テトロドトキシンってどんな毒?
テトロドトキシンって、よくドラマやアニメの殺人の場面で時々耳にする毒として有名ですよね。
ふぐが持っている毒として有名ですけども、どんな効果を持っているのでしょう。
テトロドトキシンはアルカロイドの一種で、人に対しては大体経口1~2mgで死に至らせることが出来て、青酸カリの数百倍の力を持っているような物質です。
熱にも強いので、調理過程で失われることがないです。
そのため、毒のある部位を適切に取り除くことが出来る捌き方が必須となり、ふぐ調理師という免許が必要となるのです。
ちなみに、テトロドトキシンはふぐだけが持つ化合物ではなく、ヒョウモンダコやアカハライモリ、ツムギハゼといった他の生物も実は持っています。
ふぐ毒で有名だけどふぐが作ってるわけじゃない?
テトロドトキシンは、ふぐ毒として知られていますが、ふぐが作り出している訳ではないです。
実は、細菌が作り出していて、その細菌を餌にしているヒトデや貝を食べているふぐが生物濃縮(捕食の上位の方が、化合物の濃度が濃くなる現象)を起こしているのです。
ふぐがなんで死なないかというと、強い耐性を持っているからなんですね。
テトロドトキシンの作用対象である、電位依存性ナトリウムチャネルが、他の動物と違った構造をしていることで、この耐性を得ています。
テトロドトキシン中毒の症状
臨床所見
神経毒であるテトロドトキシンは神経細胞や筋線維の細胞膜に存在する電位依存性ナトリウムチャネルを抑制することで、活動電位の発生と伝導を抑制する。そのため、フグ毒の摂取による主な症状は麻痺である。
症状
摂食後の20分程度から数時間で症状が現れる。意識が明瞭なまま麻痺は急速に進行し24時間以内に死亡する場合が多い。
第1段階
指先や口唇部および舌端に軽い痺れ。目眩により歩行困難。頭痛や腹痛の場合も有り。
第2段階
運動麻痺が進行、嘔吐、知覚麻痺、言語障害、呼吸困難、血圧降下。
第3段階
全身の麻痺症状、骨格筋の弛緩、呼吸困難及び血圧降下が進行。
第4段階
意識の消失、呼吸停止。死亡。(但し、呼吸停止後も暫くは心臓の拍動が続くことがある)
いまだに年間で、数十件程度の事故がおきており、数人が死に至っています。
テトロドトキシン中毒の対処法
テトロドトキシンの毒は、現在の医療では解毒化する方法はまだ見つかっていないです。
主な処置は対症療法にとどまり、人工呼吸などで、自発的にすることができなくなった呼吸をサポートして、毒が体外に排出されるのを待つという対処法しかとることができません。
なかなか、麻痺が起こったときにすぐ人工呼吸を行うのが難しいので、なかなか難しいですね。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。