【リキスミア(リキシセナチド)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

2型糖尿病の治療薬として用いられるリキスミア。
GLP-1受容体を作動させる作用を持ちます。

今回は、リキスミアの効果効能、副作用や注意点について、紹介していきます。

目次

リキスミアってどんな薬?
リキスミアってどうやって効くの?
リキスミアの用法・用量
リキスミアの副作用
リキスミアの注意点
まとめ

リキスミアってどんな薬?

リキスミアは、2型糖尿病に用いられる注射の治療薬です。
有効成分は、リキシセナチドで、GLP-1受容体作動薬に分類されます。
日本では、2013年9月に販売が開始されました。

【 効能又は効果 】
2型糖尿病

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉
⑴ 2型糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
⑵ 糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
引用:リキスミア 添付文書

糖尿病には、1型と2型があり、リキスミアは2型糖尿病の薬です。
膵臓からインスリンというホルモンが分泌されるのですが、1型はほぼまったく分泌されない病態であり、2型は分泌はされるが量が少ない病態です。
食生活などの生活習慣・遺伝・ストレスなどで、インスリン分泌量が低下していき、2型糖尿病を発症します。

インスリンとは、血糖を下げることができるホルモンです。
インスリンは筋肉・肝臓に対して、血糖をもとにしてグルコーゲンなどの貯蓄型炭水化物を作るように促します。
また、タンパク質合成や細胞分裂を盛んにさせることで、血糖を使用するようにします。

糖尿病は、このインスリンの量が少ないことにより、血糖が消費されずに血液中に残ってしまう病態なのです。
痛くもかゆくもないのですが、網膜の血管を詰まらせ、炎症を起こすことにより失明を招いたり、腎臓に糖分がつまり、炎症を起こすことで腎臓機能が低下したり、神経を糖分が傷つけることにより、神経障害を招いたり、いわゆる合併症が怖いです。

リキスミアってどうやって効くの?

糖尿病薬の薬効についてまとめました。

リキスミアはGLP-1受容体作動薬になります。
GLP-1は上図の右下にある生体内物質で、消化管から放出されて、膵臓に働きかけて、インスリン分泌を促す物質です。
本来は、食べ物や飲み物が消化管に到着すると、栄養分きたぞーという報告をGLP-1を介して膵臓に行い、それを受けた膵臓がインスリン放出を持って、筋肉や肝臓に対して、当分をタンパク質や長期保存可能な物質に変えろーって命令をだす流れです。

GLP-1の量を増やせば、膵臓への働きかけ方も増すので、インスリンの放出量も増加するだろうって作戦で用いるのが、GLP-1受容体作動薬になります。

リキスミアの用法・用量

【 用法及び用量 】
通常、成人には、リキシセナチドとして、20μgを1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回10μgから開始し、1週間以上投与した後1日1回15μgに増量し、1週間以上投与した後1日1回20μgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日20μgを超えないこと。

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉
⑴ 本剤の投与は朝食前1時間以内に行い、食後の投与は行わないこと。
⑵ 胃腸障害の発現を軽減するため、低用量より投与を開始し、用量の漸増を行うこと。本剤20μgで良好な忍容性が得られない患者には、減量を考慮すること。さらに症状が持続する場合は、休薬を考慮すること。減量又は休薬で症状が消失すれば、患者の状態を十分観察しながら再度増量又は投与を再開する。
引用:リキスミア 添付文書

1日1回、朝食前1時間以内に使用する薬です。
気を付けたいポイントとしては、食後には投与してはいけない点です。

最初10μgから開始して、低血糖症状やアレルギー・アナフィラキシーショックがおきないかどうかをたしかめつつ1週間以上投与、15μgで1週間以上投与して段階的に体にならした後に、20μgで使用します。
患者さんの、血糖値・年齢から判断して投与量は決めるので、医師の指示に従うようにしましょう。

リキスミアの副作用

報告されている副作用は、悪心・低血糖症・嘔吐・食欲不振などです。

血糖は下げたほうがいいのですが、下げすぎも体に毒です。
というのも、血糖は脳のエネルギー源でもあるからです。
低血糖症とは、脳のエネルギー不足ですよーということで、体の異常をきたす症状のことをさします。
具体的には、空腹感・発汗・震えなどの自律神経症状の機能不全からはじまり、眠気・昏睡といった中枢神経の機能不全に至ります。

空腹感・発汗・震え生じるようであれば、すぐにブドウ糖を摂取するようにしましょう。
リキスミアを調剤してくれている薬局に言えば、ブドウ糖をもらうことができます。

とはいえ、インスリン製剤をダイレクトに投与するよりも、はるかに低血糖のリスクは少ないので、安心して使っていただけたらよいかと思います。

また、注射製剤なので、注射部位のそう痒感・紅斑・疼痛などの症状がでることがあります。
この皮膚症状を最小限にとどめるためにも、注射部位はまったく同じところではなく、3cmは少なくともずらすようにしましょう。(それ以上ずれてても大丈夫ですが、

リキスミアの注意点

リキスミアのような、注射製剤はダイレクトに作用をおよぼすので、投与単位ミスや投与時間ミスをしないように、注意しましょう。
高齢者の方であれば、周りのサポートが必要かと思います。

激しい運動後や、過度のアルコール摂取後は低血糖のリスクが高まります。
節度をもった生活を送るようこころがけましょう。

保存方法

使用前のリキスミアは、冷蔵庫で保管するようにしてください。
有効成分がタンパク質でできているので、高温だと変性して効果を失ってしまうためです。
とはいえ、凍結もNGなので、冷蔵庫の場所によっては凍結しがちな箇所がある場合は、そこは避けて保管してください。

使用をし始めたリキスミアは、室温で保管するようにしましょう。
ただし、直射日光のあたる箇所、高温になる箇所(ストーブの近く)は控えるようにしてください。

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1 型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。]
3. 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]
引用:リキスミア 添付文書

リキスミアは使用することができない方がいらっしゃいます。

まず、この薬でアレルギーやアナフィラキシーショックを起こしたことがある方。

次に、1型の糖尿病や糖尿病性昏睡状態といった、インスリンを即座に投与しなくてはいけない場合には、この薬は使えません。
GLP-1を増やして、膵臓からインスリンを分泌してもらおーといった悠長なこと言ってる暇ないってことです。

最後に、重症感染症、手術を行う場合です。
糖の需要バランスが著しく崩れるので、やはりインスリン製剤で直接的にコントロールしたほうがよいです。

補足ですが、風邪をひいたときはシックデイといって、低血糖になるリスクが高まるので、より一層注意して体調管理、食事管理をするようにしましょう。

まとめ

リキスミアは、GLP-1受容体作動作用を持つ薬で、2型糖尿病の治療薬として用いられます。

GLP-1は、膵臓に働きかけてインスリン分泌を促すことができる薬です。
インスリン製剤よりかは、低血糖のリスクが低く、比較的安心して使用することができます。

主な副作用として、低血糖症状や悪心・嘔吐などがあります。
空腹感・発汗・震えといった低血糖症状の初期症状があれば、すぐにブドウ糖を接種するようにしましょう。

使用量、頻度については医師の指示通り使用するようにしてください。

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