はじめに
ゼローダは、抗がん剤治療に用いられる薬です。
どのような効果効能、副作用・注意点があるのか説明していきたいと思います。
目次
ゼローダってどんな薬?
ゼローダの用法・用量
ゼローダの副作用・注意点
まとめ
ゼローダってどんな薬?
ゼローダは、中外製薬から2003年6月に販売が開始された抗がん剤です。
効能又は効果
手術不能又は再発乳癌
結腸・直腸癌
胃癌
引用:ゼローダ 添付文書
ゼローダは、現在乳がん、結腸・直腸がん、胃がんに用いられる抗がん薬です。
有効成分はカペシタビンです。
カペシタビンは、体内に吸収された後、肝臓でカルボキシエステラーゼにより5′-DFCRに、5′-DFCRは肝臓及び腫瘍組織に存在するシチジンデアミナーゼにより5′-DFURに変換されます。
5′-DFURは、腫瘍組織に高レベルに発現しているチミジンホスホリラーゼにより活性本体の5-FUに変換されます。
5-FUは、古くから抗がん剤として利用されていましたが、腫瘍細胞だけではなく、普通の細胞まで傷つけてしまうため、腫瘍細胞だけに送り届ける技術の開発が急がれていました。
ゼローダは、腫瘍細胞に多く発現しているチミジンホスホリラーゼを用いて5-FUになるので、普通の細胞を可能な限り傷つけないような性質を持っています。
ちなみに、5-FUは細胞内においてFUTPというタンパク質を製造するときに必要となるRNAの原料であるUTPに偽装することができる物質となり、タンパク質合成を阻止して、細胞増殖を抑えることができます。
ゼローダの用法・用量
ゼローダの用法用量は、がんの種類・レジメン(がん治療におけるレシピ)によって異なります。
また、体の大きさ(体表面積で算定)に応じて使用する量が異なります。抗がん剤は毒性が強いため、厳密な用量管理が求められます。
手術不能又は再発乳癌にはA法又はB法を使用する。結腸・直腸癌における補助化学療法にはB法を使用し、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法を使用する。
直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合にはD法を使用する。胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。
引用:ゼローダ 添付文書
A~D法については下記の通り。
A法
体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、21日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
体表面積 | 1回用量 |
1.31m2未満 | 900mg |
1.31m2以上1.64m2未満 | 1,200mg |
1.64m2以上 | 1,500mg |
B法
体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積 | 1回用量 |
1.33m2未満 | 1,500mg |
1.33m2以上1.57m2未満 | 1,800mg |
1.57m2以上1.81m2未満 | 2,100mg |
1.81m2以上 | 2,400mg |
C法
体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積 | 1回用量 |
1.36m2未満 | 1,200mg |
1.36m2以上1.66m2未満 | 1,500mg |
1.66m2以上1.96m2未満 | 1,800mg |
1.96m2以上 | 2,100mg |
D法
体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、5日間連日経口投与し、その後2日間休薬する。これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積 | 1回用量 |
1.31m2未満 | 900mg |
1.31m2以上1.64m2未満 | 1,200mg |
1.64m2以上 | 1,500mg |
ゼローダの副作用・注意点
ゼローダは抗がん剤のため、多くの副作用があります。
手足症候群・悪心・食欲不振・下痢・口内炎、その他赤血球減少・白血球減少などがあります。
悪心・嘔吐は他の抗がん剤にもあるのですが、特異的な副作用として、手足症候群があります。
手足症候群とは、手足がヒリヒリしたり・チクチクするなどの神経過敏になる症状の他、赤く腫れる、皮膚のひび割れ・水疱が生じる症状のことを指します。
乾燥になどにより手足症候群は悪化するので、ハンドクリームなどで保湿ケアするとよいでしょう。
まとめ
ゼローダは、乳がん、結腸・直腸がん、胃がんに用いられる抗がん薬です。
活性本体の5-FUを腫瘍細胞に多く届けさせるために、腫瘍細胞に多く発現している酵素を利用して活性化をする薬です。
副作用として、手足症候群、消化器症状(悪心・嘔吐・下痢)、骨髄抑制があります。
服用に際しては、医師の指示に従うとともに、服用に際して体調悪化などが生じる場合は、速やかに医師に相談するようにしましょう。
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