インフルエンザが流行しているなか、新しいタイプのインフルエンザ治療薬が承認される見通しになりました。「アビガン」という薬です。この薬について書いていきたいと思います。
アビガンとは?
アビガンは、新型または再興型インフルエンザウイルス感染症に対する治療薬として、承認される見通しになりました。一般名はファビピラビルと言います。
その作用は、インフルエンザウイルス遺伝子を複製する酵素RNAポリメラーゼの機能を抑えるものです。簡単に言うと、インフルエンザウイルスに新たな遺伝子を作れなくさせ、増殖を止める作用があります。
使用に際しての注意としては以下のようなことがあります。
- 既存のインフルエンザ治療薬(タミフル、リレンザなど)を用いても効果がなかったときに用いること
- パンデミック(大規模な流行)が生じるまでは、一般に流通させないこと
- 妊婦、妊娠の可能性がある女性には投与しないようにすること
既存のインフルエンザ治療薬については、抗インフルエンザウイルス薬のまとめを参考にしてください。
まさにアビガンは、インフルエンザに対する最終兵器といった位置づけですね。
ウイルスは変異が激しいため、薬が効かなくなってしまうことがあります。薬が効かないウイルスを耐性ウイルスというのですが、これは薬にある程度暴露されると作られると考えられています。耐性ウイルス化を避けるために、普段から流通させるのではなくてここぞという時に流通させて、インフルエンザをやっつけようという戦略のようです。
また、妊娠している場合、胎児に副作用が生じる恐れが高いため妊娠している人やその可能性がある人には用いることができないようです。また、投与後は7日間は避妊を行うようにしなければいけないとのことです。
まとめ
アビガンは新型インフルエンザに対する治療薬です。パンデミックが生じないと流通しない薬で、最後の砦のような薬といえます。
新型インフルエンザの流行に備えて、国主導で備蓄が行われるでしょう。
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