ノバルティスが社内調査で、有害事象の報告が遅延していたことが判明。

ノバルティス社の社内体制のずさんさ

ノバルティスは6月9日、MRなど社員が自社製品に関連する有害事象を把握しながらも、安全性評価部門への報告が約1万例で遅延していたことが、社内調査で判明したと発表した。有害事象の中には、厚労省に報告すべき重篤な副作用が含まれている可能性もあることから、早急に調査を進める。同社では、社員が有害事象を入手した場合、24時間以内に報告する社内ルールが定められていたが、遵守されていない実態があった。
引用:ノバルティス・社内調査 約1万例で有害事象報告遅延 重篤な副作用含む可能性も

有害事象や副作用の報告は、MR(医薬品情報担当者)の重要な業務の一つです。

医薬品は、売ればそれで終わりというたぐいの商品ではなくて、実際に服用して治療に貢献できたかどうか追っていく必要のあるものです。
その一環として、副作用など身体に悪い影響を及ぼす症状は常に情報収集され解析・改善策を生み出していかなくてはいけません。

ですが、ノバルティス社は社内体制として情報収集ができづらい状態だったということが判明しました。

製薬企業として、あまりにも無責任すぎる状態であると言えます。

有害事象と副作用の違い

有害事象と副作用という言葉が、このニュースでは出てきていますが、それぞれ若干違いがあります。

有害事象は、薬を服用中に生じた全ての身体に悪影響を及ぼした事例のことを指します。薬物との因果関係がはっきりしないものも含みます。

一方副作用は、薬物との因果関係がはっきりしている身体に悪影響を及ぼした事例を指します。

集められた有害事象に関する情報を解析して、副作用を炙りだすといったイメージだとお考え下さい。

まとめ

今回はノバルティス社がこのような問題を抱えていると指摘されましたが、正直なところどこの製薬企業でも起こりうることです。

他の企業のことだからいいやということではなくて、製薬企業全体としてこの問題を改善していかなければ、製薬企業に対する信用は失墜してしまうと言えます。

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