医療用医薬品と一般用医薬品(OTC薬)の違いとは?

病院・薬局等の医療機関で処方せんを用いてもらえる医薬品(医療用医薬品)と、処方せんがなくてもドラッグストア等で買う事が出来る医薬品(一般用医薬品)は何が違うのでしょうか?
今回はその違いについて説明したいと思います。

医療用医薬品と一般用医薬品の違い

医療用医薬品とは、医師・歯科医師によって使用される、もしくは医師・歯科医師の処方せん・指示によって使用されることを目的とした医薬品とされています。病院等で直接医師が用いる、もしくは処方せんを発行した上で薬剤師による調剤を経なければ、患者さんに渡す事の出来ない医薬品のことをさします。
一方、一般用医薬品(OTC医薬品:OTC=over the counter)は、医療用医薬品以外の医薬品とされています。一般の人が医師の発行する処方せんを必要とせずに買うことが出来る医薬品をさします。副作用などのリスクにより分類分けされていて、リスクの高いものから順に「第一類」「第二類」「第三類」とされています。第一類の一般用医薬品は、薬剤師でなければ販売することが出来ません。

基本的に、医療用医薬品の方が薬理作用が強かったり、新しい薬であったりして医師の適切な指示が必要な医薬品である事が多いです。最近は、医療用医薬品から一般用医薬品へスイッチされた医薬品(スイッチOTC)が増えてきています。具体例としてガスター10があります。医療用医薬品も一般用医薬品にも同じ成分量が含まれています。ガスター10のように、医療用医薬品にも一般用医薬品にも分類される薬剤が存在します。
 
医療用医薬品と一般用医薬品の違いとして、処方せんが必要な他にも、
①添付文書(医薬品に付属している医薬品についての文書)の内容が異なる。
 医療用医薬品の添付文書は、医療関係者が読むので専門的な医療用語を用いていたり、体内での薬の動きを調べたデータ等が記載されていたりするのに対して、一般用医薬品の添付文書は、一般の人が分かりやすいような言葉で記載されていて、理解しやすいように工夫されていたり、症状の改善が見られない場合には、医師・薬剤師に相談するように促す言葉が記載されていたりする違いがあります。
②用法用量・薬の形(剤形)が異なる。
 医療用医薬品は医師の指導のもとで用いるので、用法用量剤形に制限はありません。ですが、一般用医薬品は一般の人でも使いやすいような剤形(注射剤は一般用にはない)、用法用量も記載された通りに用いるように指示されています。
③保険制度が異なる。
 医療用医薬品は、健康保険が適応されるので安いですが、一般用医薬品には健康保険が適応されないので高いです。医療用医薬品は、処方せんを書いてもらうために診察を受けなくてはいけないので、トータルで考えるとあまり値段の差はないのかもしれません。長期間服用する薬については、医療用医薬品の方が安くすむ傾向にあります。
 
また、医療用医薬品は、処方せんが必要なため診察を受けなくてはいけないので、どうしても時間がかかってしまいます。ですが、一般用医薬品であれば時間をかけずに手に入れる事が出来ます。

まとめ

自分の体調に合わせて、医療用と一般用の医薬品を上手に使い分けることが、健康な生活を送るために大切だと思います。体調に不安があれば遠慮なく近くの薬局・ドラッグストアの薬剤師に相談してみるのも良いのではないでしょうか。

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