エボラ出血熱の大流行
エボラ出血熱については以前「エボラ出血熱が西アフリカのギニアを中心として流行しているとのこと」で流行の兆しがあるとお伝えしたのですが、それからさらなる流行が見られています。
2014年8月13日現在、WHO(世界保険機構)が発表しているデータによると、エボラ出血熱で死亡した人は全世界で686人(疑わしい人も含めると1069人)に登っています。
この流行を除いた30年間での死亡者は600人程度だったので、それと比較すると今回の流行が結構すごいことがわかります。
さらに厄介なことに、流行が収束する見込みが立っていないのも怖いところです。
参考:WHO – Ebola virus disease update – west Africa
感染地の拡大
当初、シエラレオネ・ギニア・リビアを中心に感染が拡大しているエボラ出血熱ですが、その地域での感染拡大はもちろんのこと、飛行機によってアメリカやスペインでも感染による死者が発生しています。
アメリカやスペインでの感染拡大は見られていないのですが、人の密集地域で感染拡大ということになれば、多大な被害を及ぼしてしまうことでしょう。
感染拡大しないように、感染者の隔離や早期発見が各国の保健機関に求められています。
エボラ出血熱の治療法
現在、確立されている有効な治療法はありません。
未承認のエボラ出血熱の治療薬として「ZMapp(ジーマップ)」があり、米国人に2名に投与されました。
こちらの薬は、人間での使用実績がこれまでなく、動物実験段階のものでしたが、十分な説明とインフォームド・コンセントを得て、人間に使用されました。
治療法がここまで確立していなかった背景として、製薬企業が営利企業だからというのがあります。
どういうことかというと、製薬企業は収益の見込みが立たない薬については、積極的に開発・製造を行わないという背景があります。
エボラ出血熱は、もともと患者数も少なく薬を開発したとしても、その開発費用を回収できない可能性が高いため、投資が控えられていたということです。
エボラ出血熱が日本に来るの?
日本でエボラ出血熱による感染者が出てしまうことは、可能性として高いと思います。
流行している地域で生活・旅行していた人が帰国して、実は感染していましたというケースが考えられます。
その人が、空港などの検疫すり抜けて、市中でウイルス撒き散らす存在となってしまうと、感染拡大は避けきれないかなーと思います。
日本におけるエボラ出血熱などのウイルスが原因となる重篤な感染症に対する防御力は、実はかなり低いです。
というのも、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスは、WHOのリスクグループ4に指定されているウイルスで取り扱うことができるのは、レベル4の設備基準をもつ実験室とされています。
ですが、今現在レベル4の実験室は、日本で一つも稼働していません。
これは結構まずい話で、簡単にいうとエボラ出血熱のウイルス分析による診断が現状できないことを指します。
一応、レベル4基準の実験室は日本に2箇所存在してはいるものの、地域住民の反対等により稼働できていません。
万が一の自体に備えて、今のうちから期間限定的にでも稼働させておいたほうが良いかと個人的には思います。
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