【サインバルタ(デュロキセチン)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

サインバルタカプセルは、うつ病や糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症による疼痛に用いられる薬です。
ロキソニンなどのNSAIDsだけでは、コントロールできない痛みに用いられることが多いです。

今回は、サインバルタについて、その効果効能、副作用や注意点について、紹介していきたいと思います。

目次

サインバルタってどんな薬?
サインバルタってどうやって効くの?
サインバルタの用法・用量
サインバルタの副作用
サインバルタの注意点
まとめ

サインバルタってどんな薬?

サインバルタカプセルは、うつ病や疼痛に効果を発揮する薬です。
有効成分はデュロキセチンで、日本では2010年4月に販売が開始されました。

効能・効果
○ うつ病・うつ状態
○ 下記疾患に伴う疼痛
糖尿病性神経障害
線維筋痛症
慢性腰痛症
変形性関節症

効能・効果に関連する使用上の注意
1. 抗うつ剤の投与により,24歳以下の患者で,自殺念慮,自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため,本剤の投与にあたっては,リスクとベネフィットを考慮すること。
2. 海外で実施された7~17歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。
3. 線維筋痛症の診断は,米国リウマチ学会の分類(診断)基準等の国際的な基準に基づき慎重に実施し,確定診断された場合にのみ投与すること。
4. 慢性腰痛症に伴う疼痛又は変形性関節症に伴う疼痛に用いる場合,最新の診断基準を参考に慢性腰痛症又は変形性関節症と診断された患者にのみ,本剤の投与を考慮すること。
5. 変形性関節症に伴う疼痛に用いる場合,3ヵ月以上疼痛を有する患者にのみ,本剤の投与を考慮すること。
6. 疼痛に対して本剤を投与する場合は,自殺念慮,自殺企図,敵意,攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し,本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
引用:サインバルタ 添付文書

サインバルタは、うつ病に対して使用されることと、主に整形領域の疼痛緩和の目的で使われる薬です。

2010年1月に「うつ病」に対する薬として承認された後に、2012年2月に「糖尿病性神経障害」を伴う疼痛、2015年5月に「線維筋痛症に伴う疼痛」、2016年3月に「慢性腰痛症に伴う疼痛」、2016年12月に「変形性関節症に伴う疼痛」の承認が追加されました。

サインバルタってどうやって効くの?

サインバルタの有効成分デュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)に分類される薬です。

うつ病に関して

うつ病患者さんでは、脳内のセロトニンとノルアドレナリンの分泌が少ないことがあります。
SNRIはシナプス間隙(神経と神経の間)において、通常放出後に回収されてしまうセロトニンとノルアドレナリンを、回収機構の働きを抑えることにより、回収されにくくする効果があります。

その結果、セロトニンとノルアドレナリンの分泌が多いのと同じような状況となり、うつ症状を改善してくれます。

各種疼痛に関して

痛みは、末梢(腰とか膝などなど)の組織が刺激されると、一次ニューロン(末梢感覚神経)が活性化し、その神経刺激が脊髄を通して、二次ニューロン(脊髄視床路)に伝達されます。
この刺激が、中枢で痛みとしてとらえられます。

この刺激のルートは、やみくもに活性化しているわけではありません。
制御されていなかったら、些細な刺激でも「いてーいてー」となってしまいとても生活できたものじゃないですからね。
この制御をしているのが、下行性疼痛抑制系と呼ばれ、脊髄での神経伝達仲介を抑制系にコントロールしています。

この、下行性疼痛抑制系は、セロトニンとノルアドレナリンで活性化することがわかっているので、サインバルタが、疼痛を緩和する目的で使用されます。

サインバルタの用法・用量

用法・用量
1. うつ病・うつ状態,糖尿病性神経障害に伴う疼痛
通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
なお,効果不十分な場合には,1日60mgまで増量することができる。

2. 線維筋痛症に伴う疼痛,慢性腰痛症に伴う疼痛,変形性関節症に伴う疼痛
通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

用法・用量に関連する使用上の注意
うつ病・うつ状態,糖尿病性神経障害に伴う疼痛に用いる場合,本剤の投与量は必要最小限となるよう,患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
引用:サインバルタ 添付文書

サインバルタは、うつ病・疼痛に用いるときで、量が違います。

どちらも、最初は1日20mgから開始して、徐々に増量していく形で服用を開始します。
副作用がでないかどうかを確認するため、体を薬にならすため、効果を確認するために、この少しづつ増量する形での服用開始となります。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

サインバルタの副作用

主な副作用として、気持ち悪さ・傾眠(眠気)・口の渇き・頭痛・便秘・めまい・下痢・腹痛などが生じる可能性があります。
そのほかにも、副作用の症状がでることがあるので、服用していて、体の違和感や症状悪化がみられるようであれば、医師に相談するようにしましょう。

眠気やめまいが生じる可能性があるので、自動車の運転や高所作業など注意が必要です。

自己判断で中止せず、気になることあれば、医師に相談しましょう。

サインバルタの注意点

サインバルタは、腎臓が高度に悪い方には用いることができません。
軽度~中度の腎臓機能低下でも、量を減らす・様子見を長めにするなど注意が必要となります。

また、肝臓が高度に悪い方・コントロールできていない閉塞隅角緑内障(緑内障の一種)の方にも用いることができません。

そのほか、一緒に服用してはいけない薬も設定されているので、お薬手帳などを活用して、服用している薬は一冊のノートにまとめておき、医師や薬剤師に確認してもらうとよいでしょう。

サインバルタは、投与中止の際に、一気に服用中止すると、不安感・焦燥感・興奮・めまいといった精神症状がでる可能性があります。
薬によって、神経伝達物質をコントロールしており、それが普通となっていたところで、服用中止すると、体が混乱してしまうことに起因します。
そのため、中止の際には、徐々に薬の量を減らしていく形で中止していく必要がありますので、医師の指示にしたがうようにしましょう。
(状況によっては、一気に中止する可能性もあるので、医師に相談・確認してください)

自己判断で中止せず、気になることあれば、医師に相談しましょう。

まとめ

サインバルタは、うつ病や糖尿病性神経障害・線維筋痛症・慢性腰痛症・変形性関節症の疼痛緩和に用いられる薬です。
有効成分はデュロキセチンで、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、シナプス間隙でのセロトニン、ノルアドレナリン量を増加させ、各種効果を発揮します。

服用に際しては医師の指示通り、服用するようにしましょう。

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