はじめに
エイフスチラは、血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者(血友病A)の方向けの薬です。
有効成分は、ロノクトコグ アルファで、日本では2017年9月に製造販売承認がおりました。
今回は、エイフスチラの効能効果、副作用、注意点について紹介していきます。
目次
エイフスチラってどんな薬?
エイフスチラってどうやって効くの?
エイフスチラの用法・用量
エイフスチラの副作用
エイフスチラの注意点
まとめ
エイフスチラってどんな薬?
エイフスチラは、血液凝固第Ⅷ因子が欠乏している患者さん、つまり血友病Aの方に用いられる薬です。
血友病Aの日本における患者数は、約5000人程度と推定されています。
効能又は効果/用法及び用量
血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
引用:エイフスチラ 添付文書
血友病ってどんな病気?
血友病は出血が止まりにくくなる病気です。
血液凝固には、実に様々な因子が絡みあって最終的に凝固されるのですが、血友病Aでは第Ⅷ因子が、血友病Bでは第Ⅸ因子が欠けている、もしくは活性が低いため、凝固に至らないという結果になります。
血友病は、X染色体劣性遺伝によって遺伝します。
X染色体とは、性染色体の一つでもう一つはY染色体です。
男性はXY、女性はXXでコードされます。
血友病の原因となる遺伝子はX染色体にコードされており、またどちらの染色体も異常だと病気で発現する種類の病気です。(この遺伝方法をX染色体劣性遺伝という)
つまり、女性はどちらのX染色体も異常でなくてはいけないので、一本しかないX染色体が異常だったら病気になる男性のほうが、血友病となる可能性は高いです。
血友病は、血液の凝固異常が起こる病気ですが、問題となるのが、深部出血です。
関節や筋肉といった損傷しやすい部位で内出血が生じ、頻繁に起こることで変形が生じてきます。
また、脳を守る頭蓋内部で出血すると、血液が脳を圧迫することで、様々な症状を起こします。
基本的な治療法は、欠損している血液凝固因子の投与になります。
エイフスチラってどうやって効くの?
エイフスチラの有効成分ロノクトコグ アルファは、体内で活性化することで、血液凝固第Ⅷ因子の活性型と同じアミノ酸配列になるため、代替として作用し、血液凝固を問題なく発現させる効果をもちます。
エイフスチラの用法・用量
用法及び用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射する。
通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり20~50国際単位を週2回又は週3回投与する。
引用:エイフスチラ 添付文書
エイフスチラは、体重に応じて量を調節して、静脈注射にて使用する薬です。
患者さんの年齢、血友病の病状に応じても量を調節します。
エイフスチラの副作用
エイフスチラの副作用として多く報告されているのは、過敏症・浮動性めまいです。
他にも、呼吸困難、発疹、注射部位の疼痛、発熱、悪寒などがあります。
特に高齢者においては、生理機能が低下しているので、より注意が必要です。
エイフスチラの注意点
血液凝固第Ⅷ因子活性が問題ない範囲に到達しているかどうかを確かめるために、モニタリングする必要があります。
到達していない可能性の一つとして、血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビター(阻害剤=抗体など)が生じる可能性が考えられます。
つまり、血友病Aの患者さんにとって血液凝固第Ⅷ因子が異物とみなされてしまい、除去する機構が働く可能性があります。
すると、血中から血液凝固第Ⅷ因子が除去されてしまい、思うような止血効果を得られない可能性があります。
まとめ
エイフスチラは、血友病Aつまり血液凝固第Ⅷ因子が弱っている方に用いられる薬です。
有効成分であるロノクトコグ アルファは、体内で活性化されると、血液凝固第Ⅷ因子が活性化したものと同一のアミノ酸配列をもつタンパク質となり、血液凝固第Ⅷ因子を補完することで、血液凝固異常を治します。
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