人工透析って何?透析患者さんに起こる症状と服用する薬について

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はじめに

腎機能が低下して、うまく尿を作ることができなくなった患者さんに、人工的に血液中の老廃物を除去する技術である人工透析。
人工透析患者さんには、どのような症状が生じるのか、またどんな薬を服用しなくてはいけないかを紹介します。

目次

透析とは?
透析患者さんで崩れるミネラル・ホルモンバランス
透析患者さん用の薬について
まとめ

透析とは?

まずは、そもそもの人工透析についてお話しします。
人工透析とは、簡単に言えば、腎臓の代わりに血液の老廃物除去を外部の機械を使って行うことです。

腎臓の役割はいくつかあるのですが、なんといっても一番大事な役割は、血液に含まれている体内で生じた老廃物を濾して、きれいな血液を作り、老廃物を尿として体外に放出させる役割です。
ところが、糖尿病・高尿酸血症(痛風)・糸球体腎炎による腎障害などの理由により、腎臓の機能が著しく低下してしまった場合、体内から老廃物を排出することができなくなってしまいます。
すると、予想できると思いますが、老廃物が体内にたまり続けてしまいます。これは、尿毒症と呼ばれる病気で、最悪の場合死んでしまいます。

人工透析は、このような腎臓の機能が著しく低下してしまった患者さんに対して、血液を濾すという腎臓が行っていた働きを外部の機械を用いて行い、尿毒症を回避する医療技術です。
1回につき3~5時間、それを週に2~3回行わなくてはなりません。

透析患者さんで崩れるミネラル・ホルモンバランス

腎臓の機能は、老廃物の除去だけではなく、体内のミネラルを調整する役割や、ホルモンバランスを整える機能もあります。
透析患者さんで生じる様々な症状について説明します。

高カリウム血症

カリウムは本来、腎臓で濾され尿中に排泄されます。
しかし、透析患者さんでは、カリウムを排泄することができず、体内にたまっていきます。

カリウムが過剰に体内に残ると、不整脈や心停止など命にかかわる病気の原因となってしまします。

血液中のカリウム濃度が7mEq/L以下では自覚症状を認めることはないですが、超えると徐脈(脈が遅くなる)といった症状がでてくることがあります。
心臓のコントロールがうまくいかなくなり始めた症状です。このような状況の時には、緊急的な処置が必要となります。

高リン血症

リンもカリウム同様に、腎臓で濾され尿中に排泄されます。
透析患者さんでは、体内にリンがたまっていく状態になります。

低カルシウム血症

腎臓では、活性型ビタミンD3という、カルシウムの吸収を助ける物質を生成する役割があるのですが、透析患者さんではうまく作ることができません。
すると、体内にカルシウムを取り込むことができなくなり、低カルシウム血症となります。

また、リンとカルシウムは結合する作用があるので、血中の高い濃度のリンとカルシウムが結合して、骨以外のところで石灰化が生じてしまいます。
それによって、低カルシウムに拍車がかかり、一段と血中のカルシウム濃度が少ない状況が生まれます。

二次性副甲状腺機能亢進症

血中のカルシウム不足を引き金に、副甲状腺でホルモン(PTH: パラソルモン)の分泌量が増します。
このホルモンは、血中のカルシウム量を増やすために、骨からカルシウムを供給するように命令する働きを持っています。
なので、骨粗しょう症を併発してしまうリスクが増えます。

また、このホルモンは過量なリンの存在でも、放出されるため、ずっと出続けてしまいます。
すると、血中のカルシウム量がいかなる場合でも、ホルモンが出続けてしまうようになってしまいます。
この状態を二次性副甲状腺機能亢進症といいます。

透析患者さん用の薬について

透析患者さんでは、ミネラルやホルモンのバランスが壊れてしまっているケースが多いです。
それを正常な値に戻すために、薬を用いてコントロールをしています。

高カリウム血症

血液中のカリウムを減らすために、腸でカリウムを吸着させる薬が、用いられています。

  • ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(商品名:ケイキサレート)
  • ポリスチレンスルホン酸カルシウム(商品名:カリメート、アーガメイト)

高リン血症

血液中のリンを減らすために、そもそも腸から吸収されるまえに、腸のなかでリンを吸着させてしまい、吸収できないようにする薬があります。
ポリマーを使っているものや、カルシウムと結合させてしまう方法をとっているものなどがあります。

  • 沈降炭酸カルシウム(商品名:カルタン)
  • セベラマー塩酸塩(商品名:フォスブロック、レナジェル)
  • ビキサロマー(商品名:キックリン)
  • 炭酸ランタン(商品名:ホスレノール)

二次性副甲状腺機能亢進症

副甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬として、シナカルセト塩酸塩(商品名:レグパラ)があります。
この薬は、副甲状腺に直接作用して、ホルモンの分泌を抑えます。

これらの薬以外にも、カリウムが多く含まれる食品を控える、リンを多く含む食品を控えるなどの、食事制限がとても大事となります。

まとめ

人工透析を行っている患者さんでは、腎臓の働きが低下していることによる様々な症状・検査値が現れます。
これらをコントロールするために、血液検査と薬の使用は欠かせないものです。

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