はじめに
大建中湯は、おなかの調子を整える漢方薬として利用されています。
複数のメーカーから販売されており、執筆当時は下記の品目が販売されています。
- コタロー大建中湯エキス細粒
- ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)
この記事は、ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)に基づいて説明しますが、だいたいどのメーカーも同じなので、他のメーカー品調べている方も参考にしていただければ幸いです。
目次
大建中湯ってどんな薬?
大建中湯ってどうやって効くの?
大建中湯の用法・用量
大建中湯の副作用
大建中湯の注意点
まとめ
大建中湯ってどんな薬?
大建中湯はおなかの冷えからくる、便秘・下痢・腹痛・膨満感といった消化器症状を改善する薬です。
日本では、1986年10月に販売を開始しました。
効能又は効果
腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの
引用:ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用) 添付文書
大建中湯は、漢方の古典である【金匱要略(きんきようりゃく)】に掲載されている漢方薬です。
組成
本品15.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.25gと日局コウイ10.0gを含有する。
日局カンキョウ 5.0g
日局ニンジン 3.0g
日局サンショウ 2.0g
引用:ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用) 添付文書
大建中湯は3つの生薬が配合されています。
カンキョウ
カンキョウは乾姜と書き、ショウガ科ショウガの根茎を蒸して乾燥させたものです。つまりは、普段よく食べられているショウガを乾燥させたものです。
乾姜は、体を温め、新陳代謝を高め、食欲増進、発汗、健胃作用効果を有します。
主な有効成分は、ジンギベロール・ショウガオール・ジンギベロンといった成分です。
ニンジン
ニンジンは人参と書き、ウコギ科チョウセンニンジンの根を乾燥させたものです。
普段食べている人参とはちょっと違います。
人参は健胃整腸・鎮痛・去痰の効果を有します。
主な有効成分は、ジンセノサイドRb1、Rc、ステロイド類のカンペステロール、シトステロールといった成分です。
サンショウ
サンショウは山椒と書き、ミカン科サンショウの成熟果皮です。種子はできる限り取り除いて乾燥させます。うなぎにかけるあの薬味ですね。
山椒は、健胃作用の効果を有します。
主な有効成分は、サンショオールとサンショアミドなどです。
大建中湯ってどうやって効くの?
配合されている生薬の有効成分がそれぞれ効果を発揮して、総合的に冷えからくる消化器症状を改善します。
大建中湯の用法・用量
用法及び用量
通常、成人1日15.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
引用:ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用) 添付文書
大建中湯は1日2~3回服用する薬です。
量は症状や体重、年齢に応じて変わります。
食前もしくは食間に服用します。漢方全体的に、空腹時のほうが効果が高いとされているためです。
医師の指示がでてるかと思うので、それに従うようにしましょう。
服用の仕方ですが、顆粒のまま飲んでもいいですし、お湯に溶かして服用してもかまいません。
【~~湯】と名付けられている漢方は昔はお湯で煎じて服用してた名残です。
大建中湯の副作用
腹痛・悪心・下痢といった消化器症状、肝機能障害が副作用としてみられることがあります。
こうした副作用が生じるようであれば、医師に相談するようにしましょう。
大建中湯の注意点
高齢者の方は生理作用が落ちているため、効果が強くでたり、副作用が発現する可能性がありますので、少なめの量から様子見ながら服用するケースがあります。
医師の判断によるので、処方通り服用で問題ないでしょう。
まとめ
大建中湯は、おなかの冷えからくる、便秘・下痢・腹痛・膨満感といった消化器症状を改善する薬です。
カンキョウ(乾姜)・ニンジン(人参)・サンショウ(山椒)の生薬が配合されています。
1日2~3回食前・食間に服用する薬です。
服用に際しては医師の指示通りにするようにしましょう。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。