はじめに
ボレーは、有効成分ブテナフィン塩酸塩の抗真菌薬です。
日本では、外用液・クリーム・スプレーの製剤タイプが販売されています。
今回は、ボレーの効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
ボレーってどんな薬?
ボレーって何の病気に使えるの?
ボレーってどうやって効くの?
ボレーの一般的な使う量と回数
ボレーの副作用
ボレーで気を付けることは?
ボレーのジェネリック(GE)ってあるの?
ボレーの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
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ボレーってどんな薬?
ボレーは水虫などの白癬菌感染症や癜風菌感染症の治療に用いられる薬です。
有効成分は、ブテナフィン塩酸塩。
日本では、クリームと外用液が1992年4月に、スプレーが2004年7月に販売開始されました。
効能又は効果
下記の皮膚真菌症の治療
(1)白癬:足部白癬、股部白癬、体部白癬
(2)癜風
引用:ボレークリーム1%/ボレー外用液1% ボレースプレー1%添付文書
クリーム・外用液・スプレーともに、同じ効果効能を有しています。
皮膚の状態に応じて、医師の判断により製剤タイプが選択されることになります。
ボレーって何の病気に使えるの?
ボレーは、白癬菌や癜風菌の感染症に用いられます。
白癬菌感染症は、部位に応じて呼ばれ方が異なり、足裏に生じれば「水虫」、股の部分に生じれば「いんきんたむし」と呼ばれます。
糸状菌という菌の種類であり、皮膚の角質成分であるケラチンを主食として活動しています。
感染部位のかゆみやあかみ、皮膚の皮向けなどの症状があり、かきむしることで、別の細菌感染を起こし、化膿状態となることがあります。
癜風は、癜風菌が原因となり生じます。
癜風はときにかゆみが生じることがあり、鱗屑と呼ばれる皮膚表面がぽろぽろ落ちる症状をきたすことがあります。
ボレーってどうやって効くの?
ボレーの有効成分ブテナフィン塩酸塩は、ベンジルアミン系抗真菌剤に分類される薬です。
真菌の細胞膜を構成する成分であるエルゴステロールの合成を抑制することで、細胞の骨格維持をできなくさせ、殺すことができます。
同じような作用機序の薬に、イミダゾール系薬剤(ルリコン)がありますが、イミダゾール系薬剤が「ラノステロール」の14α位の脱メチル反応を担う「チトクロムP450」の作用を抑えるのに対して、ベンジルアミン系薬剤は「スクアレンのエポキシ化反応」を抑えることで、エルゴステロールの合成を抑制します。
人間の細胞膜は、エルゴステロールを利用していないので、真菌のみを攻撃することができます。
ボレーの一般的な使う量と回数
用法及び用量
1日1回患部に噴霧する。
引用:ボレースプレー1% 添付文書用法及び用量
1日1回患部に塗布する。
引用:ボレークリーム1%/ボレー外用液1% 添付文書
ボレーは、1日1回使用するタイプの薬です。
※医師の指示により、2回以上使用を指示される場合もあります。その場合は医師の判断に従ってください。
1日1回の場合は、入浴後に使用するケースがおおいかなと感じます。
ボレーの副作用
ボレーに報告されている主な副作用として、スプレーは発赤・紅斑・接触皮膚炎・そう痒・投与部刺激感などであり、クリーム剤では、発赤・紅斑・接触皮膚炎・そう痒・刺激感で、液剤では、発赤・紅斑・そう痒・刺激感があります。
使用した部位の局所的な発赤や刺激が頻度高く見られます。
使用していて、症状の悪化や違和感を感じるようであれば、医師に相談するようにしてください。
ボレーで気を付けることは?
継続的な使用を心がけてください。
一度使用しただけでは、真菌を殺しきることができず、またぶり返してくる可能性があります。
医師から指示された期間、もしくは医師のOKを貰えるまでしっかり使用したほうが懸命です。
家族と一緒に治療を
白癬菌は感染性があり、同居している家族にも伝染る可能性があります。
なので、一人だけ治療したところで、再感染の可能性が高いです。
家族そろって治療を開始することをおすすめします。
目には使用しないこと。特に外用液
ボレーは目には使用することができません。
外用液は目薬のように見えなくもないので、お子様や高齢者は特に間違えて使わないように注意が必要です。
認知機能がおちている場合には、家族の方がチェックするなどして、間違えないようにしてください。
ボレーのジェネリック(GE)ってあるの?
ボレーのジェネリックはすでに販売されており、ブテナフィン「メーカー名」の名前で販売されています。
希望する場合は、処方箋提出時に薬局にて申し出てください。
医師から特に指示がない場合には、ジェネリックに変更することができます。
ボレーの市販薬(OTC)ってあるの?
有効成分ブテナフィン塩酸塩を含んだOTCが販売されています。
ブテナロックVαシリーズ
ブテナロックVαは、クリームや液体・スプレーなどの製剤タイプが販売されている水虫治療薬です。
ブテナフィン塩酸塩に追加して、かゆみ止めやスースーするメントールなどが配合されています。
まとめ
ボレーは有効成分ブテナフィン塩酸塩の白癬菌・癜風菌感染症の治療薬です。
真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成をブロックすることで、細胞機能を維持できなくさせ、殺すことができます。
使用に際しては、医師の指示に従って使うようにしてください。
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