はじめに
薬局でもらう薬のなかには、合剤と呼ばれる種類の薬があります。
配合錠とも呼ばれているのですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
合剤・配合錠のメリットを解説していきたいと思います。
目次
合剤とは?
合剤とはその名前の通り、2種類以上の有効成分を混ぜた薬のことを指します。
大きく分けて、3つのパターンがあります。
病気の、様々な症状に対する効果を持つ薬をひとつにまとめたもの
例えば、PL配合顆粒がこのパターンに当てはまります。
風邪の症状である、発熱、痛み、鼻水がでるといった症状を全体的に抑えるために、複数の有効成分を配合しています。
一つの病気に対する、複数の作用機序を持つ薬をまとめたもの
例えば、高血圧の薬の種類には、Ca拮抗薬、利尿剤、ARBといった様々な作用機序を持つ薬が存在します。
一つの種類の薬では、血圧をコントロールできない場合、複数の作用機序を持つ薬を併用して服用することがあります。
それならば、一つの薬にまとめてしまったほうが良いだろうという発想で生まれたのがこのパターンの薬です。
高血圧の薬でいえば、ユニシア、ミカムロ、エックスフォージといった薬があり、糖尿病の薬でいえば、リオベル、エクメットといった薬があります。
複数の病気に対する有効成分を、ひとつにまとめたもの
高血圧と高脂血症の両方の病気が生じている患者さんも珍しくありません。
なので、一つの薬でその両方に効果を発揮する合剤が作られています。
カデュエットという薬です。その配合の比率によって、1番から4番までの数字が付けられています。
合剤のメリット
合剤のおおきなメリットとしては、下記のような点があります。
- 飲む錠剤の量が減るので、服用のめんどくささが減る
- 飲み忘れが減る
- どの薬がどの効果があるのかを覚えやすくなる
おおきなポイントは飲む薬の数を減らすことができる点にあると思います。
高血圧や高脂血症の薬は、長期にわたって服用することが大事な薬なので、飲み忘れやめんどくささによる服用放棄が治療の一番のネックになります。
きちんと薬を飲んでコントロールできている状態にすることが必要なので、こっちの薬は飲んだけど、あっちの薬は飲み忘れているという状態だと、医師も薬の効果がでているのだかわからなくなってしまいます。
そうした状況を回避するためにも、薬の数を減らし、患者さんが何の薬かをしっかり見極めるようになり、きちんと全部の薬を医師の指示通りに飲むためにも、合剤は有意義であるといえます。
合剤の紹介
多くの人がかかっている病気ほど、利便性向上のために、多くの種類の合剤がつくられています。
その一部を紹介します。
高血圧(ARB+Ca拮抗)
- ミカムロ配合錠AP・BP ARB:テルミサルタン(商品名:ミカルディス)+Ca拮抗:アムロジピン(商品名:アムロジン)
- エックスフォージ配合錠 ARB:バルサルタン(商品名:ディオバン)+Ca拮抗:アムロジピン(商品名:アムロジン)
- ユニシア配合錠LD・HD ARB:カンデサルタンシレキセチル(商品名:ブロプレス)+Ca拮抗:アムロジピン(商品名:アムロジン)
- ザクラス配合錠LD・HD ARB:イルベサルタン(商品名:アジルバ)+Ca拮抗:アムロジピン(商品名:アムロジン)
- レザルタス配合錠LD・HD ARB:オルメサルタンメドキソミル(商品名:レザルタス)+Ca拮抗:アゼルニジピン(商品名:カルブロック)
- アイミクス配合錠LD・HD ARB:イルベサルタン(商品名:アバプロ)+Ca拮抗:アムロジピン(商品名:アムロジン)
高血圧(ARB+利尿薬)
- ミコンビ配合錠AP・BP ARB:テルミサルタン(商品名:ミカルディス)+利尿薬:ヒドロクロロリアジド
- エカード配合錠LD・HD ARB:カンデサルタンシレキセチル(商品名:ブロプレス)+利尿薬:ヒドロクロロリアジド
- イルトラ配合錠LD・HD ARB:イルベサルタン(商品名:アバプロ)+利尿薬:トリクロルメチアジド
糖尿病
- エクメット配合錠LD・HD ビルダグリプチン(商品名:エクア)+メトホルミン塩酸塩(商品名:メトグルコ)
- リオベル配合錠LD・HD ピオグリタゾン(商品名:アクトス)+アログリプチン(商品名:ネシーナ)
- メタクト配合錠LD・HD ピオグリタゾン(商品名:アクトス)+メトホルミン(商品名:メトグルコ)
緑内障用点眼液
- デュオトラバ配合点眼液 トラボプロスト(商品名:トラバタンズ)+チモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール)
- アゾルガ配合懸濁性点眼液 プリンゾラミド(商品名:エイゾプト)+チモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
肺合剤・合剤は服用する薬の数を減らすことで、患者さんへの負担軽減やアドヒアランス向上をもたらす薬です。
飲んでいる薬の数が多すぎて、よくわからなくなっている方、次回病院に行かれた際に合剤や配合錠にできませんか?と医師に相談してみるのもよいでしょう。
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