はじめに
ネシーナはDPP-4阻害作用をもつ、糖尿病の薬です。
DPP-4は、腸管ホルモンであるインクレチン(例:GLP-1)の分解を行う酵素です。
インクレチンには、インスリンの分泌を促進させる効果とグルカゴンの分泌を抑制する効果があるため、血糖値を下げる働きをします。
なので、DPP-4阻害作用を持つ薬は、インクレチンの分解を抑え、血糖値を下げる働きが期待できるので、2型糖尿病の治療薬として用いられています。
今回は、ネシーナの効果効能、副作用や注意点について紹介していきます。
目次
ネシーナってどんな薬?
ネシーナって何の病気に使えるの?
ネシーナってどうやって効くの?
ネシーナの一般的な使う量と回数
ネシーナの副作用
ネシーナで気を付けることは?
ネシーナのジェネリック(GE)ってあるの?
ネシーナの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報
ネシーナってどんな薬?
ネシーナはDPP-4阻害作用をもつ2型糖尿病の治療薬です。
有効成分はアログリプチン。
日本では、2010年6月に販売が開始されました。
効能又は効果
2型糖尿病
引用:ネシーナ錠25mg/ネシーナ錠12.5mg/ネシーナ錠6.25mg 添付文書
ネシーナって何の病気に使えるの?
2型糖尿病は、インスリンが効きづらいことによって生じる糖尿病です。
インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌される物質で、筋肉などの細胞にブドウ糖を取り込ませる働きをもちます。
このインスリンの分泌量が低下している、筋肉などのインスリンの信号を受け取る器官の、信号の受け取り方が弱まっているなどにより、2型糖尿病は発症します。
健常人ですと、食事から摂取した糖分(ブドウ糖)は、インスリンの作用により、全身の筋肉などに取り込まれるため、血中の糖分は低くたもたれています。
ただし0ではありません。
血糖は脳のエネルギー源でもあるので、必要な量は血液中を流れています。
そうなると、血糖値は別に高くても良いんじゃないか?と思われるかもしれません。
ですが、血液中に糖分が多い状態が続くと、血管がもろくなりぼろぼろの状態になってしまいます。。。
細小血管障害・大血管障害といった障害を引き起こします。
細小血管障害には大きく3つの障害があり、それらを3大合併症と呼びます。
糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害です。
糖尿病網膜症は、目の網膜を走る血管が障害され、視力障害を引き起こします。
失明の原因の第2位です。(1位は緑内障)
糖尿病腎症は、腎臓の機能が低下することで生じ、腎臓を介しての毒素の排出ができなくなることで、「尿毒症」を生じる病気です。
尿毒症は、老廃物がたまることによる「食欲低下・吐き気」「頭痛」や水分がたまることによる「むくみ」「息苦しさ」「動悸」が生じる病気です。
糖尿病神経障害は、手足のしびれや発汗異常、便通異常が生じる病気です。
末梢の神経が障害することにより生じます。
特に、足を怪我したことに気づかず(痛みににぶくなるため)、処置せず放置すると壊疽してしまう可能性があります。
大血管障害は、脳梗塞や狭心症・心筋梗塞といった、比較的大きな血管が詰まったりすることで生じる病気が分類されています。
こうした合併症を引き起こさないためにも、血糖値をきちんとコントロールすることが大事になります。
ネシーナってどうやって効くの?
ネシーナの有効成分アログリプチンは、DPP-4阻害作用により、2型糖尿病を治療します。
DPP-4とは、Dipeptidyl Peptidase-4の略であり、腸管ホルモンであるインクレチンを分解する酵素です。
インクレチンは、腸管から放出されるホルモンであり、膵臓からインスリン分泌を促進させる効果があります。
具体的には、GIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide:グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(glucagon-like peptide-1:グルカゴン様ペプチド-1)の2つがあります。
DPP-4阻害薬は、インクレチンの分解を抑えることで、インスリンの分泌促進効果を維持し、血糖値を下げる効果をもたらすため、2型糖尿病の治療に用いられます。
ネシーナの一般的な使う量と回数
用法及び用量
通常、成人にはアログリプチンとして25mgを1日1回経口投与する。用法及び用量に関連する使用上の注意
中等度以上の腎機能障害患者では、排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するため、腎機能の程度に応じて、投与量を適宜減量すること。
引用:ネシーナ錠25mg/ネシーナ錠12.5mg/ネシーナ錠6.25mg 添付文書
ネシーナは通常1日1回25mgを服用します。
ただし、腎機能が低下している患者さんにおいては、12.5mgや6.25mgのものを服用することがあります。
医師の指示に従うようにしてください。
ネシーナの副作用
ネシーナに報告されている主な副作用は、低血糖、便秘、浮腫です。
低血糖は、糖尿病の薬全般的に生じうる副作用です。
冷や汗・震え・動悸といった初期症状があるので、服用後こういった症状がでた場合には、すみやかにブドウ糖を摂取するようにしてください。
低血糖の副作用がでたとき用に、薬局ではブドウ糖の配布をしているので、念の為もらっておくとよいでしょう。
ネシーナで気を付けることは?
継続的な服用を
血糖値が高い状態が続くと、インスリンの効きがさらに悪くなり、糖尿病が悪化するといわれています。
そのため、血糖値は適切な値でコントロールし続けたほうがよいです。
そのためには、処方された薬を飲み忘れることなく服用し続けることが大事となります。
食事・運動療法も忘れずに
2型糖尿病治療は、暴飲暴食を控える・炭水化物を控える・油っぽい食事を控えるといった食事療法と、適度に運動をするという運動療法が基本です。
薬の服用中も、食事療法と運動療法は忘れずに心がけるようにしてください。
低血糖に注意
副作用の低血糖には注意が必要です。
初期症状(冷や汗・震え・動悸)を感じたら、ブドウ糖を摂取してください。
放置すると、意識消失し、死に至ることもあります。
ネシーナのジェネリック(GE)ってあるの?
ネシーナのジェネリックは2018年7月現在販売されていません。
ネシーナの市販薬(OTC)ってあるの?
OTCでの販売はされていません。
まとめ
ネシーナは有効成分アログリプチンの2型糖尿病治療薬です。
DPP-4阻害作用を通して、血糖値を下げる働きを持ちます。
使用に際しては、医師の指示に従うようにしてください。
関連する情報
他のDPP-4阻害作用をもつ薬
ネシーナを含んだ配合錠
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