【トラムセット配合錠】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

トラムセット配合錠は、トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェンが配合されている痛み止めの薬です。
ロキソニンなどのNSAIDs単体でコントロールが効かない痛みなどで用いられます。おもに、整形外科領域で処方されることが多い薬です。

今回は、トラムセット配合錠について、説明していきます。

目次

トラムセット配合錠ってどんな薬?
トラムセット配合錠ってどうやって効くの?
トラムセット配合錠の用法・用量
トラムセット配合錠の副作用・注意点
まとめ

トラムセット配合錠ってどんな薬?

トラムセット配合錠は、トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンが配合された痛み止めの薬です。
2011年7月に販売が開始されました。

効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
非がん性慢性疼痛
抜歯後の疼痛
効能又は効果に関連する使用上の注意

慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
引用:トラムセット配合錠 添付文書

オピオイド系鎮痛薬で効果不十分な痛みに対して用いられます。
オピオイド系鎮痛薬とは、早い話が麻薬と同じ作用機序を有している鎮痛薬のことをさします。

トラマドール塩酸塩はオピオイド系の鎮痛薬であり、痛みを強力に抑えることができる痛み止めです。
ただ、安心してほしいのは、麻薬と同じ作用機序だからといって、怖い薬ではないです。

依存性の形成には、快楽を求めた使用、長期連用が元になると考えられています。
痛み・炎症がある患者さんにおいては、依存性が形成されにくいこともわかっています。

このあたりはまだまだ研究段階なのですが、実際に使用している患者さんで依存性がみられるケースが少ないことや、動物実験において、痛み・炎症存在下では、依存性形成に関与すると考えられている脳の一部分(側坐核領域)でのドパミンという生体内伝達物質の遊離が抑えられていることが判明していることからも、痛み・炎症があると、依存性が形成されにくいのだと考えられています。

長期連用をすると、依存性を形成する可能性もあるので、医師の指示通りの服用をこころがけてください。

トラムセット配合錠ってどうやって効くの?

トラムセット配合錠には、ふたつの有効成分が配合されているので、それぞれの効果の発揮の仕方を説明していきます。

トラマドール塩酸塩

トラマドールは、μ(ミュー)オピオイド受容体に対する作用、モノアミン再取り込み阻害作用により、鎮痛効果を発揮します。

オピオイド受容体は、μ受容体、κ受容体、δ受容体などがありますが、μ受容体が刺激されると、痛みを伝える神経の活性レベルを抑えることで、痛みの情報を流れにくくし、鎮痛効果を発揮すると考えられています。

モノアミン取り込み阻害作用とは、神経細胞から放出されるノルアドレナリンやセロトニンといった神経伝達物質は再利用するために神経細胞に再取り込みされるのですが、その取り込みを抑制することで、神経の伝達物質を枯渇させ、伝達をにぶらせる作用をさします。

アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは、アニリン系解熱鎮痛剤に属して、中枢に直接はたらきかけることで、鎮痛作用を発揮するとされています。

トラムセット配合錠の用法・用量

用法及び用量
非がん性慢性疼痛
通常、成人には、1回1錠、1日4回経口投与する。投与間隔は4時間以上空けること。
なお、症状に応じて適宜増減するが、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。

抜歯後の疼痛
通常、成人には、1回2錠を経口投与する。
なお、追加投与する場合には、投与間隔を4時間以上空け、1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1. 投与の継続
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
2. 投与の中止
慢性疼痛患者において、本剤の投与を必要としなくなった場合は、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
引用:トラムセット配合錠 添付文書

トラムセット配合錠は基本的に1回1錠、1日4回服用する薬です。
症状に合わせて適宜増減しますが、上限は1回2錠、1日4回の1日8錠です。

4週間継続して効果が現れない場合は、服薬を中止して他の薬への切り替えを検討することとされています。
無駄に長期連用すると、依存性のリスクなどの副作用発現可能性が上がってくるからです。

また、トラムセット配合錠は中止するときには、いっきにスパッとやめてはいけません。
オピオイド系の痛み止めは、一気にやめるのではなくて、徐々に減量していく必要があります。
激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等といった退薬症状がでる可能性があるためです。

なんだーこの薬効かないからやーめた!などと、自己判断で中止しないようにしましょう。

トラムセット配合錠の副作用・注意点

悪心、嘔吐、傾眠、便秘、浮動性めまいが、主な副作用として報告されています。

オピオイド系の薬は、消化管の動きを抑えてしまうため便秘が生じやすくなります。
また、中枢に存在するCTZ(化学受容器引き金帯)とよばれる箇所に作用し、嘔吐を引き起こすことがあります。
麻薬よりかは、こういった作用はよわいですが、少しは生じる可能性があります。

神経を抑える薬なので、傾眠やめまいが生じることがあります。

体に違和感、体調悪化を感じるようであれば、医師に相談するようにしましょう。
飲むのをやめるか、減量するか、副作用に対する薬を追加するなど、痛みや状態に応じて対応してくれるかと思います。

警告
1.
本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、アセトアミノフェンの1日総量が1500mg(本剤4錠)を超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど、慎重に投与すること。
2.
本剤とトラマドール又はアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、過量投与に至るおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。
引用:トラムセット配合錠 添付文書

トラムセットに配合されているアセトアミノフェンは、長期、大量に服用すると肝臓にダメージを与える可能性があるので、適宜確認するようにすることと、過量に投与すると副作用リスクが上がるので併用しないことが、注意喚起されています。

まとめ

トラムセット配合錠は、トラマドールとアセトアミノフェンが配合された、痛み止めの薬です。
NSAIDsなどの、非オピオイド鎮痛剤で効果不十分な、整形の痛みや歯の痛みに用いられます。

副作用としては、悪心、嘔吐、傾眠、便秘、浮動性めまいが生じる可能性があります。

医師の指示通り服用するようにしましょう。

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