がんを見つける臨床検査に用いられている腫瘍マーカーについて、紹介します。
腫瘍マーカーとは
腫瘍マーカーというのは、がんが進行していくにつれて産生されるタンパク質などのことを言います。
要は、この腫瘍マーカーを調べることで、がんの進行具合であったり、がんが存在するかどうかを調べたりすることができます。
ただし、健常人でも腫瘍マーカーはある程度産生しているので、腫瘍マーカーが高いからといって、がんであるという確定を下すことは難しいとされています。
ですが、定期的に検査することで有用な情報を教えてくれると言えます。血液や尿を採取するだけなので、そこまで大変な検査というわけではありません。
がんは早期発見することで、生存率がぐっと上がる病気なので、もしかしたら腫瘍があるかもしれないというのを簡単に調べられるのは、非常に重要なことといえます。
腫瘍マーカーの種類
がんの種類によって、産生される腫瘍マーカーは異なります。代表的なものは以下の通りです。
PSA | 前立腺がん |
---|---|
SCC | 食道がん、子宮頸がん、扁平上皮がんなど |
CA19-9 | 胆のうがん、胆管がん、大腸がん、膵臓がんなど |
CA15-3 | 乳がんなど |
AFP | 肝細胞がん |
PIVKA-Ⅱ | 肝細胞がん |
腫瘍マーカーとがんの種類は、一対一対応になるわけではなく、一つの腫瘍マーカーが複数の種類のがん細胞から産生されます。
なので、複数の腫瘍マーカーを調べることで、おそらくこの部位に腫瘍がありそうだというのを予測たてて、精密検査を行うというのが早期発見の鍵となります。
まとめ
腫瘍マーカーは、がんが進行することで産生される因子のことです。
早期発見やがんの進行具合を把握するのに有用とされていますが、腫瘍マーカー陽性だからといって必ず腫瘍があるというわけではありません。
現在研究が進められている分野で、今後、この腫瘍マーカー陽性ならこの部位に腫瘍があるといった特定診断ができるような腫瘍マーカーが発見されるかもしれません。
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