糖尿病ってどんな病気?合併症って何?

今回は、生活習慣病の一角をしめる「糖尿病」について説明します。

糖尿病の患者数

糖尿病の患者さんは日本にどのくらいいるのでしょうか?
平成23年国民健康・栄養調査報告によると、男性の15.7%,女性の7.6%が糖尿病が強く疑われているとあります。
予備軍も含めると20~30%の人が、糖尿病の危険にさらされていることになります。

糖尿病の種類

糖尿病は2種類あり、Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病に分類されます。
 

 

Ⅰ型糖尿病

  

インスリン(血糖値を下げる物質)を産生する膵臓β細胞が破壊されてしまい、絶対的にインスリンが欠乏してしまうことによって引き起こされる糖尿病

 

Ⅱ型糖尿病

  

インスリンの分泌低下や、インスリン抵抗性(インスリンの効き目が弱くなってしまう現象)により、インスリンの効果が薄くなってしまうために引き起こされる糖尿病

 

生活習慣病で生じるのは、Ⅱ型糖尿病のほうです。

糖尿病の診断基準

糖尿病はどのように診断されるのでしょうか?
診断基準は以下のようになっています。

1回目の血液検査で
 空腹時血糖≧126mg/dl
 75gOGTT2時間値(75gのブドウ糖液を飲んで2時間後の血糖値)≧200mg/dl
 随時血糖(任意の時間で採血したときの血糖値)≧200mg/dl
上記3項目いずれにも該当しなかった場合⇒糖尿病ではありません。
いずれかに該当した場合⇒糖尿病型

糖尿病型の人のうち、同じ1回目の血液検査の際に
 糖尿病の症状である(口が渇く・飲み物を多く飲む・尿が多い・体重減少)が認められた場合
 糖尿病性網膜症が認められた場合
 HbA1c≧6.5%の場合
上記3項目のうちいずれかに該当した場合⇒糖尿病

いずれにも該当しなかった糖尿病型の人は、後日もう一度血液検査を行います。
その2回目の血液検査で
 空腹時血糖≧126mg/dl
 75gOGTT2時間値(75gのブドウ糖液を飲んで、2時間後の血糖値)≧200mg/dl
 随時血糖(任意の時間で採血したときの血糖値)≧200mg/dl
のいずれかに該当した場合⇒糖尿病
いずれにも該当しなかった場合⇒糖尿病型として経過を観察します。

途中で出てきた「HbA1c」というのはグリコヘモグロビンと言って、血液中のブドウ糖とヘモグロビンが結合したものです。この値を調べることで、2か月ほど前の血糖値がどの程度であったかを知ることが出来ます。
空腹時血糖値の値は、検査直前の節制によって、ある程度下げることが出来ますが、HbA1cの値は2か月前の血糖値と相関があるので、検査前の節制では下げることが出来ません。
なので、中期的に血糖コントロールが出来ているかどうかを調べるために、大事な検査値となっています。

糖尿病のもたらす悪影響

糖尿病になってしまうと、どのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
糖尿病自体よりも、糖尿病から引き起こされる合併症が、特に悪影響を及ぼします。
糖尿病の3大合併症は腎症・網膜症・神経障害です。
 人工透析をしなくてはいけなくなったり、視覚障害がでたり、足壊疽による下肢切断を余儀なくされたりする可能性があります。
 糖尿病の怖いところは、自覚症状が分かりにくいという点です。初期の段階でいかに気づくことが出来るかが大事になるので、健診はきちんと受けることをお勧めします。

まとめ

糖尿病は生活習慣病の一つです。日頃から、糖尿病にかからないように、生活習慣(食生活・ストレス・運動不足・飲みすぎ等)に気を付けることが大事なので、体を気遣って生活するように心がけましょう!

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