はじめに
ラスリテックは、がん化学療法に伴う高尿酸血症に用いられる薬です。
がん化学療法を実施すると、腫瘍細胞が大量に除去されることで、様々なミネラル・細胞内物質・組織が体内に放出されます。
その結果、様々な病気(腫瘍崩壊症候群)を引き起こします。
そのなかの一つに高尿酸血症がありますが、ラスリテックは尿酸を直接分解することで、効果を発揮します。
今回は、ラスリテックについて効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
ラスリテックってどんな薬?
ラスリテックってどうやって効くの?
ラスリテックの用法・用量
ラスリテックの副作用
ラスリテックの注意点
まとめ
ラスリテックってどんな薬?
ラスリテックは、がん化学療法に伴う高尿酸血症に用いられる薬です。
有効成分は、ラスブリカーゼ。
日本では、2010年4月に販売開始されました。
注射剤でのみ、販売されているので、病院で投与されます。
効能又は効果
がん化学療法に伴う高尿酸血症効能又は効果に関連する使用上の注意
1.本剤の投与にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適応患者を選択し、既存の支持療法では血中尿酸値の管理が不十分と考えられる場合にのみ投与すること。
2.がん化学療法後に発症した高尿酸血症の治療における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
引用:ラスリテック 添付文書
ラスリテックは、がん化学療法に伴う高尿酸血症に用いられ、痛風やその他の高尿酸血症には用いられません。
ラスリテックってどうやって効くの?
ラスリテックの有効成分ラスブリカーゼは、尿酸オキシダーゼです。
尿酸に直接作用して、アラントインに変化させます。
アラントインは、尿酸と比較して水に溶けやすいので、尿中にどんどん放出されます。
大多数の哺乳類では、アラントインがプリン体の最終生成物なのですが、人や類人猿では尿酸オキシダーゼが進化の過程でなくなってしまったので、尿酸が最終生成物です。
ラスリテックの用法・用量
用法及び用量
通常、ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。なお、投与期間は最大7日間とする。
引用:ラスリテック 添付文書
ラスブリカーゼは、がん化学療法開始の4~24時間前に投与開始して用いられます。
あまり早すぎても、酵素が分解されて効果を失ってしまうからですね。
ラスリテックの副作用
副作用として報告されているのは、悪心・嘔吐、アレルギー反応、注射部位反応、頭痛、下痢、腹痛などが報告されています。
病院の管理下で用いられる薬なので、体調が悪化したら、看護師・医師にすぐに伝えるようにしましょう。
ラスリテックの注意点
ラスリテック使用後に貧血・アナフィラキシーショックなどの過敏症を起こす方がいらっしゃいます。
症状変化あれば、医師・看護師に伝えましょう。
まとめ
ラスリテックは、がん化学療法実施中に生じる高尿酸血症の治療に用いられる薬です。
点滴でのみ販売されているので、病院で使用されます。
直接、尿酸を分解することができる酵素【ラスブリカーゼ】が有効成分です。
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