)が必要となります。
他にも、バイオ医薬品は免疫原性が強いことが多いため、それをチェックするために毒性試験を個別に行う必要もあります。

一方で、ジェネリック医薬品も先行する医薬品の特許が切れた際に作られる、後発の薬という部分では同じです。
違う点は、ジェネリック医薬品の承認を得るためには、先行する医薬品と「生物学的同等性」を証明すればよいだけである点です。
生物学的同等性とは、薬の溶けるスピードやそのときの濃度を試験室内で証明する事項です。

化合物であれば、比較的簡単に科学的な試験をもって、同じ成分であると証明することができます。
薬の溶けるスピードが同じであれば、同じ化合物が含まれているのだから、きっと服用したときに同じ効果効能・副作用がでるだろうと推定できる、という考えから、その試験だけ行えばよいとされています。
つまりは、ジェネリック医薬品の承認には基本的に臨床試験を経る必要がありません。この点が大きな違いであると言えます。

また、特許がきれたからといって、製造方法のすべてを公開する必要はなく、バイオシミラーを後発メーカーが製造する際には、製造方法から策定しなくてはいけません。
その分コストがかかってしまうというのも異なる点になります。

まとめ

バイオシミラーとジェネリック医薬品が大きく違う点は、臨床試験の成績が必要かどうかです。
バイオシミラーは必要であり、ジェネリック医薬品は不要です。
これらの違いは、バイオシミラーが先発の医薬品との同一性を証明するのが難しいことから生じています。

また、化合物製造は比較的簡易に製造過程を策定できるが、バイオ医薬品は製造過程を策定するのに労力がかかるため、コストがかかってしまうという問題もあります。

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