はじめに
フェロミアは鉄欠乏性貧血の治療に用いられる薬です。
鉄は酸素運搬を担っている赤血球の構成要素「ヘモグロビン」の原料の一つです。
そのため、鉄が欠乏すると、ヘモグロビンが作れなくなり、貧血となります。
今回は、フェロミアについて、その効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
フェロミアってどんな薬?
フェロミアって何の病気に使えるの?
フェロミアってどうやって効くの?
フェロミアが効くかってどうやって確かめたの?
フェロミアの一般的な使う量と回数
フェロミアの副作用
フェロミアで気を付けることは?
フェロミアのジェネリック(GE)ってあるの?
フェロミアの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報
フェロミアってどんな薬?
フェロミアは有効成分クエン酸第一鉄ナトリウムの、鉄欠乏性貧血に用いられる薬です。
日本では、錠剤と顆粒ともに、1986年12月に販売が開始されました。
効能又は効果
鉄欠乏性貧血
引用:フェロミア錠50mg/ フェロミア顆粒8.3% 添付文書
フェロミアって何の病気に使えるの?
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血とは、その名前の通り鉄分が不足することによって生じる貧血です。
鉄の摂取量が足りない、もしくは出血量が多く鉄分の補給が間に合っていない場合に生じます。
生理がある女性で多くなりやすいとされています。
どうして、鉄が不足すると貧血となるのでしょうか?
貧血は血液が薄くなった状態であり、一般的にはヘモグロビン濃度が低下した状態を言います。
ヘモグロビンは、赤血球の構成要素の一つであり、酸素の運搬を担う物質です。
その中心には、鉄が使用されているので、鉄が不足することによって、貧血となるというわけです。
鉄欠乏性貧血は、赤血球の合成能力は維持できているものの、ヘモグロビン量が少ないため、赤血球一つに含まれるヘモグロビン量が低下します。
また、赤血球の元となる赤芽球の数は上昇するものの、サイズが小さいものがたくさん作られるため、小球性低色素性貧血に分類される貧血です。
鉄欠乏性貧血は、鉄分が相対的に不足する下記の状況で生じやすいです。
- 偏食や過度なダイエットにより鉄摂取が欠乏したとき
- 胃を摘出した場合など鉄の吸収が妨げられるとき
- 月経過多・消化管出血・がんなどによって出血が過多なとき
- 妊娠などにより鉄がヘモグロビン以外にも、大量に使用されたとき
月経により定期的に血液が失われる女性のほうが、鉄欠乏性貧血は起こりやすいです。
フェロミアってどうやって効くの?
フェロミアの有効成分クエン酸第一鉄ナトリウムは、鉄を補給する薬です。
鉄単体を補給するよりも、副作用が少なく・吸収効率がよいように工夫されています。
鉄分を多く服用すると、吐き気や嘔吐といった消化器症状が生じることで知られています。
胃酸の分泌量によって、鉄分の吸収量が変わる薬もあったのですが、フェロミアは胃酸の分泌が少なくても、吸収量が落ちないような工夫がされています。
フェロミアの一般的な使う量と回数
用法及び用量
錠 50mg :通常成人は、鉄として1日100~200mg(2~4錠)を1~2回に分けて食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
顆粒 8.3%:通常成人は、鉄として1日100~200mg(1.2~2.4g)を1~2回に分けて食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
引用:フェロミア錠50mg/ フェロミア顆粒8.3% 添付文書
1日鉄として100~200mgを1~2回に分けて食後に服用することとされています。
貧血の程度や年齢に応じて、量を変えたりするので、医師の指示に従うようにしてください。
フェロミアの副作用
フェロミアに報告されている主な副作用として、悪心や嘔吐といった消化器症状が報告されています。
使用していて、我慢できないレベルの気持ち悪さ・吐き気を感じたら、医師に相談するようにしてください。
フェロミアで気を付けることは?
継続的な服用を心がけてください。
不足した鉄分は、継続的に服用することで、予備の分まで補給されます。
自己判断で中止せず、継続的に服用するようにしてください。
便の色が黒くなります
吸収されなかった鉄分は、消化管を通って便として排泄されるときに黒色を呈します。
便の色が黒くなったとしても驚かないようにしてください。
フェロミアのジェネリック(GE)ってあるの?
フェロミアのジェネリックはすでに販売されています。
フェロステック錠・フェネルミン錠・クエン酸第一鉄Na錠50mg「メーカー名」の名前で販売されています。
希望する場合は、処方箋提出時に薬局にて、希望の旨を申し出てください。
医師から先発医薬品で調剤することといった指示がなく、薬局にジェネリックの在庫があれば、提供することができます。
フェロミアの市販薬(OTC)ってあるの?
クエン酸第一鉄を有効成分とするOTCは販売されていません。
まとめ
フェロミアは有効成分クエン酸第一鉄の、鉄欠乏性貧血の治療薬です。
鉄を薬から補給することで、鉄欠乏状態を改善することができます。
使用に際しては、医師の指示に従うようにしてください。
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