はじめに
医療の現場で用いられる言葉として、コンプライアンスとアドヒアランスという言葉があります。
患者さんは、ほとんど聞きなれない言葉だと思います。
それぞれどんな意味があるのか、説明していきたいと思います。
目次
コンプライアンスとは?
コンプライアンスとは、患者さんが指示通りに薬を飲んでいることを指します。
指示通りに飲んでいることをコンプライアンス良好(が良い)といい、指示通りに飲んでもらえてない状態をコンプライアンス不良(が悪い)もしくはノンコンプライアンスのように表現します。
薬の効果を最大限引き出すためには、指示通りの用法用量で服用することが大事となるので、コンプライアンスというのは治療効果に対して非常に大事な要素と言えます。
コンプライアンスが悪くなってしまう原因としては、以下があります。
- 薬の効果が感じられないから
- 治ったと判断したから
- そもそも指示を理解してなかったから
- 仕事等で忙しく、薬を飲んでいる暇がないから
- 手の力が弱く、薬をシートから取り出すことができないから
- などなど
なぜ指示通りに服用できないのかについて、根本的な原因を払拭できるようにすることが、コンプライアンスを良好に導く鍵といえます。
たとえば、「手の力が弱く薬をシートから取り出せない」や「薬の量が多すぎてどれを飲めばよいかわからない、管理できない」ケースの場合、
一包化と呼ばれる、そのときに飲む分だけをまとめたパック詰めを行うことで解消できるかもしれません。
アドヒアランスとは?
アドヒアランスは、コンプライアンスの進化系と考えてください。
薬を指示通り飲むことはもちろんのこと、治療そのものに患者さんが深く関与、意思決定することを指します。
例えば、薬を飲んでいて感じた副作用や違和感の報告や、1日2回服用がよいか、1日3回服用が良いかを判断するなど、積極的に関与してくれる状態です。
最近は、アドヒアランスを重視することが多く、コンプライアンスは過去の概念になろうとしています。
アドヒアランスを向上させるためには、医療従事者のわかりやすい情報提供などを始め、患者さん側も自分の罹っている病気について興味関心を持つことが大事といえます。
まとめ
コンプライアンスは、指示通りに薬を飲めているかを表す概念で、アドヒアランスはコンプライアンスが高いのはもちろんのこと、治療方針の理解・意思決定など積極的に医療に関与している状態を表す概念です。
最近は、コンプライアンスに取って代わって、アドヒアランスを重要視するようになっています。
アドヒアランスを向上させるためには、患者さんが自分の病気について理解し、治療に前向きに積極的に取り組めるように、疑問点や不安点を医師をはじめとする医療関係者が払しょくしていくべく、コミュニケーションを重ねていく必要があるといえます。
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