はじめに
2型糖尿病治療薬として用いられるテネリア。
DPP4阻害作用を通して、血中血糖値を下げる働きをします。
今回はそんなテネリアの、効果効能、副作用・注意点について説明していきます。
目次
テネリアってどんな薬?
テネリアってどうやって効くの?
テネリアの用法・用量
テネリアの副作用・注意点
まとめ
テネリアってどんな薬?
テネリアは、有効成分テネリグリプチンの2型糖尿病治療薬です。
2012年9月に販売が開始されました。
DPP4阻害作用を有する糖尿病治療薬です。
効能又は効果
2型糖尿病
引用:テネリア 添付文書
ちなみに、1型糖尿病には用いることができません。
というのも、1型糖尿病はそもそも膵臓からのインスリン分泌ができないもしくは量が少ない状態になっているので、外部からインスリンを補給するインスリン注射が第一選択となります。
テネリアってどうやって効くの?
テネリアは、糖尿病薬のなかでも、DPP4阻害薬に分類されます。
DPP4とは、膵臓に対してインスリンの分泌を促す成分である、GLP1を分解する効果がある酵素です。
DPP4阻害薬は、DPP4の分解作用を抑制することにより、GLP1の濃度を上げ、膵臓からのインスリン分泌を促す作用を持ちます。
ちなみにGLP1とは、食事を摂ることで小腸から分泌されるホルモンであるインクレチンの一つです。
インスリンとは、下記のような作用をもつ生体内物質です。
- 全身の臓器にブドウ糖(血糖値高くなる原因)を取り込ませる
- 筋肉や肝臓で、ブドウ糖からグリコーゲン(体内に糖分を貯蔵するときの物質)への合成を促す
- 反対に、貯蔵しているグリコーゲンの分解を抑える
- 脂肪の合成を促す(脂肪はブドウ糖からも作られます)
糖尿病患者さんでは、インスリンの量が少なくなっていることが知られています。
なので、どーにかこーにかインスリンの量を増やすことで、血中の糖分を下げるのを補助することが糖尿病治療薬の狙いになります。
ってことは、インスリン注射すれば解決じゃないか?と鋭い人は思うかもしれませんが、インスリン注射は低血糖のリスクがあったり、注射がめんどくさかったりするため、ちゃんと指導・説明しないと用法用量通り実施していただけない薬です。
その点、飲み薬で解決できれば、そこまでコンプライアンスの低下は起きず、またインスリンがドバっとでることによる低血糖のリスクも抑えられるよう開発されているので、割りと安心して服用できます。
DPP4もGLP1というインスリンの分泌を促進するホルモンを作用機序の間に挟んでいるので、インスリンが一気にドバっとでることはなく、低血糖のリスクも低いとされています。
余談ですが、インスリン注射じゃなくて、インスリン飲み薬作ればいいんじゃない?という意見もおっしゃる通りですが、大問題があって現在のところできないのです。
大問題とは、インスリンがタンパク質でできている点です。
タンパク質を普通に口から摂取すれば、胃で分解されてしまいます。
胃で分解されないように、胃で溶けないカプセルに入れた場合、腸まで到達できるかもしれませんが、腸にはタンパク質が分解されてできるアミノ酸を吸収する機構は存在するものの、タンパク質を吸収する機構は存在しません。
ってことで、経口のインスリン製剤は未だ開発されていません。残念。
テネリアの用法・用量
用法及び用量
通常,成人にはテネリグリプチンとして20mgを1日1回経口投与する.なお,効果不十分な場合には,経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量することができる.
引用:テネリア 添付文書
テネリアは、1日1回服用するタイプの薬です。
量は、基本は20mgですが、効果に応じて、40mgまで服用してもよいとされています。
テネリアの副作用・注意点
テネリアで報告されている副作用は、低血糖症状、便秘などです。
低血糖症状とは、すべての糖尿病薬で生じる可能性がある副作用です。
糖分は、脳のエネルギー源・筋肉のエネルギー源でもあるので、過度に血中から奪ってしまうと、脳の活動にブレーキがかかってきてしまいます。
その結果、ふるえ、冷や汗、めまい、たちくらみ、動悸などが生じます。
このような症状を感じたら、すぐにブドウ糖を摂取しましょう(普段糖尿病薬をもらっている薬局に言えばもらうことができます)
普段は低血糖症状が起こらなくても、風邪などの体調不良、食事を抜いたなどで生じることがあります。
気をつけましょう。
まとめ
テネリアは有効成分テネリグリプチンの2型糖尿病治療薬です。
DPP4阻害作用を有し、GLP1というインスリンの分泌を促す物質を分解するDPP4の働きを抑制します。
基本的には1日1回服用する薬です。
副作用として、低血糖症状・便秘があります。
医師の指示どおりの服用をするようにしましょう。
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